隠忍自重 vs新潟 1-3

 開幕2試合負けなしで臨んだ前節、この時期特有の空っ風が吹く難しいコンディションの中、風上の前半にゴールを奪うことができず、風下に回ってから分かり易く2失点を喫して黒星。2試合連続でゴールを奪うことができず、もどかしい内容となった。

 1勝1分1敗の状況で、黒星先行は避けたいところだが、今日の相手は新潟。首位を快走しており、目下3連勝中と勢いに乗る。このタイミングでの対戦は好ましくないが、どこかで戦わないといけないし仕方ない。
 去年は開幕戦でファビオ戦法に屈したが、アウェイでは七聖が恩返し弾でビッグスワンを静まり返らせた。
 件の飲酒運転絡みで酷いクラブ体質が明らかになりゴタゴタし、それもあって一気に失速したが、今シーズンはスタートから順調。アルベルト体制が2年目に突入し、戦い方を早い段階からチームに落とし込めている。スペインらしいポジショナル志向を持っているが、本間至恩が残留したのはズルい。違約金2億はポカリマネーでも渋るし、それほど出すのはペイしない気がしないでもない。それほどまで新潟が本間を囲い込んだわけだが、それが功を奏している(その陰でしれっと新太には出て行かれたが)。本間・高木・ロメロ・鈴木の前線は面倒すぎるし、そもそもウチが苦手にする方々ばかりで辟易。両サイドの本間とロメロが一番外のレーンで張っているので、否が応にもDFは開かざるを得ないし、それによってハーフスペースが上手いこと空くから簡単に料理できる。正直前のクオリティは太刀打ちできないし、J2であれを止めるためには5バックでレーン全部埋めよう作戦しないと無理。ウチがそんなポリシーに反することしないのは知ってるけど、0で守っている時間を長くしない限り、勝機は見えない。

画像1

 ウチは前節から2枚変更。広大ではなく畑尾が移籍後初出場。平尾の負傷が思ったほど重くなく一週スキップして帰ってきた。それに伴い、昇偉がRSBに戻り、岩上と久保田のセントラル。ベンチにはジャスが今シーズン初めて入った。

 対する新潟は1枚変更。前節有給消化だった本間が帰ってきた以外は継続。

前半

 ボールを持たれるのは百も承知だったが、案の定回される。奪った後に昇偉の前のスペースを使って行こうという狙いは感じたが、相手のスライドが速いため決定機とはならない。

 そうこうしているうちにあっさり失点。ウチの右サイド側からの相手FK、CKが連続した中で、ボールが左サイドのタッチラインを割る。スローインの際にCKのゾーンからマンツーマンに戻そうとしたが、マーカーがずれて高木が浮いた。それに気づいた翔大が寄せたが、マークに着く前にスローインを投げられてしまい、翔大のチャレンジも一歩及ばず。そのまま高木に抜け出され、クロスを上げられる。ファーでフリーの鈴木が打ったシュートは藤井が身を挺して守ったが、こぼれ球をロメロフランクに押し込まれて先制を許す。スローインの場面で明らかにバランスが崩れており、高木にアタックできなかった。仕方ない感はあるもののCBが左に偏ってしまい、鈴木に昇偉が着くミスマッチ。いくつかミスが重なれば失点は必然となるが、クロスを上げさせる前の対応が悔やまれる。そもそもこの流れの元のFKに繋がる新潟の展開についていけなかった。

 で、直後に難なく追加点を献上。ウチの右サイドで何度か縦パスを付けてタイミングを計る。その段階で少なくとも2回稔也と昇偉のマークの受け渡しがずれており、そこから突破される可能性があったが、後ろの陣形が整っていたため無理しなかった。次のフェーズで、本間が一度中盤に降りるとワンタッチで高に落とす。このプレーで昇偉と久保田の2枚が一気に連れた。加えて、直前まで本間をオーバーしていく動きを見せていた堀米がここでは前に出てこなかったが、それが却って動きを警戒していた稔也を無力化させた。2枚釣られてできたスペースに高木が藤井の内側から抜け出す。高木はファーストタッチで切り返すと狙いすましたクロス。またもファーから入り込んできた鈴木が今度はしっかり決めた。ロメロがニアに飛び込むし、ファーには本間が入り込んでいて、どこで合わせても決定機を迎えていたことは間違いない。そもそも頭数の部分で噛み合わせ悪いが、万が一防げるとすればサイドでサンドすることくらいか。あとは釣り出された後に戻るべき場所を明確にすること。ボールにアタックするのか、ペナまで戻るのかは徹底しないとならぬ。

 立て続けに2点を取ったことで新潟はペースダウン。といっても、パスのテンポ、動き出しの数が多少減る程度で、基本的に新潟が主導権を握る展開に変わりはなかった。ウチもサイドから応戦を試みるも、やっぱりスライドが速く撤退を繰り返す。

 スコア以上に差がはっきり出た前半は、0-2で終了。

後半

 後半も立ち上がりから押し込まれる。まだツキも残っているのか、ゴール前をボールが行き交うものの決まらなかった。

 早い時間でまずは点差を詰めたかったウチだが、思わぬ形で1点を返す。55分、大前のクイックリスタートからKJへ。KJが質の高いクロスを上げると、これを新潟のCBが中途半端に触ってそのままゴールへ。オウンゴールながら久しぶりに得点が生まれた。

 1点差になったことで勢いが出てきたとともに、岩上→内田、久保田→中山、平尾→広大の3枚替えでアクセントを付ける。藤井がSBに。

 中山が攻撃の起点となることで、チーム全体が押し上げられるようになった。よって、ボールロストしても早い段階からプレスが効くようになり、相手GKの足元のまずさも手伝ってマイボールが増えた。それでも、なかなかシュートまで結び付けられなかった。

 度々本間に抜け出されて決定機を作られていたが、何故か決まらず最小得失点差を保った。最後はFKの流れから鈴木孝司がどフリーになってしまい万事休す。後半はかなり内容が改善したものの、1-3で終える。

雑感 

 想定通りにボールを回されたし、想定通りに負けた感が強い。ボールを保持するスタイルが似ているからこそ、「正しい立ち位置にいること」、「動き出しが連動すること」っていう基本の部分での差が如実に結果に表れるし、去年のホームのヴェルディ戦と抱える問題点は一緒。相手からすると、ウィークポイントも簡単に分かるから攻めやすい。

 個々のクオリティが高いのにあの連動性を伴っている相手は2部にそうそういないし、ドン引きでもしない限り防ぎようがない。
 原則として、堀米:稔也、本間:昇偉のマークは決まっていた感じはあるが、フレキシブルに動いてくる中で徹底しきれなかった。2人とも少し踏ん張りどころ。昇偉に関しては多少目を瞑って使い続けないと意味がないし、今日を糧にしてもらえれば。
 プレスのスタートの基準がズレてるのは今に始まったことじゃないし、もうそこはチームじゃなくて個々の判断の問題。闇雲に走っても意味ない、構える必要アリ。

 ゴールに結びつけられそうな形が乏しいのも通年の課題ではあるが、今日の感じを見ると、畑尾は縦or対角線に付ける意識が強そう。ボールを受けるときに先ずはルックアップして前のコースを探っていた。実際に昇偉に何本か繋げていて、起点になりそう。
 途中から入った中山もやっぱり良い。久保田と似て非なるタイプであり、短いパスを交えながら長い距離のパスで一気に局面を打開できる。広いエリアを走り回ってパスコースを作ることもできるため、途中出場でも流れを変えられる貴重な存在。大前、KJとのタイミングも合う。

 連敗したことは事実であり、3失点も事実である。しかしながら、早いタイミングでこのクオリティのチームと戦えたことはプラスに作用するかもしれない。
 思い返せば去年の開幕数戦もなかなか見るに堪えないような試合が続いていた。それでも最終的には負けないチームが出来上がった。今シーズンは継続路線ではあるものの、センターラインで移籍した選手もいて、メンバー構成を探る部分もあるはずだ。勿論、4チーム降格を考える必要もあるし、悠長に振る舞う暇はないが、急がば回れとも言える。

 先ずは次節、ここ2年勝てていない北九州に勝って勝敗をタイに戻したい(明日の結果次第で北九州が未勝利で敷島に乗り込んでくる可能性があるのが怖い)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?