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手紙の習慣

誕生日プレゼントに、手紙を添える派ですか?

気づけば、誰かにプレゼントを贈るときや誰かとの別れのときに手紙を書いて添えていました。


わたし自身が手紙を書くのが好きなんだと自覚したのは、3ヶ月の間派遣社員として働いた旅館を去るときに、お世話になった約30名の従業員全員に手紙を書いたことでした。


そういえば初めて手紙を書いたのはいつだっただろう。

今でも印象に残っているのは、小学校4年生のときに2分の1成人式で母からもらった手紙。
そこにはわたしの名前の由来が書かれてありました。
わたしのクラスメイトがそれを読んで、なぜかその子が感動して泣いていた記憶があります。
あの手紙、どこにあるんだろう。読みたいな。

わたしが手紙の歴史を振り返っている訳は、ちょうど今手紙を書き終わったからです。
宛先は、中学生の頃から毎年誕生日プレゼントを交換しあっている友人。いつからか、お互いプレゼントに手紙を添えていました。

手紙を書いていると、昔自分がもらった手紙を読み返したくなるのです。

今でも付き合いのある子、塾で教えていた生徒、今はもう話さなくなった友だち。
ここに元恋人とか並べば少しは味が出たのですがあいにく…

わたしが持っている手紙は、もちろん全てわたし宛なので、差出人の言葉も言葉を紡いでいる時間もわたしに向けられていたのだと思うととても愛おしい。
書いた方は、何を書いたのかなんて多分忘れています。わたしも書いたことは正直忘れています。

手紙を読んでいるとタイムスリップしたような気持ちになる。それぞれのわたしの立場も年齢も違うのです。
「中学生のときの同級生」「塾の先生」「仕事の後輩」
どれもわたしで、どれも今のわたしではないのです。
でも、当時のわたしに向けられているのは確かで、それがくすぐったい。
わたしってそんな人間だったか…と、過去の誰かの言葉を通して過去のわたしと出会うことができます。
その感覚がなんだか不思議で、でも少し現実逃避ができるような気もして、心地いい。

だから手紙を読み返す時間が、好きです。


手紙を書く時間も、好きです。

手紙を書くとき、どんな便箋が喜んでもらえるか、どのペンを使おうか、何を書こうか、それを悩むのが好きです。

そういえば、送った手紙はみんなどうしているのだろうか。時が経てば捨てる人もいるかもしれないし、ずっと取っておいている人もいるかもしれない。
わたしみたいにたまに読み返している人とは気が合うかもしれない。

そんなふうに勝手に想像しながら今日も手紙を書いた。
いつもプレゼントに添える手紙を楽しみにしてくれているあなたに。

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