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自然布が面白い

自然布(しぜんふ)という言葉をご存知でしょうか。
下記の有名な本の著者、吉岡幸雄さんは主に「木など植物の繊維で出来た布」を指して自然布と呼んでいます。

例えば科の木(しなのき)の皮を剥ぎ、その繊維を取り出して糸をつくり、布にしたものは科布(しなふ)と呼ばれ、新潟県や山形県で今も作られています。

その独特な風合いは、手にとってみると不思議な感じがします。
また自然布はとにかく一枚の布にするまでに大変な労力と時間がかかるのも特徴です。

例えば沖縄の芭蕉布(ばしょうふ)は、繊維を取り出した後に糸作りをするのですが、これは1本1本人の手で繊維を結んでいくことになります。
一反分の糸を作るのに結ぶ回数は約22000回。
その後も様々な工程を経て、一反の布が出来上がるのは5〜6ヶ月後にもなるのです。

【古代織】

自然布の中でも古代織(こだいおり)と呼ばれる、遥か昔から作られている布があります。
それが葛布(くずふ)や芭蕉布、大麻布(たいまふ)などで、その産地が連携した「古代織産地連絡会」という団体もあります。

この団体は定期的に展示会や産地ツアーを開催しているので、興味のある方は情報をフォローしておくと良いと思います。

私も一度「北海道のアイヌ染織ツアー」に参加させて頂いた事があり、大変良い勉強になりました。


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