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先進国と途上国は経済的格差だけではない(35)



久しぶりに、
フランスとアメリカの二重国籍を持つ友人Jに会った。
初めは彼は知り合いの紹介で仕事の事で会った。
初めて会った時に、彼がクラシック音楽を好きと言うので、
話が進んだ。
演奏者は誰が好きと聞くと、
カラヤンが好きと言うので、
初対面に関わらず、自分の思っている事を言ってしまった。
彼は磨きのかかったその美しさは抜群だが、
オペラなどはともかく、
ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、等ドイツの交響曲は、
何が言いたいのかより只々美しく演奏しているだけと言って、
大きいステレオの置いてある実家に連れて行き、
フルトベングラーのベートーヴェンを聴かせて、
説明したにしたが、演奏を聴いて物凄く感動して僕に同意してくれた。
それからの知り合いである。初めから下手な英語で喋った。
ただ後から聞いたのだが、彼は日本語が出来るがあまり使っていないらしい。
僕にとって英語の下手な日本人に練習のつもりで、
善意で英語で話してくれているらしい。
僕は元々学生の頃から英語は嫌いで出来ない。
何十年か前にどうしても使う必要があり、
スコットランド人に英語を習ったがあまり上達しない。
(決して先生が悪いのではない。
彼は大学の言語学の先生で、
普通の先生ならこれはこう決まっているというところも、
何を聞いても教えてくれる。)
僕の発音はグチャグチャで文法もひどいと思うが、
彼は出来るだけやさしい英語でしゃべってくれる。
僕が初対面から偉そうに失礼な英語で喋っても、
気持ちはわかってくれたと思う。
ところが知り合いのアジア人については、
あまり良い印象を持っていないらしく厳しい。
聞くと時間やその他の約束を守らずいい加減過ぎると言う。
彼は途上国の人で貧しいところで育っているし、
道徳とか倫理観は遅れているので、大目に見たらと言うと、
僕もフランスでは貧しく、それ故兄は大学に行っていないという。
環境は同じ様なもんだと言う。(Jはアメリカの有名大学の哲学専攻である。
アジア人はと言うと、本国では成績優秀で、
日本の国立大学に留学して博士号も取っている。)
やはり先進国の貧困と途上国の貧困は、
経済だけでなく考え方が違うので、
そこんとこを考慮してあげたらと思うのだが、
どうしても好きにはなれないらしい。
彼らは二人とも良い人であると思うのだが、
根本は譲れないらしい。
このアジア人はJの事を良く思っている。
こんな事を見ていると、
やはり先進国と途上国の人の経済以外の格差が大きく、
差別につながったりするのかと考えてしまう。

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