先生 240822
私は今、とある個別指導塾で先生をしている。
大学1年生の4月から、先生として働いている。
それから、もう2年と4ヶ月も経つ。
が、未だに「先生」と呼ばれることには慣れないし、想像していた高尚な姿とは程遠い。
しかしながら、先生の仕事は、好きだ。
はじめましての子供たちの不安そうな顔を、あっという間に笑顔にさせる時。
ひとりでは難しい問題も、コツを掴めばさらさらと解けてしまうことに気づいた時。
この前のテスト、先生に教えてもらったところが出たよ、と言ってもらえた時。
休み時間に他愛もない話を生徒とする時。
こんにちは、お願いします。
さようなら、ありがとうございました。
どんなに嫌なことがあったとしても、生徒に笑顔で帰ってもらえることが一番だ。
もちろん、成績や順位が上がることも。
塾という空間が、この子らの居場所になっていてほしいな、と常々思う。
時々、あなたは優しすぎる、と言われる。
しかし、私は、宿題を出してそのまま放ったらかしにする方がどうかと思う。
もちろん、できると信じてその子を待つことも大切だ。
かと言って、その子のレベルと志望に合わせなければ、教育はなんの意味も成さないと思っている。
ヴィゴツキーの発達理論のように、できるようになるまで発達を待つのではなく、発達の最近接領域に対して働きかけることを重視している。
放ったらかしにして、わからない、をそのままにしていては意味がない。
何がわからないのかわからないと時たま言われるが、ならば一つ一つ丁寧に見ていけばいい。
そうして、わからないところを減らしていけばいい。
そういった信頼関係を構築する時間も大事なのではないかと思う。
アルバイトの身なので、そこまでは言えないが…
「お金をかけているから、手っ取り早く成績を上げてほしい。」
なんてことも言われるが、子供の可能性は無限大と言ったところか。
この子は何にもできないわけじゃない。
今日だってこうして塾に来た。学校の部活終わり、クタクタだろうに。
いやいやながらも、宿題は毎回やってくる。
挨拶もちゃんとできる。
間違っていたなら、わかるまで何度も一緒に解けばいい。
できたね、よかったね、やったね。
その一歩が先生は嬉しい。
しかしながら、中学三年生の夏休みも終わりに近づき、悠長なことは言っていられない。
今後彼らのやる気を出す方法と、私の頑張りに対する褒美を静々と考えている。
志希
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