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Tender days って、なに?~曲名の意味を考える~

*前置きは5月中旬に書いたものです。
*仕事再開して通常出勤になりました。

最近の趣味というか暇つぶしというか、外出自粛生活の有り余る時間で競走馬の馬名を考えるなんてことをやっている。一口馬主という仕組みにおいて出資馬の名前を出資者から募集することがあるんだけど、今年僕はある馬の名付け親になる一歩、いや半歩手前のところまでいってダメだったので、それが悔しくて色々考えてる次第だ。そんななかで乃木坂関連、曲名あたりから付けられないかなとか考えたりすることもあって(実際に『ダンケシェーン』なんかはそこから名付けられている)、曲名を眺めていたときにこれは素敵な名前になるぞと思った一つが、10thシングル福神楽曲『Tender days』だ。『テンダーデイズ』。なぁ、良い響きだろ。ただ、競走馬ってのは名前の由来も登録されるもの。『テンダーデイズ』、我ながら良い名前じゃないか、と自画自賛していたんだけど「じゃあ由来は?」と聞かれた時に、「『Tender days』ってどういう意味だ?」という今更な疑問が生まれたって話だ。なんとなくノスタルジックな曲と歌詞にほろ苦い青春のことかなあなんてイメージは自分の中にあったけど、改まってタイトルの意味を考えることはなかった気がする。
ということで前置きが長くなってしまったけど今回は『Tender days』の曲名の意味を考える回。

とりあえず辞書を引いてみた。

tender
柔らかい,柔らかな,弱い,壊れやすい,かよわい,虚弱な,きゃしゃな,(寒暑に)傷みやすい,触ると痛い,感じやすい

この中だと「触ると痛い」が好きだな。触ると痛い日々。青春は「青くて痛くて脆い」ものだ。何れにせよやはり儚いニュアンスでいいんだと思う。
ということでアナスターシャの時と同じように歌詞を追って見ていこう。

あの頃 僕らが学校帰り
通った溜まり場は
カフェなんていうしゃれたものじゃなく
時代遅れの喫茶店
Tender days
Tender days
Tender days
Tender days

学校帰りってことは「僕ら」は高校生かな。

学生運動の英雄だったって
噂のマスター
難しそうな本を読みながら
無愛想に笑ってた
Tender days
Tender days
Tender days
Tender days

イメージは純喫茶。小綺麗な感じではなく小汚い感じ。ノスタルジーが溢れてる。

いつも流れていた
ジョーン・バエズ

フォークソングの女王、らしい。外国の音楽には本気で疎いので申し訳ないけどイマイチ知らない。2番で出てくる『ドナドナ』は1961年。喫茶店でかかってる音楽はマスターの趣味だろう。「難しそうな本を読みながら 無愛想に笑ってた」マスターは流行りの音楽を流すタイプには思えないし、それこそマスターが学生時代の音楽なんじゃないかな。そうなるとこの曲においての「僕ら」の学生時代は1980~1990年代ってしてもいいのかもしれない。

苦いだけのあのコーヒー
ちっとも美味しくなかったけど
僕らが未来を語り合う時
ちょっと大人の味がした
Tender days
Tender days
Tender days

「苦いだけのあのコーヒー」を学生時代に当てはめてる。「Tender days」はやっぱりどこか苦いものらしい。ちっとも美味しくないけど未来を語り合う時はちょっと大人の味がしたってのが素敵だ。

彼女を絶対連れて来ないのが
暗黙のルールで
些細なことで殴り合いもして
秘密の共有した
Time goes by
Time goes by
Time goes by
Time goes by

「Time goes by」、時間が過ぎればどんなことでも些細なことになるんだろうか。彼女を連れていってはいけないってことは語り合うのは男同士、「僕ら」は「僕」とその男友達になる。

ダウンロードしてみた
バエズの「ドナドナ」

学生時代を思い出して、当時喫茶店でかかっていた音楽を「ダウンロード」という如何にも現代風の手段で手に入れる。ジョーン・バエズが「僕」にとって過去に戻る手段になる。

苦いだけのあのコーヒー
今も時々飲みたくなる
あの喫茶店に行ってみようかと
君にメール送ったけど
Time goes by
Time goes by
Time goes by

時々「Tender days」を思い出す。学生時代に戻りたくて苦いだけのコーヒーを飲みたくなる。意を決して「君」にメールを送ったけど、「Time goes by」、時間は過ぎていくだけで返信はないし、もし返信があったとしても「君」も、そして「僕」も学生時代から時間は過ぎて変わってしまっている。「Time goes by」はメールを送ってからの時間経過と学生時代からの時間経過の両方にかかってる。

すれ違う学生たちを見て
気分はセンチメンタル

学生を見てセンチメンタルになるのは何歳くらいなんだろう。この曲のリリースが2014年、学生時代を1980~1990年代だとすると、「僕ら」は30代前半~40代前半くらいなのかな。どこか現状に満足できず、苦いだけのコーヒーを飲んで些細なことで殴り合いの喧嘩をしていたあの頃に戻りたい、なんて思ったりするんだろうか。

苦いだけのあのコーヒー
ちっとも美味しくなかったけど
僕らが未来を語り合う時
ちょっと大人の味がした
Tender days
Tender days
Tender days

Tender days
Tender days
Tender days
Tender days
Tender days…

1サビと同じ。違うのは最後に「Tender days」をさらに繰り返してるところ。何度も何度もあの頃のことを「Tender days」だと思い返してるのかな。1曲まるっと全部「Tender days」なんだ。学生時代も、そしてもしかしたら今も。


「Tender days」。その意味は、触ると痛い、苦いだけの、それでも戻りたくなる、そんな青春の日々。で、どうだろうか。少なくとも優しいとか愛情のこもったとか(ヤフー知恵袋にあった)はちょっと違うかなとは思う。それよりもどこか胸がズキっとチクっとするような感じだと思う。


最後に、こうやってnoteに書いてしまった手前、『テンダーデイズ』で応募することはきっとない、ということだけは言っておこうと思う。

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