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業界初!津軽三味線の「現代曲の楽譜」を出版、独学サポートの楽譜付きYoutube動画も大好評(津軽三味線教室 獅子道 小山貢山)

年々演奏人口が減りつつあると言われる津軽三味線。主にその原因は楽器が高額であること、独学での習得の難しさにあると言われているようです。

そんな中、業界秘伝と言われていた楽譜をネット上で公開、出版するなどし独学を強力サポートする三味線教室がありました。その名も獅子道株式会社。現在Youtubeチャンネル登録人数は6000人を突破!新宿近隣の教室やYoutubeを通じて津軽三味線を日本や世界に広める活動に精力的に取り組まれています。

代表は、大学を中退し津軽三味線の世界へ入り、津軽三味線世界大会で2連覇(チーム戦)を果たし、今も演奏と指南に奔走されている小山貢山先生です。インタビュー当日も、朝はフロリダと繋いでのスカイプ教室、その後もライブ演奏、教室での指南と多忙の合間を縫ってお話をお伺いしてきました。(聞き手:あゆみむ)

※本記事上のデータは全て2022年10月現在のものです

津軽三味線とは?
中国の「三絃」が沖縄へ渡り「三線」となり江戸時代中期に日本の三味戦となった。それ以降各地の芸能と融合し、津軽地方で津軽三味線の形式をとり、その後昭和40年ごろの民謡ブームで一世を風靡する。2000年代初頭は吉田兄弟や上妻宏光などのアーティストのテレビなどでの活躍により若者からお年寄りまで再度津軽三味線が脚光を浴びた。現在は「和楽器バンド」などYoutubeでの活動する奏者も多いが、全体的な演奏人口はまだまだポテンシャルがあると言われている。
→歴史詳細にご興味のある方は獅子道HPへ。

獅子道 曙橋教室にて

津軽三味線が、ガチっとハマったんですよね

津軽三味線は、大学1年生の頃に文化系サークルも一つ入ろうかな、となんとなく始めたのですが、半年程でストリートで弾くようになりました。広島の本通りでやらせてもらっていたのですが、商店街の人たちがストリートミュージシャンに寛大で、アーケード街なので道路交通法にも引っかからず、夜もミュージシャンだらけでしたね。ありがたい環境でした。

三味線奏者のストリートミュージシャンは珍しかったのもあって、結構お金になったんですよ。30分で8,000円も入りまして、気分もいいですしこれで生活できるんじゃないかと思うようになりました。ストリートで演奏していると演奏の仕事も結構来てましたし。

高校生の頃の私は、スクールカーストの底辺みたいなところにいながらも、どうにか自分なりに目立とうとするような子でしたね。(笑)三味線はそんな私の承認欲求もちょうど良く満たしてくれました。ガチっとハマったんですよね。

大学2年で三味線の道を決意

大学は情報科学部でAIや言語分野を専攻していましたが、三味線の方が面白くなって2年で中退し三味線の道へ進むつもりで岡山の作陽短期大学(音大)に通い、卒業後に東京へ来ました。そんなわけでいわゆる就活は全くやらず、その後も会社で働いたことはないですね。結局会社は自分で作ってしまいました。(笑)

最初はきつかったですね。東京では(道路交通法的に)ストリートも思うようにできないし、三味線の仕事もあまりなく、教室を始めても生徒さんはすぐには集まりませんでした。ポスティングのバイトをしながら、情報科学部らしくと言いますか、まだ今よりもインターネットが充実していない中、ひたすら教室のHPに、楽譜やその他読み手の欲しそうな情報を更新し続けていました。

その効果あって当時「三味線 楽譜」で検索すると一番上に出てきて、SEO対策にもなり、教室の生徒さんも少しずつ増えてきました。

あと、英語も好きだったので外国人に日本文化を体験してもらうインバウンド観光産業としての津軽三味線、という切り口の活動も始めました。「日本文化交流体験塾」というNPO法人の理事を務めて今年で14年ほどになります。

ニューヨーク地下鉄で津軽三味線弾いてみた

私はニューヨークに憧れが強かったのですが、ニューヨークの方に津軽三味線の先生がいないから教えてほしいと言われ、念願叶って年に2回ほど教えにいくようになりました。

当時は西海岸に比べて東海岸の方が日本文化への関心が薄かったように感じます。三味線も喜ばれると思ったのですが…ニューヨークにはいろんな民族楽器があるので三味線もそのうちの一つに過ぎないという感じで、中国人が多い影響もあって中国の二胡の方が人気だったり。まだまだ広めていきたいですね!

ちなみに、各国衣装の人がいるので日本で着物で歩いてるより逆にぜんぜん目立たないです。私は袴を履いているので三味線の人というか武道の人、サムライと思われてましたね。怖そうな人も私のことは避けて通っていました。(笑)

ある日、アメリカの友人が撮ってくれたニューヨークの地下鉄での演奏動画がありまして、こちらは想像以上に多くの方に見ていただくことになりました。(2022年10月現在 132万回再生)

あんなところで紋付袴を着て地べたに座って弾くなと批判されることもありますが、逆にエモいと言われたりもしましたね。あれは狙ってやったのではなく「ここでやったら?」と言われて「やりましょう」という流れで、椅子も持っておらず地べたで演奏したらあんな映像になったんですよね。


業界初!津軽三味線の「現代曲の楽譜」を出版しました

獅子道の理念の一つ「津軽三味線および日本文化の知識を無料で共有する」のもと、元々楽譜を獅子道HPに無料でアップしていたんですね。するとある時、出版社からお声がかかりました。

最初は私が名取を取った(師範の資格を持つ)小山流の楽譜を出すお話だったのですが、私が「吉田兄弟などの有名奏者の楽譜を出したい!」と提案したところ、そのほうが確かに売れるということになり、結局そちらへシフトしました。

楽譜の公開で「著作権とかどうなってるの?」「許可なしに勝手にやってるんじゃないか」など色々とご意見を言われることはありました。ちゃんとJASRACに申請して許可を取ってやっているので実際何も問題はないのですが…. それまでは津軽三味線業界では「吉田兄弟」や「上妻宏光」などのアーティストの曲を出せるとは思われていなかったんですね。

洋楽のクラシックや琴は自分で楽譜を出すことも多いのですが、津軽三味線は楽譜は出さないので、私のような存在が必要だったわけです。(笑)誰かしらが耳コピして出さないと、みんな弾けないですからね。

出版した楽譜付き教本では、まず小山流のソウルソングとも言える「津軽三味線じょんがら節(旧節)」それから合奏でもできるように「六段」(古典曲の一つ)、それから現代曲(西洋音楽理論で三味線用に作られた曲)を入れています。

また、「津軽じょんがら節」の曲弾(即興演奏)も入っています。フレーズの作り方がわからないという方のために、即興の部分も譜面にしました。これも「勝手に出すな」と言われました。秘伝みたいなところがあるので、勝手に出されるとよく思わない方がたくさんいらっしゃるんですね。実際は、パブリックドメイン(知的財産権が発生していない状態または消滅した状態)なので著作権的に問題はありません。2冊目の楽譜には「千本桜」(初音ミク)など今の人気曲も入っています。


Youtubeメンバーシップで「楽譜付き動画」が見れます

最近増えている独学でがんばっている人にも役立ててもらう取り組みとして、Youtubeメンバーシップ限定(有料)で楽譜付き動画を投稿しています。

現代曲は充実してきたので、今注力しているのは曲弾き(津軽三味線の即興演奏)です。自分でオリジナルのフレーズを作らないといけないのですが、どうやって作ったらいいかわからないというお悩みがよくありますので、それをフォーマット化して誰でも弾けるようにしたいと思いまして。先日は津軽三味線日本一の藤井黎元さんと曲弾についての動画を作りました。


三味線の魅力を伝えるために

三味線(和楽器)の魅力を伝えるためには昔ながらの曲もいいですし、アニメソングや流行り曲のカバーを弾くのもいいですよね。

再生回数も伸びますし、多くの方に認知されやすいのもの確かです。ただ、津軽三味線の良さを伝えるには私はやっぱり現代曲が一番だと思っています。

例えば岡田修さんの「火の鳥」。私はこの曲を聞いて「いいな」と思ってプロになろうと決め現代曲も積極的に弾いてきました。最初に出した教本にも「火の鳥」は掲載してあります。

現代曲の一つとして、獅子道のオリジナル曲もあります。まずは、琴奏者の松本宏樹さんとの「風神雷神」。私は合気道もやっているので合気道のパフォーマンスも取り入れたMVを皆さんのご協力をもとに作りました。

また、「名取曲獅子道」最近は小山内薫さん(現代曲「覚醒」の作曲家)に作っていただいた曲で、こちらもよく弾いています。

「雲上の桜」は、津軽三味線世界大会で2連覇した時の曲です。獅子道チームでの優勝なので思い出深い曲でもあります。


「三味線始めようぜ!」

読者の皆さんへ伝えたいこと、ですか。もう、ズバリ「三味線始めようぜ!」ですね(笑)獅子道の無料体験教室にぜひきてください。新宿の隣の曙橋教室と四谷教室でご都合に合わせて受けられます。遠方の方は、ぜひ獅子道チャンネルの楽譜付き動画をご覧になってみてください。

三味線は、右手で弦を弾いてストレス解消、左手でメロディを奏でられる、そのふたつが両立している楽器です。3ヶ月もやれば好きな曲1曲くらい弾けるようになりますよ。ぜひ一度やってみてください!


貢山先生、本日はお忙しい中ありがとうございました!!三味線を弾いてみようなんて今まで考えたこともなかった私も、無料体験教室に参加したくなってしまいました…!またお伺いします!


▼貢山先生のご活躍の軌跡は映像でも見れます。ぜひどうぞ!


この記事を書いた人:あゆみむ

活動をされている方のお話をお伺いし、伝わる文章(ストーリー)を執筆します。活動の大小を問わず、発信にご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。記事掲載場所はあゆみむnoteでもご自身のHPやnoteなどでも可能です。


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