あなたのでんぱ組.incはどこから

「へーでんぱ、しばらくライブないんだ。

2017年1月20日、僕は休日のガラガラのオフィスでTwitter(現X)を眺めていた。

本来なら自分も武道館の天空席ででんぱ組のライブを見ていたはずだったのだけど、この日は運悪くトラブルに巻き込まれ休日出勤。チケットを無事友人に譲り、夜までまたうだうだ仕事をしていた。

この頃の自分はアイドルオタクというには遠く、色んなアーティストがツアーで近くに来た時にライブに行くというスタンス。

でんぱ組もiPhoneでよく音源を聞いたり、ラジオやテレビを見ていたものの、イベントの参加歴は数えられる程度。この日も「この前の幕張は行ったし、まぁええか〜」みたいなノリで武道館を諦めた。

アイドルという文化をよく知らず、オタクの知り合いもろくにいない僕はこの発表を見たところで、意味を理解していなかったらしい。

春過ぎになってようやくメンバーやTLの調子から普通でないことに気づく。

「これもしかして、でんぱ終わるかもしれない…?

当時のでんぱ組といえばホールツアーがあって、Zeppクラスのライブハウスが埋まり、一万人クラスの会場でワンマンが行われる人気アイドルの認識。テレビにも出ていた。

同時期に行った水樹奈々さんはワンマンで「水樹奈々30歳まだまだ行ける」みたいなMCをしてた頃で、でんぱ組も5年後も10年後も変わらず見れるものだと思っていたのだった。

程なくして最上もがさんの脱退が発表。
自分が思っている以上にアイドルの時間は有限だったのだ。

この時になってようやく気づいた。

自分が思った以上にでんぱ組を好きなこと。
もっとでんぱ組が見たかったこと。
もしかしたら後悔しても遅いかもしれないこと。

いてもたっても居られなくなっていた。幸いにも情報を追って見れば個人のイベントはあるらしい。

「行くしかない。

今、自分に出来ることはこの気持ちをメンバーに伝えることくらいと思った僕は、それまで関心がなかった特典会や配信の現地観戦など行ける現場を見つけては行くようになった。

ほどなくして5人になって初のワンマンライブ、
大阪城ホールでのライブが発表される。

当時の自分が何を考えたのか。
なんとなく、もがちゃんのいなくなった後のライブ、メンバーに「これまでより盛り上がらなかったな」と思わせたくないな、みたいなことだったと思う。

たががオタク1人、思い上がりも甚だしいのだけど、それでも当時の自分は少しでも戦力になりたいと思ったのだった。

このとき初めて、アイドル現場のコールやオタ芸も何も知らないままライブを見ていた自分に、ワンマンに向けてこれらを絶対マスターしたいという気持ちが芽生えた。

それからワンマンまでの三ヶ月はあっという間だった。個人のイベントに参加しつつ、色んなアイドルの現場に足を運び、コールやMIX、オタ芸を学ぶのに勤めた(今思えば勤勉すぎるのでは?)

そして迎えた大阪城ホール当日。
結論から言うと自分の心配は全くの杞憂だった。

あの日見たフロアの熱量、自分はこの先も忘れることはないと思う。

でんぱ組のオタクは本当に凄い。
この輪の中に自分も入りたいと思った。

たぶん、僕はこの日、でんぱ組のファンからでんぱ組のオタクになったんだと思う。

帰り電車の中で初めてFCイベントに申し込んだ。その次はこの日発表されたツアーの申し込み。でんぱ組が続くことが嬉しかった。これからは後悔の無いように。行ける限りの現場に行く。心に決めたのだった。

あれから気がついたら6年と少し。
長かったのか短かったのか、とうとうあの日見た未来が近づいているらしい。

でも自分のやることはたぶん変わらない。
いつも通り自分の大好きなでんぱ組のイベントに行くだけだ。

あとがき:
あなたのでんぱ組.incはどこから?というタイトルですが、曲を聞くようになった頃、初めてライブ行った頃、推しが決まった頃、どれもぬるっとしてて適して無い気がしたため、今のオタクスタンスが出来上がる過程をnote.にしました。

まだ推しの名前すら出てきて無いので、気が向いたらその辺りの話を次に書いてもいいかな、と思ってます。

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