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おやすみからおはようまで

「最近Vtuberにハマってるんだよね」「あぁ、キズナアイなら知ってる」

界隈に詳しい人からするとツッコミどころ満載な会話かとは思いますが、こと一般人階層においてこの会話が成立することの偉大さ、みたいなものを、常々感じています。

キズナアイスリープ前のラストライブ「hello world 2022」が、2022年2月26日に開催されました。

バーチャルユーチューバーの始祖(と言って差し支えないだろうか)たるキズナアイが、最後に魅せるライブ、言葉では尽くせない完成度であったと、一夜明けた今も、これから何夜明けようとも、思い返すたびに泣きそうです。

古参、と呼べるほど、この界隈に明るいわけではありませんが、彼女が存在し、活動を続け、多くのつながりを作ってこなければ、昨今のVtuberというムーブメントも、今当たり前に享受できているエンターテイメントの数々も、ひとつも存在しなかったのかと思うと、その存在の偉大さに、改めて打ちひしがれる思いです。

新しい文化、エンタメカルチャーを創造した功績はもちろん、そのあとに続く者たちへの道を切り開いた功績と影響力で言えば、彼女に勝るものはない、本当にそう思います。

正直熱心なファンだったかと言われたらそうではないんですが、やっぱり、こう、「いつでもそこにいる存在」がもういないのかって思うと、寂しいです。

誰だって、今日と同じ明日がくるって、どこかで思ってるんじゃないかな。
僕にとってキズナアイは、それだけ「日常」に溶け込んだ存在だったんだなって、いつの間にか当たり前にあるものになっていた、これはやっぱりすごいことだったんだなって、そう感じます。

Vtuberという言葉自体が様々な広がりを見せる今この時に、このライブが見れて本当によかった。
あの日思い描いた理想の未来が、ここに全部詰まっていた。
築き上げてきたつながりが辿り着いた先で、ひとつの答えを魅せてくれことに、本当に感謝しかないです。

バーチャルという名を冠しながら、人と人とのつながりが道を作り、文化を作り、大きなうねりを作る、とてもリアルな質感をもった、一大エンターテイメントだったと、心からそう思えます。

こんなにもリアルで、こんなにもバーチャル、僕たちが見たかった「バーチャルユーチューバー」を、見届けることができました。 築き上げたつながりは、きっとこれからも残り続けると確信しています。
本当に、ありがとう。


一夜明けて

そっか、「トモダチがほしい」って言ってた子に、トモダチが少しずつできていく過程を、これまで見てたんだな。
そして数年たったある日、「これだけのトモダチができました!」って教えてくれて、「あぁ楽しかった!」って、彼女は眠りについたんだな。
こみ上げる寂しさの中に、一抹の喜びがあるのは、これなのかもなぁ

キズナアイが紡いだキズナを、彼女が眠っている間も、ずっとずっと、見守っていきたい。
アイちゃん、またいつか「おはよう」と言えるその時まで、おやすみなさい。


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