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歯ブラシに関する備忘録

歯ブラシ。歯ブラシについて考えることはほぼない。

でもたまに替えなければいけない。替え時はいつなのか。歯ブラシのパッケージは毛先が開いたらだという。買ったその日からゆっくりと毛先は開き始める。突然ある日を境に突然開花するわけではない。アハ体験のようなものだ。どこまで使っても毛先は開いていないように見えるし、常に開いているように見える。替え時を私にゆだねるな。歯ブラシから申し出てくれ。

まだ思うところはある。毛先の硬さ問題である。やわらかめ、ふつう、かためという三種あるいはそれ以上の硬さが用意されている。何をどう比較して硬めなのか。普通の基準はどこで定められたのか。はなはだ謎である。

そして何よりも自分にふさわしい硬さがわからない。三種を同時に使わなければ判断できない。そのような機会はまず訪れない。

前回、ふつうを使っていたが、かためのほうがよく磨けそうだ。そう思ってかためを買った。歯ぐきから血が出た。リンゴをかんだ時くらい出た。しかし、これが初めてではない。思えば小学生の時からかためを選択しては後悔をしてきた。しかし、過ちは繰り返される。喉元過ぎれば熱さを忘れるなどというが、かためで後悔することは熱さには遠く及ばない。ささやかな後悔なのだ。そもそも次に買うときには、もともとのかたさなど忘れている。歯ブラシの硬さなどというのはその程度の取るに足りない問題だ。私から忘れられながらも確実に私から出血させる。暗殺者として最も適当な存在なのかもしれない。

自分から歯ブラシを選ぶのではなく歯ブラシ側から自分を選びに来てほしい。ハリーポッターの杖を買うときシステムにしてほしい。

調べたら歯ブラシ専門店というのもあるそうだ。しかも割と近所に。知らなかった。でも、いくことはきっとこれからもない。つかいこんで買い替えるときにはこのようなことはすべて忘れているのだから。

今までは忘れてきたがこの機会にもう忘れないようになるのではないかという期待を込めてこの文章を書き残すこととする。


そういえば、ここ数年、歯が全部抜ける夢を月に6回は見る。これは歯ブラシのせいなのか?精神的なものなの?

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