忍殺TRPGソロシナリオ【オーキッド・イン・コトダマランド】

◇前置き◇

 ドーモ。しかなです。この記事はニンジャスレイヤーTRPGのソロシナリオ……つまり、ダイスとメモするものさえあれば誰でも遊べるタイプの記事となっています。

 今回のシナリオは一応ソウカイヤ所属者用となっています……が、わりかし左寄りになるため、そこまで厳密に考えなくてもいいかもしれません。ちょっとダイスを振る回数が多くなるかもしれないのでそこも許してほしい。なんなら二人くらいニンジャを用意してプレイも可だ。

 では、やってみよう。ヨロシクオネガイシマス。



◇オープニング◇


 ある日のこと。暇を持て余しトコロザワピラーの廊下をうろついていたお前は、くたびれたヤクザスーツを着た男に呼び止められた……

「ドーモ。アベレージです。見たところ時間がありそうだな。よければ一つ、依頼を受けてはくれないか。話を聞いてくれれば前金は出す」

 カネ。それは欲しいもの。聞くだけならばと頷いたお前を、アベレージは近くのミーティングルームまで誘った。チャとオカキを出した彼は、シンプルに切り出す。

「時間を割いてくれたことに礼を言う。お前に頼みたいのはあるニンジャの身辺調査だ。……と言っても、そいつが裏切ってるだの、ソウカイヤのカネを横領してるだのという話じゃない。なんというか、こう……説明が難しいんだが……」

「……ひとまず、調査してほしいニンジャの名はオーキッド。女で、年の頃は14、5。元はタマチャン・ジャングルで危険生物ハンターをしていたとかで、見た目によらず腕は立つ。だが今回重要なのはそこじゃない」

「そいつ、最近どこからか妙なニンジャをスカウトしてくるようになってだな……え? どう妙かって? その、なんだ。簡単に言えば人間じゃないんだ。問題なくソウカイミッションもこなせる連中ではあるんだが、どこから来たか気になるだろ」

「スカウトしてきた経緯を聞いても『拾った』としか答えない。じゃあどこから拾ってきたんだって話になる。……ああ、うん。そういうことだ。俺が依頼したいのは、オーキッド=サンが普段どこをほっつき歩いてそんな得体の知れない連中と遭遇しているかの調査だ」

信頼の置ける仲間がいるんならそいつに協力してもらってもいい。オーキッド=サンは小さい上、ニンジャ野伏力があるからな。追跡するのも一苦労だろう。……俺はこないのかって? あいつの連れてきた胡乱なニュービー連中の研修をしなきゃならないんだよ」

「……ああ、もし見つかって問い詰められてもスシをおごってやると言えばなんとかなるはずだ。あいつは食い意地が張ってるし、そこまで深く考える性質じゃないからな。じゃ、あとは頼んだ」

 ひとしきり説明を終えたアベレージは、お前に【万札】6を手渡した。それを受け取ったお前は、早速準備に取り掛かる……




◇本編な◇


 アベレージから依頼を受け、数日後! お前……あるいはお前たち……はついに目的のニンジャの尾行に成功した。ぶかぶかの迷彩ミリタリーコートに桃色のショートヘア。一見すれば目立つ装いにもかかわらず、雑踏の中に紛れ込むと驚くほど存在感がなくなる。彼女こそオーキッドである。

 なんの目的があるものか、彼女は路地裏を通りどんどんとネオサイタマの郊外へ向かっているようだ。お前……あるいはお前たち……は細心の注意を払い、一定の距離を保ちつつ追跡する……

◇◆◇◆◇

 ……そして十数分も歩いた時には、いつの間にか得体の知れない場所に踏み込んでいたというわけだ。ネオサイタマ国立自然公園でも見られないような奇妙な植物が生い茂り、雲ひとつない黒い空には黄金の立方体が緩やかに回転しながら浮かんでいる。どう考えてもネオサイタマではない。

 とはいえ、オーキッドは恐れる様子もなくずんずんと突き進んでいく。お前……あるいはお前たち……も覚悟を決めなければならない。もしここでオーキッドとはぐれた場合、慣れ親しんだネオサイタマに戻れなくなる可能性すらあるのだ

 そしてここからやることは単純だ……ダイスを振ってほしい。その出目によって、発生するイベントが変動する。あなた方はそれを4回繰り返し、爆発四散したりしないようオーキッドを追い続ける必要がある!
 なお、出目6が要求される判定以外であればダイスと【精神力】を1消費して判定を自動成功させることができる。ただし、一度に複数の判定を求められた場合は片方にしか適用できないので注意されたし。


【出目1の場合】

 追跡を続けていると、不意にオーキッドが足を止めた。近くの木の根元に生えているキノコに目を止めたらしい彼女は、ミリタリーコートからヒートダガーを取り出し、それを調理し始める。香ばしい匂いがお前(たち)のところにまで届いてくる……

 そしてお前(たち)もまた、隠れている木の根元にキノコが生えていることに気づく。ピンクの地に水色の斑点が浮かぶ、見たことのない種類だ。お前(たち)はこれを食べてもいいし、我慢してもいい。

●食べる場合はダイスを振りたまえ。出目によって以下のように結果が変動する。複数ニンジャでプレイしている場合、各自のニンジャごとにダイスを振ること。また、お前はキノコを食べるたびに出目の結果を+1してよい。キノコを食べるのが2回目ならば+1、3回目であれば+2……といった具合だ。結果として7以上となった場合、好きな結果を選んでよい。

出目1 ・・・ 食べた瞬間、お前の視界に幻惑的なヴィジョンが広がる。バッドトリップを味わいながらも、お前はそのヴィジョンになんらかのニンジャ真実を見出した。【精神力】2を減少し、【ジツ】値が1上昇。0から1となる場合はどの系統のジツを手に入れたか決めてよい(あるいはダイスを振ってもいいだろう)し、【ジツ】値が3の場合は成長の壁を超えて4としてよい。
出目2、3 ・・・ 口の中に入れた瞬間、香ばしい匂いとくらくらするような旨さがお前のニューロンを刺戟する。どうやら弱い毒性があったと見えるが、お前はニンジャなので問題はないだろう。【精神力】が1減少し、【体力】が1上昇する。この【体力】は当シナリオプレイ中に限り限界を超えて良い。
出目4、5 ・・・見た目の毒々しさとは反し、キノコは非常に美味だ。夢中になりそうだったお前は、オーキッドが動き始めたことに気づきしぶしぶその追跡を続ける。【体力】と【精神力】が1上昇。【体力】は当シナリオプレイ中に限り限界を超えて良い。
出目6 ・・・ キノコを口に入れた瞬間、お前は全身に漲る力に驚愕する。【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】のうち好きな能力を1上昇させてよい。6→7に限り、成長の壁を突破することができる。
 なお、キノコを食べて【精神力】がマイナスになることはない。その場合、【精神力】を0とし、残りを【体力】から差し引くこと。例えば【精神力】が1の時にバッドトリップ・キノコを食べた場合、【精神力】と【体力】をそれぞれ1ずつ減少させる、といった具合だ。それで【体力】が0になってしまったら……残念ながらオーキッドの追跡はもはや不可能だろう。諦めてこの地で暮らしてほしい。いつか戻れる日も来る。


【出目2の場合】

 オーキッドの追跡を続けていたお前(たち)だが、不意に敵意を感じカラテ警戒! 次の瞬間「「キキーッ!」」横手の茂みから飛び出してきたのは、濃緑の肌に尖った耳を持つ小鬼めいた生物2匹!

小鬼
【体力】2
【精神力】1 

●初めての遭遇の場合

 見たこともない生物だが、ニンジャであるお前(たち)が恐れる相手ではあるまい。迎撃せよ! 【カラテ】あるいは【ワザマエ】(スリケン投擲のケースだ)カトンやカラテミサイルのようなダメージを与えるジツを持っているならば【精神力】を1消費して【ニューロン】+【ジツ】で判定を行いたまえ。目標出目は4以上だ。ヘンゲヨーカイ・ジツやヤルキ・ジツなどを持っているならば、【精神力】を1消費して攻撃前に発動判定を行うことができる。

 【カラテ】判定時に出目6が2つ以上でた場合『サツバツ!』が発生。今回の場合は一撃で小鬼を一体倒すことができるぞ。

 小鬼が一匹でも生き残っていた場合「キキーッ!」反撃を仕掛けてくる。やつらは狡猾なので、もっとも【体力】の低い相手を集中攻撃してくるぞ。【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】のもっとも高い値と同数のダイスを振って【回避】判定を行いたまえ。回避に失敗すると小鬼一匹につき【体力】1のダメージだ。小鬼二匹の場合だと2ダメージを受けることとなる。ここで【体力】が0以下となると爆発四散だ。

 この攻撃ターンと反撃ターンを、お前(たち)が爆発四散するか小鬼たちをやっつけるまで続けたまえ。小鬼を倒した場合、「「キキーッ!?」」彼らは這々の体で逃げ出していった。ドロップしていった【万札】4(相当の金目のもの)を入手できるぞ。

●2回目以降の遭遇の場合

 「キッ……」「キキッ……?」襲いかかろうとしていた小鬼たちは、君たちの顔を見て動きを止めた。どうやら先ほど叩きのめしてやった小鬼と同じ個体だったらしい。睨みを利かせてやると彼らは震え上がり、恐れ入った様子で何かを差し出した。1d3……つまり3面ダイスを振ってほしい。ない場合はダイスを一回振り、その出目を半分にすること。小数点以下は切り上げだ。その結果で以下のアイテムを入手出来る

出目1の場合:【万札】2(相当の金目のもの)
出目2の場合:キノコ(オーガニック・スシ相当のアイテム。【体力】3回復。使い捨て)
出目3の場合:薬草(トロ粉末相当のアイテム。【精神力】2回復。使い捨て)


出目3の場合

 オーキッドを根気強く追跡していたお前(たち)は、やや開けた場所に出る。頭上には相変わらず黒い空と黄金立方体があった。うすら寒いアトモスフィアを覚えつつも視線を戻したそのとき、視界に飛び込んできたのは燐光を纏う小さな存在! 透明な翅を生やす小人である。まるでフェアリーだ!

『あら? あなたも迷い人なの?』

 驚くべきことにそのフェアリーは言葉を発した。知性的存在! 戸惑いつつもお前は事情を説明する。フェアリーは微笑した。

『お仕事なのね。大変だこと! ねえ、息抜きに少し遊んでいかない?』

 お前(たち)は……

1. フェアリーの「遊び」に付き合う
2. この物珍しいフェアリーを捕らえ、土産にする
3. 丁重に辞退し、オーキッドの後を追う

●1を選択した場合

 このフェアリーがどのような力を持つかわからない以上、無碍に誘いを断って敵意を持たれるのも厄介だ。そう考えて頷いたお前に、フェアリーは全身で喜びを表現してみせる。

『それがいいわ! さぁ、踊りましょう!』

 どうやらこのフェアリーとダンスをする必要があるらしい。【ニューロン】判定【ワザマエ】判定それぞれ1回ずつ行いたまえ。どちらも目標出目は5以上だ。【精神力】消費による自動成功判定はどちらか片方にしか適用できない。2回目以降の遭遇だった場合、失敗していた判定の難易度を下げることができる。2回目ならば目標出目4以上、3回目ならば目標出目3以上……といった具合だ。両方成功した時点でこのボーナスはリセットされる。

 両方成功した場合、『素敵、素敵! あなたって踊りのメイジンだわ!』フェアリーがはしゃいだ声とともに賞賛を送ってくる。フェアリーたちの動きに合わせたダンスを編み出したお前は、ある意味常人を超えた素早さを得た……かもしれない。【ニューロン】【ワザマエ】のどちらかを1上昇させてよい。6→7に限り、成長の壁を突破することもできる。

 片方のみ成功した場合、『ほら、がんばって! いい線いってるわ!』お前(たち)はなんとかフェアリーの動きに合わせた踊りを披露することができた。『オツカレサマ! さあ、甘いものをどうぞ!』手渡されたのは、葉で作られた容器に入れられた透明な雫。飲み干すと疲れがすっと消えていく……【体力】と【精神力】を1回復させること。

 両方失敗した場合、『アハハ! あなたってば不器用なのね!』お前のぎこちない動きは、それでもフェアリーを喜ばせることに成功したようだ。『なあに、そんなに疲れちゃったの? これを噛めば少しは疲れが取れると思うわ』渡されたのは薬草だ。【精神力】が1減少するが、アイテム「薬草」を得ることができる。


●2を選択した場合

 これがなんだかはわからないが、ネオサイタマに持ち帰れば相当なカネで売れるにちがいない。そう考えたお前(たち)は『ンアーッ!?』モンドムヨーでフェアリーを鷲掴み、拘束する!

 その瞬間! 『Yeeeearrrrt!』周囲の暗闇から小さなカラテシャウトの合唱! ついで飛来したのはおびただしい数の爪楊枝サイズの矢! ニンジャの人数分【回避】判定(目標出目:6)せよ。失敗した場合、お前(失敗したニンジャ)の顔面付近に何十本もの小さな矢が突き刺さる。そして鏃に塗られていた毒がお前のニューロンに激痛を与え、【体力】が1、【精神力】が3減少。ここで【体力】が0以下、あるいは【精神力】がマイナスになると爆発四散だ。

 避け切った、あるいは耐え切ったお前(たち)はなんとか逃亡に成功した。【DKK】を3、アイテムとして『フェアリー』を獲得すること。なお、この選択肢を選んでまたこの広場を訪れることになった場合、再度フェアリーの仲間たちから矢を浴びせられることとなる。そのたびに【回避】判定(目標出目:6)を行う必要があるので注意したまえ。

フェアリー:ネオサイタマでは見られない謎めいた生物。売るもよし、ペットにするもよし。
     【万札】20の価値がある


●3を選んだ場合

 見た目はかわいらしいといえど、どのような目に遭わされるかわかったものではない。そう考えたお前(たち)はフェアリーの申し出を丁重に辞退した。

『あら……ざーんねん! わかったわ。でも、今度きたら遊んでね?』

 フェアリーは残念がりつつも素直にお前(たち)を解放した。もしこの広場を再度訪れた場合、お前は強制的に選択肢1を選ぶことになる。



【出目4の場合】

 オーキッドを追跡していたお前(たち)は、少し先の横手に放置された異質なものを発見する……即ち錠付きの木箱。宝箱、と称するのがぴったりな形状だ。

 なんとも怪しいアトモスフィア。用心して通過しようとしたそのとき!「シュシューッ!」勢いよく宝箱の蓋が開き、触手の群れが飛び出してきた! ミミックだ!

ミミック
【体力】5
【精神力】3

 まずお前(たち)はミミックのアンブッシュを避けねばならぬ。人数分【回避】判定せよ。回避に失敗したものは謎めいた液体を滴らせる触手の一撃を喰らい【精神力】が2減少だ。【精神力】がマイナスとなったら爆発四散となる。

 生存したお前(たち)は反撃せよ。【カラテ】、【ワザマエ】、攻撃的なジツを持つのならば【精神力】1を消費し【ニューロン】+【ジツ】で判定。どの判定でも目標出目は4以上だ。なお【カラテ】判定で出目6を2つ以上出した場合は『サツバツ!』が発生し、一気にミミックの【体力】3を削ることができるぞ。

 ミミックを仕留めきれなかった場合、また触手で反撃を仕掛けてくる。やつの触手は長く、複数の相手であっても同時に攻撃してくるだろう。アンブッシュ時と同様に【回避】判定を行いたまえ。失敗したら【精神力】2減少だ。お前(たち)が爆発四散するか、このミミックが動かなくなるまでこれを繰り返す必要がある!

 ミミックを撃破した場合、おぞましい触手は名状しがたい音ともに溶けて消えた。そしてお前(たち)は宝箱の中になんらかのアイテムを見出す。1d3、あるいは6面ダイスの出目を半分(小数点以下切り上げ)し次のアイテムを獲得する。

・出目1:カタナ
・出目2:弓
・出目3:*グレーター・マキモノ・オブ・シークレット・ニンジャ・アーツ*


【出目5の場合】

 オーキッドを追跡していたお前(たち)は、前方に川を発見する。よくよく見れば、オーキッドはそのほとりで釣りをしているようだ。この異常な環境下でそのような行動を取る彼女に、お前(たち)は思わず呆れてしまう。

 彼女はしばらく動く様子もない。手持ち無沙汰なお前(たち)は彼女の真似をして釣りをしてもいいし、ニューロンに安らぎを与えることなく監視を続けてもいい。

1.釣りをする
2.監視を続ける 


●1を選択した場合

 気を張り続けてばかりなのもバカバカしい。お前(たち)はオーキッドを見習い、そこらの木の枝やソウカイヤ支給のツールキットから即席の釣竿を作成し、糸を垂らした。せせらぎの音がニューロンに染み渡る……

 と、そのときだ! 釣竿を握っていた手に異常な手応え! 釣竿は軋みをあげてしなり、水の中へと引き込まれんとす! 大物がかかったのだ!

 お前は全力を挙げてこの獲物を釣り上げにかかる! 2回【カラテ】判定(目標出目:5以上)をせよ。複数で挑んでいる場合、カラテに優れた者が2回振ってもいいし、それぞれが1回ずつ振ってもいい。

 2度の【カラテ】判定に両方とも成功した場合……SPLAAAASH! 「ンアーッ!?」ナイスフィッシング! お前(たち)は見事大物を釣り上げることができた……が、その釣果に目を白黒させることになるだろう。なぜならそれは下半身が魚の人魚めいたなにかだったからだ。

 「もう! ちょっとからかうだけのつもりだったのに……! ねえ貴方達、見逃してくれない? お詫びと言ってはなんだけど、これをあげるから」そう言って人魚が差し出してきたのは、小ぶりながらも見事な宝石だ(【万札】4相当)。

 いずれにしても彼女を連れながらオーキッドの追跡というのは非現実的である。君たちはこの要求を飲み、彼女を解放した。いずれにせよ、望外のところでカラテトレーニングを積んだような格好だ。この釣りの参加者は【カラテ】値を1上昇させてよい。また、一人で人魚を釣り上げた場合に限り、6→7の成長の壁を突破することができる。

 2度の【カラテ】判定のどちらかでも失敗してしまった場合、プツン! 釣り糸が断ち切られ、お前(たち)は危うく転びそうになった。逃げられたのだ。特に何を失ったわけでもないが、クヤシイ! お前(たち)は気を取り直し、ようやく釣りを切り上げたらしいオーキッドを追い始める……もし二度目の釣りの機会があった場合、判定の難易度が下がっていくぞ。2回目のチャレンジは目標出目4以上、3回目は目標出目3以上……といった具合だ。成功したらボーナスはリセットされ、再度目標出目5以上を要求される。


●2を選択した場合

 遊んで相手を見逃したら元も子もない。お前(たち)はニューロンを張り詰めさせ、監視を続ける。……彼女が動くまでに結構な時間がかかった。【精神力】を1減少させ、先へ進め。もしこれで【精神力】がマイナスになる場合、【精神力】の代わりに【体力】を1減少させること。


【出目6の場合】

 オーキッドを追っていたお前(たち)のニンジャ第六感が、不意に怖気にも似た嫌な予感を知らせてきた。【ニューロン】判定せよ目標出目は4だ。

 成功した場合、お前はとっさに近くの木や茂みに身を隠す。直後、頭上から注がれていた柔らかな金の光が遮られた。見上げると、長大かつフニャフニャした蛇めいたなにかが空を泳ぐように横切っていく。

 失敗した場合……「ミーミー」おぞましい鳴き声が頭上から降ってくる。見上げた先にあったのは、フニャフニャした口を持つ、鱗なき大長虫の頭であった。「ミーミーは腹が減った」そう言って大長虫は大きく口を開けた。

 お前(たち)は手持ちのアイテムを1つ(カタナや弓のような食べられないものでもよい)この大長虫の口に放り込むことで難を逃れることができる。もしそれが嫌な場合、【脚力】判定(目標出目:6)で逃走を試みるといい。失敗したらフニャフニャの口に飲み込まれ、お前(たち)の冒険は終わりだ。

 アイテムを捧げた、あるいは逃亡に成功したお前は、そのままオーキッドの追跡を続けたまえ。

 なお、もしお前たちがこの悪竜と二度目の遭遇を果たし……初めての遭遇時にアイテムを捧げて難を逃れている場合……「ミーミーは満腹だ」フニャフニャした長虫はフニャフニャとお前を見逃すだろう。よかったね!

 また、ミーミーと2回以上遭遇したお前(たち)は特別に1〜5の中から好きなイベントを選び、体験することができる。もちろん「疲れた……フートンに帰りたい……」と思ったのならば、選ばないのも自由だ。


◆◇◆◇◆


 4回ダイスを振り終えたら、以下のテキストへと進め。

 不思議な地の不思議な冒険を乗り越えたお前たちは、それでも死力を尽くしてオーキッドを追い続けた。彼女はこの地に慣れていると見え、普段と変わらぬ様子で進んでいる。

 ……数十分後! お前(たち)はあの奇妙な地に踏み込んだときと同様、まったくの唐突に見慣れたネオサイタマの路地裏に戻っていることに気がついた。あれは果たしてなんだったのだろうか? 

 だが、お前(たち)は最後まで気を抜いてはいけない。【ニューロン】判定を行いたまえ。目標出目は4以上だ。たとえ複数でも、この判定は1回のみ行う。成功すればそのままエンディングだ。

 失敗してしまった場合「……なにしてるの?」怪訝な少女の声がかけられる。見るとすぐそこに立っていたのはぶかぶかの迷彩ミリタリーコートを着込んだオーキッドだ。最後の最後で尾行に気づかれてしまったのだ。

 お前(たち)は冷や汗を滲ませつつも、アベレージの言葉を思い出す……なんとなく気になったので後をつけていた。悪気はなかったのでお詫びとしてスシを奢らせてほしい。苦し紛れの言い訳にオーキッドは「スシ……」目を輝かせていた。なんとか誤魔化せそうだ。

 その後、適当なスシ・バーにオーキッドを連れて行ったお前(たち)はスシ代として【万札】3を支払う。気を取り直し、アベレージに報告に向かいたまえ。【エンディングへ】



◇エンディング◇


「おお、無事だったか!? ずいぶんと長い間連絡が取れなかったから心配したぞ!」お前(たち)の姿を見たアベレージは開口一番そう言った。どうやらお前(たち)は思うよりずっと長い間あの奇妙な地を彷徨っていたらしい。

 お前(たち)は調査結果を報告した。アベレージは怪訝な顔をし、額を抑え……「わかった。礼を言う。とりあえずこれでニューロンを休めてくるといい」ややあってから【万札】8を差し出した。さらに休暇の手配もしてくれるという(【余暇】2獲得)

 果たしてあの少女ニンジャはどこに足を踏み入れていたのだろうか? 自分(たち)が見たものは本当に現実だったのか……? お前(たち)はあの謎めいた空を思い出しながら帰路へとつくのだった。【終わり】


◇あとがきな◇


 ……というわけで、いかがだっただろうか。かなり変わった方式をとったので、プレイには時間がかかるかもしれない。プレイしてくださった方はぜひ感想やアドバイスなどいただけると嬉しい。

 改めてここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました! 気が向いたらまたやるよ!

 

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