忍殺TRPGソロリプレイ:【オーバーカム・ナンバー・フォー】

前置き

まず、今回はこのソロシナリオに挑戦する。成り立てニンジャが主人公……とても、奥行きがある。そういうわけだ。

 今回のチャレンジャー2号はこのニンジャである。(チャレンジャー1号は1ばかり引いたオール1ニンジャであり、ヤク中のチャカガンに当たり爆発四散した。ナムアミダブツ!)

ニンジャ名:(シナリオ中で決定)
【カラテ】:4
【ニューロン】:4
【ワザマエ】:2
【ジツ】:0
【体力】:4
【精神力】:4
【脚力】:2
持ち物など:
○元湾岸警備隊
・オムラ・アサルトライフル
・湾岸警備隊式アサルトハーネス

本編

◆重金属酸性雨が降り続くアヤセ・ジャンクションの工場地帯。ここに存在するニルヴァーナ・トーフ社のトーフ工場が、突如として武装アナキスト集団による攻撃を受けた。工場労働者、もしくはアナキスト、さもなくばたまたま居合わせたサラリマンや業者である君は、銃弾と悲鳴と炎が渦巻くケオスの中、警備用ロボニンジャ・モーターヤブが撒き散らした銃弾を受けて倒れてしまう。ヤブに赤くペイントされた「4」の数字がやけにハッキリ見え、君はそのまま意識を失った。◆

楽な仕事だと思っていた。ニルヴァーナ・トーフ工場の警備。少なくとも殺人マグロやらなんやらよりは、時折現れるジャンキーのアホどものほうがよっぽど相手が楽だ。しかし、この夜ばかりは様子が違った。

訪れたのはアホには違いない。しかしそいつらはタチの悪いアホだった……つまり、ブラックマーケットでかき集めただろう粗悪な銃で武装し、シャカリキをキメて突撃してくるような。それが数ダース単位で流れ込んできたんだから嫌になる。

誓って言うが、俺はちゃんと仕事をした……つまり、湾岸警備隊を退職するにあたり拝借してきた自前の銃でアホどもの掃除に努めたってわけだ。だが俺一人でアホの流れを止められるわけでもない。やがて俺の仕事はあっさり中断させられた。背中に撃ち込まれた銃弾が最後の給料になった。

回転する視界の中、俺はかろうじて俺を殺した最大級のアホを捉える。モーターヤブだ。前からオムラのAIはアホだと思っていたが、まさか平気でフレンドリーファイアするほどアホとは思ってなかった。あのカイシャはおとなしく銃器だけ作っときゃよかったんだ。雨に濡れる鋼鉄のボディにペイントされた赤い「4」の字が、最後の光景となった。

……そのはずだったんだ。

◇◆◇◆◇

◆君が意識を取り戻すと、なぜか痛みは無く、銃弾を受けたはずの傷は塞がって血が止まっている。それどころか全身に不思議な活力が満ちている。「イヤーッ!」とにかく身を起こそうとした君は、自分でも意識しないカラテじみたシャウトを発し、寝た姿勢のまま飛び上がって空中で三回転をし、華麗に着地した!◆

俺は目覚める。ここはどこだ。天国か、ジゴクか。クソみてえな臭いが鼻にかかる。どうやらジゴクらしい……「イヤーッ!」俺は気合を入れて飛び起きた。ちょいと張り切りすぎたのか、空中で三回転する羽目になった。いや、待て。いくらなんでも気合じゃ説明できねえぞこれは。

「アッヘ!まだ生きてるゥー!」
「オイ待て!私はまだ起きたばかりで調子が、」

BLAM!

「アバーッ!サヨナラ!」

視界の端で汚い花火が炸裂した。

なんだ、今のは?振り向いた俺は思わず顔をしかめる。花火の原因はまるでわからないが、それはどうでもいい。今どうにかしなきゃならんのは、明らかにピンクの象さんとナカヨシなモヒカンのアホと目が合ったことだ。その他には硝煙を漂わせるジャンクめいたチャカ・ガン。最悪だ。

◆君が自分の身体の変化に戸惑っていると、「アッヘ!まだ生きてるゥー!」目を血走らせ、ヨダレを垂らしたモヒカンが粗悪なジャンク・チャカガンを君に向けた!ナムサン!暴動のドサクサで乱入したドラッグ中毒者だ!「撃っちゃうよォー!」BLAM!銃弾が君を狙って吐き出される!◆

「おい、ガキ。少し落ち着け……」
「撃っちゃうよォー!」

BLAM!これだからアホはどうしようもない。ああ、つまり、いかにもクスリやってる野郎とおとなしく会話した俺のようなやつってことだ。迫ってくる銃弾が、やけにゆっくり見えた。

◆意識を取り戻す前の君であれば、この時点で死を覚悟していただろう。しかし今の君は、なぜかわからないがまるで銃弾に当たる気がしない。銃弾を回避すべく体を動かす!◆
◆【カラテ】、【ニューロン】、【ワザマエ】の中で一番高い値の数を選び、その数だけダイスを振って『回避判定』を行おう。今回の回避難易度はKIDS、つまり出目2以上(銃がジャンク・チャカガン且つ撃ったのがラリったドラッグ中毒者なので狙いが甘いのだ)。出た目の中に2以上の目が一つでもあれば回避成功。そうでなければ1ダメージを受けて【体力】を1失う。今回は体力が0になった時点で爆発四散、ゲームオーバーになるぞ。◆
4D6 → 1, 1, 3, 5 成功!

……いや、ゆっくりにも限度がある。クズみてえなチャカ・ガンは吐き出す鉛玉もクズなのか?まさかな。俺は首を傾けた。耳の横を鉛玉が通り過ぎる。モヒカンが目を丸くする。俺は踏み込む……「イヤーッ!」「グワーッ!?」

◆銃弾を回避した、もしくは命中したが死ななかった君はモヒカンに飛びかかった!「イヤーッ!」「グワーッ!?」君は鋭いシャウトと共に恐るべきカラテを繰り出した!モヒカンは吹き飛び、壁に激突する!ずるずると崩れ落ちるモヒカンを見て、君は自分の身に何が起こったのかを理解した。銃弾をも避ける(もしくは耐える)身体能力、そして常人離れしたカラテ・・・なぜかはわからないが自分は伝説上の怪物、半神的存在であるニンジャになったのだと!◆

モヒカンはワイヤーアクションめいて後ろに吹き飛び、壁に激突。そのままずるずると崩れ落ちる。オイオイ、あの野郎スタントマンかなんかか?一瞬脳裏をよぎったアホみてえな考えを、俺は首を振って否定した。アレは、俺が、やった。間違いなく。銃弾を捉える目。この身体に滾るカラテ。

どうやら間違いない。俺は、ニンジャだ。

◆君は突如として顔を隠したい衝動に駆られ、タオルやテヌギー、もしくはTシャツなどで顔を覆った(もしくはメンポを生成した)。鏡面加工された工場機械に映った君の姿はまさにニンジャだ!「アバッ・・・アイエエエ・・・ニンジャナンデ・・・!?」壁に叩きつけられたモヒカンが、恐怖と混乱に満ちた視線で君を見ている。◆

なぜか足元に転がっている薄汚いテヌギーを手に取り、顔を覆う。そうしなければならないと思ったからだ。すぐ近くにあった工場機械に映る俺は、まさしくニンジャそのものだった。ジゴクに舞い戻るのと引き換えの力ってわけだ。

「アバッ……アイエエエ……ニンジャ、ニンジャナンデ……?」

モヒカンが情けなく泣いている。なんでだろうな。俺は答えを知らないし、知ってしたとしても答える気はない。クスリでダメになったこのアホには理解できないだろう。

◆モヒカンの腕は壁に激突した衝撃で妙な方向に曲がっており、もはや銃を持つことは不可能だろう。完全に無力・無抵抗となったモヒカン。この愚かなヨタモノの生殺与奪は、いまやニンジャである君の思うがままだ。◆
◆君はモヒカンを・・・
1:始末する
2:見逃す

◆2:見逃す
ニンジャとなった自分への恐れか、もしくは持ち前の善性か、はたまた単純に興味が無いのか、君はモヒカンを見逃すことにした。「アイエエエ・・・」情けない悲鳴をあげ、腕を押さえてヨロヨロと逃げ出すモヒカンを見送ると、君は工場を脱出するべく歩き出した。◆

周囲を見渡す。アナーキストのアホどもが落としたカタナがある。俺はそれを手に取り……すぐ側に落ちていた自分の得物を見つけ、さっさとカタナを捨てた。オムラ・アサルトライフル。こっちのほうが使い慣れてる。そして今のカラテがあれば、カタナなんぞいらんだろう。

モヒカンがなにか喚きながら離れていく。腕が妙な方向に曲がっていて、あれじゃ銃どころか箸も持てんだろう。俺は戯れにアサルトライフルをその手に向け、やめた。弾丸の無駄だ。それよりも早くこのジゴクを離れたい。

◇◆◇◆◇

◆君は工場を脱出すべく行動を開始したが、すでに工場内部は漏れ出したケミカル物質が引火し、激しい炎に包まれ始めている。いかにニンジャである君にとってもこの炎を強行突破するのは自殺行為だ。まだ火の手の回っていない道を進むしかない。◆

たしかに俺はニンジャになったが、だからといって炎の中を突っ切ろうと考えるほど脳が煮立っちゃいない。熱いものは熱いんだ。わかるだろ。炎のない道を選び、駆ける。昔の三倍は早く世界が通り過ぎていく。足元にはトーフエキスや死体ばかり。嫌になる。

◆足元に転がる無数の死体を避け、流出したトーフエキスを足で跳ね飛ばしながら工場を進む君のニンジャ第六感は、突如として後方から迫る危機を察知した。振り向くと今まさに炎が何らかの貯蔵タンクを包み、中に充満した可燃性ケミカル物質に引火したところだ!KABOOOM!爆発が起こり、タンクの破片が君に向かって飛んでくる!◆
◆再び回避判定だ!今回の難易度はNORMAL(出目4以上)。「イヤーッ!」成功した場合、君は飛来するタンク破片をカラテやカタナで払いのけ、またはスリケン(生成できなければ道中拾ったナイフでも投げておこう)や銃を命中させて軌道を逸らし、あるいはニューロンの速度で反応して回避し、さもなくばジツを使って対応した!「グワーッ!」失敗した場合、君はタンク破片にぶつかって1ダメージだ。【体力】を1失うぞ。◆
4D6 → 1, 2, 2, 5 成功!

KABOOM!……誓って言うが、そのときの俺は爆発より先にアブナイを察知してた。マジの話だ。だから「イヤーッ!」カラテで飛んできたタンクの破片を弾き飛ばすことができたんだ。いやはや、ニンジャってのは大したもんだぜ。もっとも喜んでる暇はなかった。弾き飛ばした破片が別のタンクへと飛んでいったからだ。

◆KABOOOM!KABOOOM!KRA-TOOOM!次々と連鎖爆発が起こり、君の背後は凄まじい炎に包まれた!もはや後退は不可能だ!炎は一秒ごとに勢いを増し、君を飲み込もうとするように背後から迫ってくる。モタモタしてはいられない!君は炎から逃れるべく駆け出した!◆

燃えてるものをその辺のタンクに近づけると、どうなると思う?KABOOM!KABOOM!KRA-TOOOM!だ。まったく、どんなケミカル物質が入ったんだ?巻き込まれるのはゴメンだ。俺はトンズラを決めることにした。

◇◆◇◆◇

◆君は後方の炎を引き離すべく全力で駆ける。モータルならいざしらず、ニンジャ脚力を持ってすればこの程度のこと・・・しかし!『火災感知につき防火隔壁作動ドスエ。カラダニキヲツケテネ』無情なる合成マイコ音声と共に、君の前方に頑丈そうな防火隔壁が下りる!左右は壁、後方には炎。ハッキングしようにも制御端末の類は無し。ここはカラテで突破するしかない!◆

爆発との鬼ごっこを楽しめるくらいには、俺は余裕を取り戻していた。ニンジャの脚力ってのはすげえもんだ。けどな。『カラダニキオツケテネ』目の前に降りてきた防火壁のせいで、そのいい気分も吹っ飛んじまった。ふざけやがって。俺はカラテを構える。

◆【カラテ】判定だ!頑丈な隔壁を破壊するのはニンジャであっても難しいため、難易度はHARD(出目5以上)となるぞ。失敗しても振り直せるが、3回目からは迫る炎に追いつかれ、失敗する度にダメージを受けて【体力】を1失ってしまう!◆
4D6 → 4, 5, 5, 6 成功!
◆「イヤーッ!」CLAAASH!君のカラテは見事に隔壁を破壊!迫る炎を振り切るために再び駆け出す!◆

「イヤーッ!」……ニンジャのカラテってのも凄まじい。防火壁に空いた大穴を見て俺はしみじみと思う。もうちょっと時間がかかるかと思ってたぜ。とにかく、長居は無用だ。

◇◆◇◆◇

◆「アイエエエエ助けてーッ!私には家庭があり家のローンもまだまだ残っていてもうすぐカイシャで出世できそうなのでここで死ぬわけにはいかないんだーッ!」前方から聞こえてきた声に気づいた君は、うつぶせに倒れてもがく中年サラリマンを発見した。見れば倒れかかってきた重そうな棚に足を挟まれ、身動きが取れないようだ。◆

「アイエエエエ助けてーッ!私には家庭があり家のローンもまだまだ残っていてもうすぐカイシャで出世できそうなのでここで死ぬわけにはいかないんだーッ!」

思うんだが、本当にアブナイってときにあんな長広舌をふるえる奴ってのはどんなニューロンしてんだろうな?とにかく、そのアホみてえな叫びのおかげで俺はそいつに気づけた。中年サラリマン。倒れた戸棚に足を取られ、逃げられないのだろう。大変なことだ。

◆重そうな棚とはいえ、ニンジャ筋力の持ち主である君なら何の苦も無く持ち上げられ、助けることができるだろう。だが、それをすることに何かメリットはあるだろうか?ニンジャである君がなぜわざわざ手間をかけてモータルを助けなければならない?後ろからは炎が迫ってきている。君は走りながら答えを出した。◆
◆君の出した答えは・・・
1:サラリマンを助ける
2:サラリマンを助けた上でカネを要求する
3:サラリマンを見捨てる
4:サラリマンを殺す
5:サラリマンを助けた上で改めて殺す

◆2:サラリマンを助けた上でカネを要求する
「イヤーッ!」「アイエ・・・ニンジャナンデ・・・アリガトゴザ・・・エッ、カネを!?アッハイ!どうぞ!」抜け目の無い君はサラリマンの命を助け、見返りとしてカネを要求した。サラリマンは君にカネを差し出し、泡を食ったように逃げていった。ギブ・アンド・テイク。これは正当な対価だ。君は【万札】3を懐に収め、再び駆け出した。◆

正直言って、俺は最初そのまま通り過ぎるつもりだった。だが、待てよ。あることを思い出した俺は足を止め「イヤーッ!」戸棚を退けてやる。サラリマンはアホみたいな顔で俺を見上げた。

「アイエッ、ニンジャ……?ニンジャナンデ……」
「俺はここに雇われていた。だから助けた」
「あ、アリガトゴザイ、」
「だが今日をもって退職する。退職金をよこせ」
「エッ!?アッハイ!どうぞ!」

中年サラリマンは素直にカネを払ってくれた。カネ払いのいいやつは好きだ。もっとも、俺はこれで自由の身なのでこのあとどうなろうが知ったことではない。アホ面を晒しているサラリマンを置き去りにし、俺は先を急ぐ。

◇◆◇◆◇

◆迫る炎に追われながら走り続けた君は、とうとう出口へと到達する。だが!「ドドドドーモ、モーターヤブはかかか賢く休憩を取らせます」BRATATATA!「アバーッ!?」出口を塞ぐような位置にモーターヤブが陣取り、労働者アナキストを問わず動くもの全てに攻撃を仕掛けていたのだ!そして君はあのヤブに見覚えがある。機体に赤くペイントされた「4」の数字。あれは君に銃弾を浴びせたヤブだ!◆
◆「アイエエエ助けて!」「休憩休憩休憩だ!」「アバーッ!」出口から脱出しようとした労働者にサスマタを叩き込むヤブ!「たたたただちに休憩休憩」ノイズ混じりの電子音声を発しながらカメラアイを残虐に回転させ、工場からの脱出を企む者を探し回っている。他に出口は無し。背後からは炎。もはやヤブを排除しなければ君の脱出は叶わない!◆

ジゴクを抜け出せそうってときに限って、アビ・インフェルノが渦巻いていやがる。

「ドドドドーモ、モーターヤブはかかか賢く休憩を取らせます」

BLATATATA!

「アバババーッ!?」
「アイエエエ!助けてーッ!」
「休憩休憩休憩だ!」
「「「アバババババーッ!?」」」

ここを高級リゾートかなんかと勘違いした鋼鉄製のアホが、逃げ出そうとする連中へ容赦なく鉛玉をばら撒いている。労働者だろうがアナーキストだろうが御構いなし。誰でもウェルカムってわけだ。クソッタレめ。

さらにクソッタレなことに、そいつは誇らしげに赤い「4」のペイントを見せびらかしている。カネモチから贈られたアクセサリーをこれ見よがしに見せつけるオイランめいて。だから俺は容赦なくファックしてやることにした。よーく覚えている。背中から俺をファックしたあのクソポンコツ。

◆工場警備員やアナキストの必死の反撃によってか、鋼鉄のロボニンジャは装甲のあちこちがへこみ、全身からブスブスと黒煙を上げ、駆動するたびに耳障りな異音を響かせている。もはや大破寸前で動くのもやっとというところだ。それでも君がモータルならば倒せはしなかっただろうが、今の君はニンジャなのだ!壊れかけのポンコツにトドメを刺すことくらい造作も無い!◆
◆大破寸前のモーターヤブを倒して工場を脱出だ!【カラテ】でカラテやカタナ、【ワザマエ】でスリケンや銃弾、【ニューロン】+【ジツ】でジツを叩き込め!攻撃難易度はいずれもNORMAL(出目4以上)だ!◆
【カラテ】選択
4D6 → 2,2,2,6 成功! 

「イヤーッ!」「ピガーッ!?」

俺の飛び蹴りは容赦なく赤い「4」へと突き刺さる。だが、足りない。わかる。このポンコツは他の連中にボーで叩かれてだいぶポンコツになっているものの、今ので仕留め切れるほど弱っちゃいない!

◆判定に成功した君の攻撃がヤブに命中してダメージ1を与える!「ピガーッ!?」たたらを踏むが、まだ動く!ヤブの【体力】は3あり、倒すにはあと二発の有効打が必要だ!失敗した君の攻撃は空を切るかヤブの装甲に阻まれノーダメージ!◆
◆「休憩しないことを許さないです」モーターヤブの反撃!近接ならエネルギー切れのショック・サスマタ、遠隔なら壊れかけのマシンガンで攻撃してくるぞ!どちらもボロボロなので両方とも回避難易度はEASY(出目3以上)だ。回避できればノーダメージ、できなかったら【体力】を1失うぞ!これをヤブに3ダメージ与えるまで繰り返そう!◆
ヤブの反撃!
4D6 → 1,1,3,4 回避!

オムラ・アサルトライフルで『連射』
1D6 → 2 失敗!
1D6 → 2 失敗!

ヤブの反撃!
4D6 → 2, 3, 5, 5 回避成功!

【カラテ】攻撃
4D6 → 1, 2, 5, 5 成功! ヤブ【体力】2 → 1

ヤブの反撃!
4D6 → 1, 2, 2, 3 回避成功!

オムラ・アサルトライフルで通常攻撃
2D6 → 2, 6 成功! ヤブ【体力】1 → 0 撃破!

「休憩しないことを許さないです。イヤーッ!」
「イヤーッ!」

突き出されたショック・サスマタを後方に跳んで回避する。エネルギー切れとはいえ、直撃したら痛いのは変わらない。BLAM!BLAM!俺はオムラ・アサルトライフルをぶちかます。……正直、欲張ったのは事実だ。一気に決めようとして連射したはいいが、自分の回避速度を考えていなかった。弾丸は明後日の方向に飛んでいく。アホか、俺は?

「きききき休憩ーッ!」
「イヤーッ!」

BLATATATA!銃弾の雨を連続側転で回避。AIも銃の方もポンコツに近づいているのか、狙いがまるで甘い。俺はそのまま接近し「イヤーッ!」「ピガガーッ!」カラテを叩き込む。「休憩しなななな」「イヤーッ!」跳躍し、アサルトライフルを構える。今度は欲張らない。火花を吹いてるカメラアイに狙いを定める。BLAM!

「ピガガガガーッ!」

◆「イヤーッ!」「ピガガガガーッ!」君の攻撃によってヤブはついに大破!地響きを立てて倒れ込んだヤブをジャンプで飛び越し、君はついに工場からの脱出に成功した!◆

銃弾は容赦なくポンコツのAIをファックし、クズ鉄へと変えた。先に休憩しておけ、ポンコツ野郎。俺はクズ鉄を乗り越え……その途中で赤い「4」を踏みにじり、悠々と工場を後にした。まったく、これほどネオサイタマの空気が美味いと感じたことはない。

◇◆◇◆◇

さて、ジゴクを抜けた先にはなにが待っていたと思う?わからねえだろうな。俺も最初、なにがなんだかわからなかった。

「ドーモ。キルメイカーです」「マーシレスです」「ジゴクガードです」

ニンジャが立ちはだかったんだ。しかも三人も。

◆「ドーモ」「ドーモ」「ドーモ」苦難の末に工場を脱出した君の前に現れ、アイサツを繰り出したのは・・・なんと、三人のニンジャだ。彼らのメンポや装束には、恐ろしげな「キ」「リ」「ス」「テ」の文字が刻まれたクロスカタナのエンブレムが付いていた。◆

どうやらそいつらは徒党を組んでいるらしかった。装束にこれ見よがしにつけられたクロスカタナのエンブレムで嫌でもわかる。オイオイ、ニンジャってのは俺以外にもいるのか。

だが、悪態よりも先に口をついたのはアイサツだった。「4」のペイントが離れない。

「……ドーモ。フォーブレイカーです」

アホみたいな名前だな。だが、きっと俺には似合いの名前だ。真ん中に立つキルメイカーとかいうニンジャが、偉そうに腕組みをして俺を見やる。

「フォーブレイカー=サン。我々はソウカイヤの者だ」
「ソウカイヤ?」
「私や貴様のようなニンジャのための組織よ。貴様も今、我らの仲間となる権利がある」
「……へぇ。なんかサービスでもあるのかい」
「無論だ!ニンジャのためのトレーニング施設。ニンジャのための武器。ニンジャのためのビズ!カネ!オイラン!スシ!なんでもだ!」

◆「ドーモ」ニンジャの本能に従いアイサツを返した君に対し、彼らはニンジャ組織ソウカイヤに所属するソウカイニンジャであることを告げ、君に組織に加わるように告げた。充実したトレーニング施設や支給品という魅力的な誘い文句を述べる彼らだが、その目や声は「もし断ればこの場で殺す」というアトモスフィアを全く隠さない。君はソウカイヤが間違いなく邪悪な組織であることを確信する。◆

さてはて、ずいぶんと大言を吐いてくれたもんだ。だが笑い飛ばすことは到底できない。魅力を感じたから?それ以前の問題だ。俺はそいつらの目を見ちまった。『断れば殺す』ってアホみたいに素直に語ってやがった。どうやらソウカイヤってのは、湾岸警備隊よりもダーティな場所らしい。

キルメイカーはなおもくどくどと説明を続ける。なぜかはわからんが、俺をよほど仲間入りさせたいらしい。とはいえ、こっちの腹はもう決まっていた。

◆一通りの説明を終えた彼らは君に選択を迫る。誘いに乗ればきっと君は邪悪な行為に手を染めることになるだろう。だが断れば囲んで棒で叩かれて死ぬに違いない。君は決断し、返答した。◆
◆君はソウカイニンジャに・・・
1:なる
2:ならない

◆2:ならない(【DKK】が0の場合)
誘いを断った君に対し、ソウカイニンジャ達は一斉にカラテを構えるが・・・その時!「Wasshoi!」禍々しくも躍動的な掛け声が響き渡り、君とソウカイニンジャ達の前に赤黒い影が降り立った!そのメンポには恐怖を煽る字体で「忍」「殺」の文字が刻まれている。「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」◆

「悪いがよ、他を当たってくれや」
「……なに?」
「今、4って数字には食傷気味でな。あんたらについていったら俺が4人めになっちまうじゃねえか。不吉なんだよ」

キルメイカーが目を見開く。マーシレスとかいうやつが侮蔑的に笑い、ジゴクガードの方は重々しくカラテを構えた。殺意が膨れ上がる。さてはて、俺も焼きが回ったかね。こんなアホみたいな理由でニンジャを三人も敵に回すとは。

……アサルトライフルをぶっ放そうとしたそのときだ。ああ、覚えているとも。「Wasshoi!」あの禍々しい掛け声と、何の前触れもなく降ってきた赤黒のニンジャのことは。そしてキルメイカーのアホ面も。

「バカな!貴様は!?」
「ドーモ。キルメイカー=サン。ニンジャスレイヤーです」

ニンジャを殺す者。アホみたいに物騒な名前だ。だが、それがブラフではないことは理解できた。アトモスフィアだけで、わかってしまった。

正直なところ、そいつがこっちを見たとき、俺はビビリ上がっちまったんだ。あのジゴクめいた工場の炎より、よほど熱く煮えたぎった怒り。

◆「オヌシは後で殺す」ニンジャスレイヤーと名乗ったニンジャは、鋭い殺意を込めた視線で君を一瞥すると、狼狽している三人のソウカイニンジャに向き直った。「ソウカイニンジャ・・・殺すべし!」ニンジャスレイヤーとソウカイニンジャ達の激しいイクサが始まった!◆

「オヌシは後で殺す」

……だから、そいつがアホみたいに動揺してたソウカイヤどもに向かっていったときは涙が出るほど嬉しかったさ。ああ、まだ命があるってな。

◆状況を理解できない君だが、とにかく自分が一時的に彼らの標的でなくなったことを知り、その場から一目散に逃げ出した!これから君はどこにも所属せず、何の後ろ盾も持たないニンジャとして灰色のメガロシティを生きることになったのだ。君が善性と人間性を保ったままニンジャとして生きるのか、それともいずれニンジャソウルの闇に飲まれて残虐極まるニンジャとなるのか。今は誰にもわからない。【終】◆

俺は駆け出した。「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!?」恐ろしいカラテシャウトと悲鳴がいつまでも追ってくるようで、生きた心地もしなかったよ。

……まあ、実際はこの通りだよ。あの死神が俺を追ってくることはなかった。意外と根性あったんだろうな、あのソウカイヤとかいう連中は。けどまあそこからが大変だ。ヨージンボとして食っていこうにも、そこかしこにソウカイヤの影がちらついていやがる。いったん岡山県にでも高飛びしようかと思ってたんだ。え?なんで岡山県かって?あんな田舎だったらソウカイヤもいねえだろ。たぶんだけどな。

……けどあんた、本当にソウカイヤじゃないのかい。ええと、スクラピュラスエミッサリー=サンだったか?それなら、ああ、ヨロコンデ。契約でもなんでもするさ。

ああ、でも殺人ミッションはしばらく遠慮したいな。あの赤黒い死神とまた出会っちまいそうだからね。

【終わり】







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