見出し画像

代表たけしげの業務日誌「つつがある日々」 6月後半

2023/6/15(木)
シカクは休み。千林に住んでいるCさんの家にお邪魔して、仕事の打ち合わせ。
打ち合わせが終わったあと、千林の商店街や路地裏を案内してもらう。最高な看板や良さげな店がたくさんあり、写真を撮りまくる。千林、いいな……。心の移転先リストに千林を加えた。


私は軽率に心の移転先リストを更新するので、もし私が著名人でwikiがあったら「心の更新先リスト」という項目があって、熱心なファンが随時更新しているに違いない。さらに熱心なファンは、そのリストに名の上がった土地を旅行もするだろう。ときどき「リストに上がってた沖縄の牧志公設市場、リニューアルしてかなり変わってましたよ!」とDMに写真が届くかもしれない。
そういえば、牧志公設市場、リニューアルしたんだよな。行きたいな。前に行ったときに買い物した、薄暗くて狭くて片隅に埃をかぶった古いオリオンビールグッズが並んでいたお土産屋さんは、もうなくなったろうか。

2023/6/16(金)
京都で開催されていた和田誠展に、滑り込みで行く。
会場はすごく広いわけではなかったが、展示物の密度がすごくて、見応えがありすぎる。終わり際なので人も多かった。

私が図書館に足繁く通っていた小学生時代、谷崎潤一郎が訳したマザー・グースや、星新一のショートショートをたくさん読んでいた。特にお気に入りの本は、親にねだって買ってもらった。お話はもちろん、かわいくて不思議でときどき不気味な挿絵も大好きだった。
高校生になってから、それらのイラストがすべて同一人物によって描かれたものだとわかって衝撃を受けた。それが和田誠だった。そうだと気付くと、和田誠の絵は他にもいろいろなところにあった。教科書、ポスター、絵本。どこにでも溶け込み、誰も嫌な気持ちにさせず、それなのに一度気付くと「あの人の絵だ」とわかる。これが一流のイラストレーターか、と思い知った。

展示には、大好きなマザーグースや星新一の挿絵をはじめとしたいろいろな原画や、たくさんの可愛すぎるロゴデザインや、平野レミにプレゼントしたセーターなんかも置かれており、とにかく心が震えっぱなしだった。
好きな絵の複製原画が売っていたら買おうと思ったが、残念ながらなかったので、グッズを2万円分くらい買う。なかなかやらない散財だが、20万円分くらいの満足感を手に入れたので、18万円も得した。

和田誠が翻訳した『オフ・オフ・マザーグース』に曲をつけ、有名人が歌をつけた60曲入りのCDがあったのでそれも買った。97年に作られたもので、永らく廃盤だったが2021年に復刻されたんだそう。なのでもう亡くなった人たち、たとえば永六輔や忌野清志郎なども名を連ねている(そもそも和田誠ももう亡くなっているし)。タイムカプセルのようなCDだ。

京都を後にし、シカクに向かう。今日は休業日だけど、ナオさんが出勤できる(そして今日以降はもう7月まで来れない)というので、私も出勤するのだ。こんなに働いて、誰か褒めてほしい。
ナオさんに和田誠グッズを自慢しまくった。

書いてもらうレビューがたくさんあり、22時前までかかった。
疲れ果てながら駅前の松乃家でとんかつを食べ、イオンで缶チューハイを買い、久々の公園ラジオ収録。収録しているベンチの対面側に若者が何人かおり、時々フィーバー状態になって歓声をあげていた。

家に帰り、和田誠グッズを並べて記念写真の撮影をした。

ここから先は

2,696字 / 6画像
定期購読500円で、毎週更新される記事を全て読めます。150円で1記事だけ読むこともできます(たまに購読者限定のもあります)。お店を応援してくださる方は購読していただけると心身共に救われます!

シカクのひみつマガジン

¥500 / 月 初月無料

大阪のZINEセレクトショップ「シカク」のマガジン。業務日誌、ゲストの読み物、音声や動画、昔のメルマガや出版物からの蔵出し記事などを月4〜…

サポートしていただけたらお店の寿命が延び、より面白いネタを提供できるようになり、連載も続けようという気合いに繋がるので、何卒お願いいたします。