毎日漫画描きながら四国一周歩きお遍路の裏話
令和元年の6/18~8/31の期間、私はかねてよりやってみたかった「毎日漫画を描きながら四国一周歩きお遍路旅」を行いました。
大体の一日の内容は別のブログに日記として書いたのですが、53日歩いてる中で何度か心霊チックな出来事も実はあったのです。そもそも四国自体が霊地であることもあるからかこの手の話はつきものであり、例にもれず私もそれらしきものにあいました。
本記事の内容は以下のようになります。
■四国一周中にあった心霊話
Case1『トンネルの先』
Case2『蝙蝠とナイトメア』
Case3『はなしごえ』
Case4『顔の崩れた地蔵』
■四国一周中にあった不思議な出来事
Case1『ぶら下がる傘』
Case2『白装束の男を追って』
■その他
・お遍路で使った費用
・お遍路に行く前に参考にしたサイトや動画
・お遍路でめちゃくちゃ役立ったもの
「毎日漫画を描きながら四国一周歩きお遍路旅」はこちらで見れます。
四国一周中にあった心霊話
※なおこれらの話を読んで、もしなにか障りがあったとしても当方は責任を負いかねぬのでその点をご了承した上で自己責任にてお読みください。もしご了承できない場合はお手数ですが次の「四国一周中にあった不思議な出来事」の項目までスクロールをお願いします。
Case1『トンネルの先』
一つ目は徳島県日和佐町を抜けた時のお話。
6月29日、歩きお遍路も12日目に入り徳島県のお寺を全か所まわり終えた後、いつものようにトンネルを抜け少し進んだところ、なにかがふと
スゥ・・・・
と私の中を通って前に抜けていった感覚がして、真夏並みの気温なのに鳥肌が立った。
(トンネルの中になにかいたか…?)
トンネルといえば心霊スポットの定番。そう思って振り返るも特になにも怪しいものはない。
勘違いかなと思いつつ、とりあえず前を向き写真を撮った。
その時の写真がこちら。
何気ない山の道路風景。特におかしいところは見当たらないが実際本当になにもおかしいものは映っていない。
ただ何気なく撮ったこの一枚の左上にある電話ボックス。
この矢印のところ。これはあとで調べて分かったのだがここは有名な心霊スポットとのこと。通称「日和佐トンネルの公衆電話ボックス」
調べたところ、ここはよく怪奇現象が起こると言われており
・電話ボックスの周りの火の玉が飛んでいる
・電話ボックスの中から周りを見渡すとそこにいる浮遊霊の姿が見える
・夜中に電話ボックスの前で立っていると突然電話が鳴り出し、受話器を取ると男性のうめき声のようなものが聞こえてくる
などの霊現象があると噂されているそう。まさか少しだけ違和感を感じて何気なく撮った写真の場所が心霊スポットだとは・・やっぱりそういう場所にはなにかがあるんだろうか。
ちなみにここは昔の遍路地図にも霊体験があったと書かれていた。
上記の写真のような内容。まだ道が整備されていないころは志半ばで倒れたお遍路さんも多いと聞く。そんな霊たちかもしれないし他の何かかもしれない。ただやはりそういうものは「いる」のだと感じた体験だった。
Case2『蝙蝠とナイトメア』
これは愛媛を歩いていた頃、ある宿に泊まった時の話。
この日も沢山歩いてだいぶ体も疲れていたので、日課のレポ漫画を描き終えてすぐ床についた。
すぐ眠りに落ちた後、私は夢を見ていた。起きてからすぐにメモした内容なのでうろ覚えの部分も多いが、その内容はこんな感じ。
夢の中の自分はひたすら学校をさまよっており、階段を上がっては下る、上がっては下る そんなことを続けながらどこかを目指していた。
あるところで、暗い廊下の奥から「何か」が追いかけてくる。
それが「何か」はわからないけど捕まったらまずいと本能的に感じ、ただひたすら走って逃げていく。そしたら前からも暗い影がやってくる。もう無理だと感じたのか、廊下の窓から身を乗り出し飛び降りようとしたところで目が覚めた。
「夢か…!」
クーラーを効かせていた部屋だったが息は乱れ、全身汗はびっしょり。最悪の目覚め。よくある悪夢からの目覚め。スマホの画面を見ると深夜2時を切っていた。丑三つ時だ。普段は夜目覚めないのに嫌な時間に起きてしまった。
だいぶ冷房がきいていて涼しいので、布団をかぶって寝ていたのだが暑くなったので布団をよけようと思ったところ…
バンッ!!
何かがぶつかったような音が響いた。音がしたほうを見るとどうやら近くの窓から音がしたようだ。そちらの方を見ると月明かりで照らされたカーテンに何か黒い影らしきものが張り付いているように見える。しかし異様なのはその黒い影、遠目でも2mくらいはありそうな大きさだ。
なんだあれは― そう思ってよく見ようと思ったところ黒い「ソレ」は大きな翼のようなものを広げスッ…と消え去った。
突然の出来事に頭がついていかず、しばらく呆然としたが急に怖くなって汗も乾ききっていないがばっと布団をかぶって、高鳴る心臓を静めるために必死に目をつむっていた。
少し経って、だいぶ落ち着いてきたので側にあるスマホを手に取り、今の出来事が夢かどうかの判別できるようにするためツイートをした。
そしてそのまま目を閉じ、いつの間にか眠りに落ちていた。
今までにも現実だと思ったら夢だった、ということは何度もあるしこの出来事も目覚めたてで寝ぼけていたのかもしれない。
ただ、その時恐怖を感じ、思わず書いたツイートは今も残っている。
Case3『はなしごえ』
高知を歩いていた頃、これもある宿に泊まった時の話。
何時頃かわからないが、深夜に部屋の外の方からなにやら子供の声が聞こえてくる。
「あはは…」とか「そうだよー」
みたいに誰かと雑談しているみたいで、私は(あー、宿のご主人の娘さんか他の宿泊客の子かな…)と思ったのだがいや、こんな時間に子供起きてるものかな…と少し怪しく思い、廊下に出てみました。すると…
・・・誰もいない
「・・・え?」
先程まで確かに声が聞こえていた。寝ぼけてるわけでもなくはっきりとききとれるほどの声だったのに今は全く聞こえない。
声が響いてたのを注意されて自分の部屋に戻って寝たのだろう。うんそうだ。そうに違いない。というかそうであってほしい。そう思って再び床についた。
次の日、宿のチェックアウトの際に宿のご主人に聞いてみた。
僕「あのー、昨日って僕以外に親子連れの方とか泊まってたんですか?」
主「いや、昨日はお客さん一人だけの貸し切りでしたよ。」
僕「え、なんか夜に子供の声聞こえたんですけどご主人のお子さんですか?」
主「いや、うちの家族は私含めて隣の家で寝てるから…」
僕「・・・え」
主「ん、あー・・・成程ね、女の子の声が聞こえたりとかかな。そういうのはよくあるよくある」
僕「よくあるんですか!?」
主「まあ旅してたらそんなこともあるもんだ、お遍路の続き、頑張ってな!」
そんな感じで半ば強引にこの話は終わりとなった。まあ実害なかったので良しとしたい。ただひとつだけ気になるのが、今回に関しては一つ前の話と違ってツイッターでの投稿やメモをしてなかったため、完全に自分の記憶を思い出して語った内容になる。
自分だけの中にこの事を留めておけば、もしかしたら本当に寝ぼけていたか、夢を見たかもしれないと思うことができたかもしれないが、宿のご主人が『その声を女の子の声と認めていた』これは自分の聞いたものが幻聴とか夢ではなかったことを示すことになる。
もしかしたら私を怖がらせるためのジョークだったのかもしれないが、それならなぜ宿のご主人は「家族連れ」としか言ってない声の主を「女の子」と認知したのだろうか。
私は心霊現象を否定しないし、そういう話はむしろ好む方だがダイレクトにこういう体験をしたとしっかり認めることになると少しだけ、背筋がぞっ・・と寒くなる。
Case4『顔の崩れた地蔵』
この件に関しては怖すぎる、というよりは編集途中でこれを読む人方に障りがあるかもしれないと判断したため、掲載を控えることにした。
波平恵美子氏の著書『ケガレ』や小野不由美氏の小説『残穢』にも書かれている事だが、穢れの「伝染性」というものはこの世の中に少なからず存在していると思う。
わかりやすい例でいうと映画「リング」の呪いのビデオのように見ただけ、今回の場合だと読んだだけで呪いや祟りが伝染するといったような感じのことだ。
この記事を書いている時期、どうしても背面が気になったり、別室で異音がしたり、行きたいと考えていた首里城が焼失したりと他にも良くないことがいくつかあった。
今回表に乗せる内容ではないのはこれかな、と心霊関係の経験の記事を有料記事の方に載せることにしたが、それでもこの4つ目の内容だけは
”内容を書き綴ることで何かよくないことが起こる”
というなにかの直感があったので、大変申し訳無いがこの出来事は私自身の記憶の中にとどめておこうと思う。
四国一周中にあった不思議な出来事
お次は怖くはなかったけど不思議だったな、というようなお話を2つ。どちらも「勘違い」や「思いすごし」という一言ですまされてしまう事かもしれないのですが印象的な出来事だったので記しておきます。
Case1『ぶら下がる傘』
おへんろ4日目、お遍路道最大難関と言われる焼山寺の山道を進んでいる時のこと。道の途中で枝にぶら下げられている傘を見つけた。
こちらがその時にとった写真である。
丁寧に針金か何かで輪っかを作りぶら下げられている。急に雨が降ってきたときに使うようにとお遍路さんや旅人への配慮だろうか。どことなくこの真っ黒な傘が気になりなんとなく写真を撮ったことを覚えている。
まあ雨も降っていなかったし荷物になるのでそのまま素通りしていったのだが、しばらく先に行くと進んでいた道が間違いだったとわかり、もと来た道を引き返すことになった。
道を戻りながらそういえば傘がぶら下がっていたことを思い出し、どこらへんだったかなあと探しながらもと来た道を進んでいた。
しかし、歩いても歩いてもぶら下がった傘は見えてこない。進んだ時間を考えてもとっくに見つけてもいい頃だが一向に見えてこない。
もう過ぎてしまったか?とも思ったが注意してみていたのでいくらなんでもあんなに大胆にぶら下がっている傘を見逃すとも思えない。
最初の道からここまで誰かともすれちがっておらず、今日は強い風も吹いてなかった。それなのに忽然と傘は消えてしまった。
見逃してしまったんだろう、と言えばそれで終わりだがどうにも不思議だと思った出来事であった。毒にも薬にもならない話だが話の内容はこれで終わりだ。蛇足ではあるが傘が消えたことを知った時、以下の漫画を思い出した。
手にとった人を喰らってしまう傘。まさかね。
Case2『白装束の男を追って』
お遍路終盤、最後の88箇所目であるお寺「大窪寺」へ向かっていた時の話。この日は雨が降っており、合羽を着ながら最後の寺へ長い道のりを一歩一歩進んでいた。
山坂を下りはじめ、集落が見えてきた頃、私は前方のだいぶ離れたところに笠をかぶった白い服を着た人が歩いているのが目に入った。
格好からしてお遍路さんだ。杖をついているかはわからなかったがお遍路の服は白が基本であるし、この道を通っているなら恐らく行き先は一緒だろう。
歩く速度も自分のほうが早いだろうし、もう少しすれば追いつくだろうから挨拶しようかなと思っていた。
集落に沿った山道なのでくねくねとした下り坂になっており、しばらく歩くと曲道にさしかかり、前を歩いていた白服の人が見えなくなった。
続いて自分もその曲道を曲がって先を見渡すと・・・
さっきまで歩いていた白服の人がいない・・・
道は一本道。まわりに山や森に入るようなへんろ道の入り口もなく、民家も曲がった先には見えなかった。まさに文字通り「消えてしまった」のである。
もしかしたら私の見逃した道や隠れた場所があるのかもしれないがそれにしてもあまりに腑に落ちない。まあいないものはいないと幻覚を見たと思ってそのまま道を進んでいった。
そのあと、休憩所に立ち寄ったところ、先日一緒にお寺まで歩いたお坊さんと再会した。少し立ち話をしているとそこで興味深い話を聞くことができた。
なんと弘法大師こと空海を「見た」のだという。
お坊さんの話によると先日疲労困憊の中歩いていると、町の横断歩道付近で白いお遍路服を着たお坊さんらしき人を発見し、声をかけようとしたところふっ・・と煙のように消えてしまったのだという。
「あれは間違いなくお大師様だった!」と意気揚々に仰っており、普段なら私も凄いですね!という感想だけなのだが、自分も先程似たようなものを丁度見てきた所である。他人事とは思えず共感してしまった。
元々「お遍路」とは弘法大師に近づくため四国の88箇所をまわる修行であるため、弘法大師に近づく=弘法大師が見えるようになる。ということに繋がるのかもしれない。
弘法大師は今も高野山で修行をしていると言われるが、その精神は四国を今もまわっているのだろうか。
・・・という考えであればなんとも良いお話で終われるのだが私にはあの人が弘法大師だった、という説も信じつつ、やはりあれはお遍路さんの霊だったのではないかと思う。
そう考えてしまうのはそこにたどり着くまでの道で見てきたお遍路の途中で亡くなった人たちを弔うための数多の墓を見てきたからだろう。
お遍路で使った費用
漫画用パソコンとIpad 204520円
納経代 27800
埼玉→香川で使った青春18切符 23700
6/18~6/30日分(徳島県) 125030
7/23~7/31日分(高知県) 61635
8/1~8/15日分(愛媛県) 105540
8/16~8/31日分(香川県) 114650
お遍路総費用 662875円
9/1~9/10日分(西日本旅行) 73850円
旅行総費用 736725円
今回毎日漫画を描くようでノートPCを購入しましたが、あまりに重いので徳島でさよならバイバイして一回地元に戻った時にIpadを購入しました。
ここらへんの機器代金と宿宿泊メインでやっていたので、善根宿使ったりテント泊して絵も描かないのであれば費用は半分以下に抑えられると思います。
自分は毎日漫画作成、美味しいもの食べる、民宿メイン、観光しまくりとだいぶ贅沢遍路になりましたし、真夏に行ったことから飲み物代もかなりかかったので春と秋であまり宿を使わず食費も抑え、お遍路一周するだけなら15~30万あれば全然行けます。
お遍路でめちゃくちゃ役立ったもの
その1 傘
夏場は最強です。雨も日差しも防げる!夏場は直射日光が一番の敵なので傘は山陰を歩いてる時以外は常にさしていました。
合羽のほうがいいって人もいるけど夏に関してはめちゃくちゃ蒸れるし、音も聞こえづらいから車やケモノに反応しづらいしすぐに着るのも難しいので私は風さえなければ傘メインで使ってました。
その2 ロケスマ
スマホのアプリで、「コンビニ」「ファミレス」など検索したい店の種類を入力すれば、近くにあるお店が一斉にアイコン表示されるので、補給したい時や施設を探す時すごく使えました。
その3 エア枕
ダイソーで100均で売ってるトラベル用エア枕です。飛行機や電車などで仮眠する際、空気を吹き込んで首に当てて使用する携帯枕で、持ち運ぶ時は軽くて収納しやすいし、100円だからお試し代わりに買いました。
結果、大正解。廃車で寝た時は丁度いい柔らかさですぐに寝てしまいました。他の場面でも仮眠で役に立ったのでこちらはちょっとした旅や家でも使えるのでおすすめです。
お遍路に行く前に参考にしたサイトや動画
装備品関係(Nature Driveさん)
https://cycle-japan.com/henrodougu/
野宿、寺情報(元自衛官のお遍路案内さん)
http://travel-rider.jp/ohenro-gyate/
お遍路情報全般(お遍路で生まれ変わる~歩き遍路の世界~さん)
http://ohenro-88.com/
アニメ「おへんろ。~八十八歩記~」(ニコニコ動画)
https://www.nicovideo.jp/watch/so24401594
徒歩で日本一周(こたつさんの動画)
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34241121
小話 お遍路では成長する
歩き遍路で得られるもの、それは自分自身の成長です。
1番札所から88番札所に歩いて行くだけで、旅に出る前の自分とは全くの別人と感じることができます。例えると冒険でレベル1からレベル88までアップするような感覚。
恐らく自動車や観光バスによるお遍路では歩き遍路には到底及びません。歩きは時間はかかるけどコツコツ1ずつレベルアップ。バスや電車は時間はかからないけど10の寺で1レベルアップみたいな感じです。
日常生活では自分の成長を実感できる状況は滅多にないです。しかし、お遍路では1歩1歩進めば必ずゴールにたどり着けるようになっています。
その成功体験はお遍路を終えた後になにかを自分は成し遂げられる、という大きな自信になって新しいことに挑戦できるようになります。
お四国時間
歩き遍路をしていると四国では時間がゆっくり流れているような感じがします。それを「お四国時間」と呼びます。
都会から来たお遍路さんは四国では時間の流れ方が違うと感じるそうで、実際自分もそうでした。
歩き遍路をしていると自然のスピードに従うことが多くなります。日の出とともに宿を出発して、ゆっくり一日中歩き、夕方には宿に到着。そしてぐっすり寝て次の日も同じことを繰り返します。
このようなエンジンに頼らない動物本来のスピード、リズムに従った生活は体内時計の調節やストレスの解消につながるそうで、適度な疲労感も逆に心地よく感じるとのことです。
もし、忙しい毎日に息苦しさを感じている、もしくはなにかを始めたいけど踏ん切りがつかない時、そんな時は歩きお遍路をやってみてはいかがでしょうか。
以上となります、様々な情報ごちゃまぜでしたが少しでも暇つぶし、お役に立てる情報になったのであれば幸いです。
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それでは、ようやく本も出し、情報も全て出し終えたので令和元年のお遍路は終わりを迎えます。また、いつの日か必ず四国に行くのでその時までまた!
明日もなんか、頑張れそうだ。ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。
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