子供の歯並び悪化の防止


子供の頃の癖を注意せずそのまま放置しておくと、その癖が原因で歯並びが悪くなる(不正咬合)ことがあります。

①指しゃぶり
指で前歯を押していることになるので、出っ歯(上顎前突)の原因になります。
また、指をしゃぶって吸っているので、陰圧がかかり奥歯が内側に傾いて歯の並びが狭くなってしまいます。狭くなると大人の歯に生え変わる時にスペースが足りなくて、ガタガタの歯並びになってしまうことも。
②口呼吸
口の周りの筋肉(口輪筋)が緩んでいる状態が続くので、顎の発達が不十分で不正咬合の原因になります。また、この時頬っぺたの筋肉が奥歯に力を加えてしまい、歯の並びが狭くなってしまいます。これも不正咬合の原因になります。前歯も口が緩んでいるので前に傾いてきて出っ歯になります。
口呼吸は歯肉炎の原因にもなります。
③爪を噛む
よく噛む部位の歯が押されて低くなり、噛めなくなります。前歯部分が噛めなくなる"開咬"というものや、上の前歯が出てきて出っ歯になる"上顎前突"の原因になります。
④ほおづえ
顎の片方に力がかかり、歪んだ歯並びになってしまいます。
⑤横向き寝やうつ伏せ寝
顎に力が加わり、顎関節に障害がでで痛みが生じる"顎関節症"の原因になります。
⑥舌を出す癖
乳児の時は、飲み込む時に"乳児型嚥下"と呼ばれる舌を歯茎に挟んで陰圧を作って飲み込みます。それがそのまま残って癖になってしまい、歯が生えてきてからも舌を歯の間に入れて嚥下してしまう"舌突出癖"というものがあります。これは、前歯を押して出っ歯になる"上顎前突"と前歯が噛まなくなる"開咬"の原因になります。
⑦虫歯の放置
乳歯の虫歯は早く進行します。放っておくと虫歯の部分が溶けてしまいその部分へ隣の歯が傾いてきたり、早く抜けてしまったりし、大人の歯に生え変わる時にスペースが足りなくてガタガタになる不正咬合の原因になります。
また、虫歯が進行して神経まで行くと、その後に生えてくる大人の歯にまで影響を及ぼしてしまいます。


具体的に癖をやめさせるには、どうすればいいか。

①指しゃぶり
 →無理やり離したりしないで、自分でやめられるように意識付けしていきましょう。
  何度も注意し、できてる時に褒めたりシールをあげたりします。
  どうしてもの時は指につける防止グッズを使用しましょう
②口呼吸
 →口を閉じるように注意しましょう。
  どうしてもの時は専用のテープを貼り癖付けしてあげます。
  鼻の詰まりが原因の場合は耳鼻科へ受診しましょう
③爪を噛む癖
 →爪をこまめに切りましょう
  何度も注意しましょう。これも無理やりではなく、意識付けです。
  どうしてもやめない時は専用の苦いマニキュアを塗る場合があります。
④ほおづえ
 →注意しましょう。マナーもあまり良くないですし、顎にも良くないです。
⑤横向き寝、うつ伏せ寝
 →仰向けに寝るのが大人だよ〜などと本人が仰向けで寝ようとする様にしましょう。
  熟睡していたら、仰向けに移動させて癖付けしましょう。
⑥舌を出す癖
 →癖になってしまっている場合で、不正咬合になりそうな場合は、舌を出せなくなる装置を装着します。
  舌が低かったり正しい位置ではない時に、舌を正しい位置に置く装置もあります。
⑦虫歯の放置
 →定期検診へ行きましょう!!
  仕上げ磨きをしっかりと行いましょう。
  口の中をこまめにチェックしましょう。

どれも無理やりやめさせるというよりは、子供に言い聞かせて自分で気をつけるように意識付けしていきましょう。
大変かと思いますが、将来のために、根気強く頑張りましょう。
気になることがある場合は歯科医院へ。相談に乗ってくれるはずです。

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