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白くまともな話

今日も今日とて、読書程度しか余暇はなかったが。そんな日々、たとえ活字中毒者が読者にいようと、情報としては広い分野の方がいいだろうと考慮してnoteを開く。果たして、夏と本を取り上げられた僕はどんな物語を紡ぐのだろうか。

こんな思い付きの思考実験も、夏の成す業といえばそうなのだが、僕は特にもう自制しきれなくなった心を、せっかくだから遊ばせてあげたいのだ。

どうぞ、心よ、気ままにダンスしなさい。あなたなりの優雅な、それでいてダイナミックなダンスを期待する。そうして身体と分離した時に放つ心の美しさは、実はもう誰もが承知なのだ。

面白いことがしたい

時折放つ、貴重な心の声をキャッチしてしまったら、そうさせてあげたいじゃないか。君が、(面白い)そう思うことは、そう思うならそれでいい。まだ一滴の雫は垂ったばかりだが、僕はその片鱗さえ愛しいし、解き放ってあげたい。人に笑われようが、卑下されようが、冷笑されようが。僕はいつだって僕の味方なんだから。

僕が大切にしている言葉がある。それはSEKAI NO OWARIのこんな歌のこんな歌詞だ。曲名はサザンカという。平昌オリンピックのNHKテーマ曲だったから、アーティスト自体を知らなくとも、耳に馴染んでいる人は多いことだろう。

夢を追う君へ 思い出して くじけそうなら いつだって物語の 主人公は 笑われる方だ 人を笑う方じゃない

もうね、これを初めて聞いた時泣いた。そして知らない人に勧めたいと思った。こんな、こんな人を救う歌詞があるんだよって。僕はこの時セカオワのファンで良かったと思ったし、何より誇らしかったね。最近ではめっきり熱は冷めてしまったが、この曲だけは時折無性に聴きたくなる、人生の1曲となった。

随分長い前置きをしたけれど。

いや、ふざけている訳じゃないんだよ。僕はね、…(ああ、結局言い訳や根拠を語るには本は欠かせないな、伝えたいことがあったが、自ら背負った枷だ、楽しく背負ってみようじゃないか、mm。)

ああ、伝えたいことは伝わらないなぁ、扱えなければ扱えないほど、僕にとってそれは本当に大切なものだったんだと認識できる。こんなきっかけを与えてくれてありがとう、今日の、すこし前の僕よ。

少し前の僕。

そういえば、時間はない説、(いつもの如く正式名称は忘れてしまった、各々ググってくれ)なんてものを以前ネットで目にした。今があるだけで、そもそも過去なんてないんだと。ということはタイムマシンも現れない。ということはサマータイムマシンブルースはどうなっちゃうの?あんな素敵な映画なのにさ。ホセだってさ、最後にはまた作ろうってやる気になったんだよ?ビダルサスーンだって死活問題だ。

過去は、…少し希望だった。未来はこわいが、過去は覗いてみたい。

いや、説だ、あくまでも。今決断を下すにはまだはやい、しかし高鳴った動悸はなかなか止みそうにないが、そこは夜の蛙がうまく沈めてくれるから問題ないよ。ほら、すぐ窓の向こうの田んぼで静かに鳴いているんだ。雨もしとしとふっていて、それがとても美しいデュエットになっている。

楽器なら、蛙は何かな、と考えた。が、何物にも当てはまらなかった。そもそも、楽器が自然で感じた美しい音を再現したくて作られたものではなかったか?大体が。以前、何かの本で読んだ気がするが、詳細はすっかり忘れてしまった。

高く清く、耳にとても馴染む遠くで鳴く蛙の声。湿度のある世界の秩序にはまっては、「私たちは古よりここで、歌っている」と歌っている。僕はまた蛙様を思い出して、少し涙ぐむ。あの、バーへ続く道はもう忘れてしまったのだ。いつも行けたのに。もういけない。その世界の秘密の扉の鍵が欲しくては、また入道雲を見上げる季節が近づく。

おおらかな白い熊がいた。ホッキョクグマではない。大きさはひと山ほどある。いつも胡坐をかいてじっとしていたので、ほとんどの人からは山と思われていた。しかし季節がいくら巡ろうと一つも雪の解けない山を見て人は恐れを抱いた。そして村の若者たちはお供え物の米や近くでとれた果物などをもってせっせと山へ登ったという。

そんな適当な話を思い浮かべては、その物語の続きを思い浮かべる。ぼくなら、きっと熊の毛皮は脂っこいだろうし、結局天辺へなんて登れなかったんじゃないかと思う。それで日をおいて再挑戦をする。村の若者たちだ、力は有り余っているに違いない。登山靴を履くことにした。時代考証などどうでもいいのだ、僕の妄想なのだから。

おおらかな白い熊はおどろいた。足首の方がきゅうにちくちくと痛痒くなったのだ。あわてて立ち上がろうとする。すると村の若者たちは滑稽にころころと転がり落ちた。それに白い熊は気づく。悪いことをしたなぁ。それで白くまは思いつき、自分の毛を少しだけ抜いて男たちの転がる先に置いてやった。うまく毛にくるまれめでたしめでたし、と言いたいところだったがもちろん山が動いたと村中は大騒ぎ。早く収拾しなくてはと賢い白い熊は村長の家に直談判に行く。大丈夫、白い熊は都合よく小さくなることができるのだ。しかし小さくなった白い熊はただの白熊でしかなかった。その白熊が「先ほどはすみません」と話しながら村人集まる村長の家に入ったわけなのだが、もちろん村人は大パニック。

ね。大パニック。この後村や村人たちはどうなっちゃったんだろうね。優しい白熊なのにね。でもね、大体今まで熊は恐怖の対象でしかなかったんだから、いくら日本語を話せる毛並みの綺麗な白い熊でも驚くよね。しかも話せる、手ことも逆効果でしかない。未知なる最強の熊、しかもなんでこの山の中に白熊。山1つなくなってるし。これを整理して一つの真実を生み出す村人がいたならきっとそうなる前に、”一年中雪山”の秘密を解いてるに違いないからね。

それに、賢いと思っていたのは白い熊本人だけで、実はそんなに賢く無かったんだよ。ちくちく痛痒い程度だったのなら、もとより放っておけば良かったんだ。…そうかな?作者の僕自身が、僕が思うよりあんまり賢くないのかもしれないね。めでたしめでたし。(ある意味)

あ、これは鹿田の作った昔ばなしっぽい話だし、教訓も何もないよ。でもなんか教訓があるように感じた人もいるかもしれない。大丈夫、教訓があるように感じた人にはちゃんと教訓があるから。作者の僕にはわからないけれど。もしも分かった人がいたら教えてほしいなっ。

おわり

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