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うちのよっちゃん

私の母は、よっちゃんといいます。
最近母との会話が増えたなあ〜としみじみしたのもあって、娘の視点から彼女について書いてみたいと思います。

私と兄はよっちゃんを「お母さん」と呼びます。
いちどもママと呼んだことはありませんでした。どうやらこれはよっちゃんがママと呼ばれるのがすごく嫌だったらしく、小さい頃から「お母さん」というように育てていたのだとか。
おかげで兄も「おふくろ」と呼びそうな未来はなく、我々は「お母さん」と呼んだまま年を重ねていきそうです。

よっちゃんは楽しそう

よっちゃんは我が家で唯一関西弁をはなします。
私も兄も生まれは大阪だけど、育ちは東京。父も生まれは関東で、社会人になって15年くらい大阪に住んでいたけど、関西弁は話しません。
母は向こうで生まれて向こうで育った女。東京にきてもう18年くらいですが、ずーーっと関西弁をはなしています。

「アカンで〜アンタ!」
我々兄妹はこう言われ続けて育ったのでした。

父の単身赴任が長かったのもあり、兄の反抗期も私の反抗期もあった暮らしでしたが、母の明るさになんとか支えられた家庭だったと思います。

では、最近の楽しそうなよっちゃんについて書いてみますね。

①毎日ティータイムにうきうきしている

最近よく母と15時くらいにシュークリームを食べてコーヒーを飲むティータイムを嗜みます。
私は在宅でアルバイトをすることもあるので作業しながらの時もありますが、なんだかんだ母の近況だったりをそこで聞いたりします。父がどうだとか、祖母の体調がどうだとか、お花の仕事がどうだとか。
あんまり私の話は聞いてくれません笑

コーヒーは私が淹れたり、母が淹れたり。
私が淹れるといつも「人に淹れてもらうと美味しいのよね〜♪」といってニコニコしながら飲んでくれます。
そんな時に、ああ、母は愛嬌のある天真爛漫な人だなあとしみじみ思うのです。
(もちろん辛いことも大変だったこともたくさんあったはず!)

②お花の仕事が楽しそう

母は「フローリスト」という職業らしいです。
というのも、お花に関するお仕事。
装花に行ったりブーケを束ねて送ったり。基本はお花の先生のアシスタントらしいのですが、去年からそのアシスタントを本格的にやり始めたみたい。
そこから私の目には母がとても生き生きして見えたのです。

母のインスタより。
なんか母のアレンジは緑が多いらしい。
虫がよく止まっている。

朝3時に起きて花市場に行き、レッスンのお手伝いをして夜にへとへとになって帰ってくる。

それでも、私たちを育てていた時よりどこか楽しそう。
以前よりテーブルの上には一輪挿しのお花が増えたし、生活に彩りが出たというか。
私たち子どもがいたから以前まではできなかったことができるようになっていって、以前より何万倍も笑顔が増えたように思います。

ああ、母はずっと社会に接したくてしょうがなかったんだなあと感じる今日この頃です。
よっちゃんはあなたたちを育てるのも楽しかったのよ、と言ってくれるのですが、それはそれは鬼のような形相で怒っていたあの頃と今では顔つきがあまりにも違って、少しだけ申し訳なく思ってしまいます。

そんなよっちゃんに感謝していることがあります。
私は自分のやりたいこと、なりたいものを優先して就職活動をしていました。頑固にも他の職種に目を向けず、まっすぐ走っていました。
それは、母がやりたい仕事に楽しそうに取り組んでくれていたからなのかも。
父からは心配からかいろいろ口を出されることもありましたが、母はいつも背中を押してくれたように思います。
お花の仕事で楽しそうにしている母の姿を見ていたから、私はここまで就活でやりたいことに執着できたのかもしれないです。
結果として納得できる就活だったので、よっちゃん本当にありがとう!!

③ごはんがおいしい

一人暮らし、嫌だなあ……。と思ってしまう原因は母の料理のおいしさにあります。
私はよくわからないのですが、うちのカレーは圧力なべで直方体の肉の塊を柔らかくするところからはじめるみたいです。
他にも、おしゃれなお皿に漬け丼が盛られていたり、水差しがお店のやつみたいなシャープなものだったり………。
料理含め、食のデザインがよっちゃんは好きみたいで、とても上手です。

母のインスタからとってきたもの。
ドームみたいなものどこで買ったのかまだわからぬ。
キンパは本当に美味しい

以前よっちゃんに「『ていねいな暮らし』ってなあに?」と聞かれたことがあります。
「母がやっているやつだよ。普通の食事をおしゃれに盛るやつ」
「そんなん当たり前やん!?」
と、彼女の中では普通の感覚のようでした。
ふつうのひとの感覚ではないのだよ。

今日もよっちゃんはテーブルコーディネートのレッスンを終え(やるほう)、達成感からなのか晴れやかな顔で私にあまったケーキをくれました。
甘酸っぱくて上品な味。
そういう味を忘れられないので、私は一生料理できるようになれなさそうです。

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