レポート03_勝史塾_

勝史塾Jr.の会が創立8周年記念講演会を開催,「勝史塾」へ

神部 毅/山形県・神部歯科医院

2019年12月8日(日),宮城県歯科医師会館にて,勝史塾Jr.の会創立8周年記念講演会が「進化するSuction Denture!=総義歯は東北から=」をテーマに掲げ開催された.

勝史塾Jr.の会は,塾長・佐藤勝史先生(山形県)が若い歯科医師・歯科技工士の知識・技術・モチベーションの向上を図るために2011年に創立したもので,当初は仙台のスタディーグループ「月一会」から毎月講師を招き講演していただいたが,1年半後には,月1回の会員のケースプレゼンテーションと,外部講師を年3回程度招いて聴講する形態に発展した.

会員も現在では39名に達し,国内の学会活動に参加したり,海外研修会に参加して研鑽を積んでいる.

■ 記念講演会は16演題

講演は会員14名とゲスト演者1名による16演題が行われた.宮城県,山形県はもちろん,遠くは兵庫県や京都府や北海道など全国各地から約130名の参加者が集い,満員の会場は熱気で溢れていた.

総義歯の分野において大きな実績をあげている塾長・佐藤勝史先生は講演会の最初と最後に登壇し,総義歯形態と機能時の口腔粘膜の動きとの関係性と,上顎フラビーガムを起立させて印象することにより,吸着がよく動きの少ない総義歯を製作する方法について講演した.

貝和隆史先生(山形県)は口腔粘膜の経年的な変化を説明,永田一樹先生(山形県)は開閉口運動と舌下ヒダ部の関連性を講演した.

大友 謙歯科技工士(山形県)は,歯の変位を考慮した部分床義歯の製作を解説,神山大地歯科技工士(宮城県)は各種義歯床用レジンの比較検討,岸 里美歯科技工士(山形県)は舌の脇腹に対する義歯形態の関連性と,技工部門の講演を行った.

山口栄二歯科技工士(宮城県)は患者感覚を利用した咬合採得法,笹原将則先生(山形県)は上顎中切歯切縁の位置決定法を講演,筆者も複数の咬合高径設定法を組み合わせることの重要性を解説した.

咬合不安定症例への対処法を示すセッションでは,林 宏暁先生(山形県)がフラットテーブルを用いた症例,安達隆帆先生(山形県)は咬合調整&リマウント法を用いた症例を発表した.

小林貞則歯科技工士(山形県)が訪問歯科診療における歯科医師と歯科技工士の連携,湯田亜希子先生(北海道)が同じく訪問歯科診療における下顎吸着義歯の展望,そしてデジタルデンチャーを大内悠輔歯科技工士(山形県)と永田一樹先生がプレゼンし,多岐にわたる内容の会員発表を締めくくった.

そして,創立当初からご指導いただいているスペシャルゲストの月一会・菅崎直身先生(宮城県)には,創立8周年のお祝いのお言葉の後に,部分床義歯の長期症例について講演していただいた.

最後に,当会塾頭の永田一樹先生が音頭をとり,会場全員で「総義歯は東北から」とコールして,盛況裏に閉幕となった.

■「Jr.」の時代から「勝史塾」へ

講演会終了後,ホテルグランテラス国分町において,創立8周年記念祝賀会が盛大に開催された.多くの会員が30歳前後でスタートした「勝史塾Jr.の会」であったが,会員が年齢を重ねたことに伴い,今回の講演会および祝賀会を機に「勝史塾」と名称が変更された.

勝史塾Jr.の会がこれまで活動を続けてこられたのは,ひとえに非常に多くの先生方の懇篤なご指導,ご鞭撻の賜物であったことを誌面をお借りして心より感謝申し上げます.

レポート03(勝史塾)

講演は会員14名とゲスト演者1名により,計16演題が行われた.

月刊『日本歯科評論』2月号 ランダムノートより
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