花と植物コレクション(4) ボリジ/ルリジサ
花と植物を少しずつ知るマガジン
ボリジ/ルリサジ
ボリジは、花はかわいいですが、性質は強健。この写真くらいのサイズになると、主軸の茎は、五百円玉くらいの太さになります。茎が太い割には中は空洞で、弱いので、伸びてきたら支柱などで補強する必要があります。茎や葉っぱが産毛のようなトゲトゲがあるので、触るとちょっと痛い。深く澄んだ青い花色がとても美しい。
名前
和名 ルリヂシャ
英名 Borage
学名 Borago officinalis
英名のBorage(ボリジ)は、属名にもなったラテン語名ボラゴ Borago に由来し、これはさらにアラブ語で「汗の父」(発汗作用を表す)を意味する語に由来しています。また一説には、イタリア語、フランス語で「綿毛」を意味する単語「burra」に由来するとも言われています。
分類
真正双子葉類→キク類→ムラサキ目→ムラサキ科→ルリサジ属→ルリサジ/ボリジ
概要
全草が白い毛でおおわれ、とくに楕円形のくすんだ緑色の葉は触ると痛いほどの細かな毛があります。花はマドンナブルーと呼ばれる青色で、星形の花を咲かせます。(まれに白、ピンクもあります)。白い毛に覆われた葉や茎には、キュウリのような香りがあります。古くは、気分を明るくして勇気を与えてくれる薬草と考えられていました。ルリサジには、人を奮励させる強壮効果があり、ワインと一緒に飲むと気力が沸いてくると言われていましたた。古代の詩などでも、ルリジサが気分を高揚させると歌われていました。中世には、騎士が自らの闘志を高めるためルリジサを煎じたハーブティーをよく飲んでいました。人を勇気付けるという効果は決して思いこみではなく、科学的な検証によって、恐怖やストレスに対してアドレナリンを分泌させ、鬱などに効能があることが確認されています。その他、フランスではルリジサの葉と花を素材に作る煎じ薬が解熱への対策として作られ、効果を発揮しています。また花をハチが好むため、蜂蜜の製造の手助けとしても栽培されています。
1980年代に、種から得られるオイルに健康に良いとされる必須脂肪酸のガンマリノレン酸が、約20%含まれることが確認され、高価な月見草オイルの代用品として使われています。一年草。
ボリジはコンパニオンプランツとしても知られ、近くに植えた植物にマメコガネがつくのを防ぐといわれます。また、イチゴの実つきをよくするという説もあります。丈夫で寒さには比較的強く、冬はロゼットの状態で過ごします。
開花
5月
食べられる、エディブルフラワー
エディブルフラワーとして、ボリジは、フレッシュな花の萼(がく)を外すと食べられます。花は、料理やスイーツの飾りに利用でき、ハーブとしても扱われます。花の中央部分の蜜を食べると、自然な甘い味がします。若葉は、きゅうりの味がするのでサラダなどに使われています。ボリジは、ヨーロッパで戦士が出陣前にボリジの花をワインに浮かべ、勇気を奮い立たせたと言われています。ワインにボリジを浮かべるとボリジの花は青からピンクに変わります。
ボリジを含むムラサキ科の仲間は微量のピロリジジンアルカロイドを含有することから、現在では、ボリジの葉を常用または大量に飲食・薬用にすることは安全性に疑問があるとされます。また、茎葉に生える剛毛には、かぶれる人もいるので注意してください。
ボリジはこぼれ種で増える
ボリジは、植え付けて環境が合うとこぼれ種でも発芽する強いハーブです。初夏に咲いた花の種が発芽して、その年の秋に開花することもあります。余分な苗や種とりがすんだ株は抜いて、堆肥化するのがおすすめです。
人間との関係
ルリジサは美術においても重宝されてきました。画家たちは、ルリジサの花弁から採れる汁を使ってマドンナブルーと呼ばれる色を作り、聖母マリアの衣服を塗ってきました。また、種子から抽出した油(ボリジオイル、ボラージオイル)は、キャリアオイル(Carrier oil:アロマセラピーにおいて、主に精油(エッセンシャル・オイル)を希釈するための植物油)やサプリメントとして利用されています。
参照
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