あのときの王子くん
青空文庫【あのときの王子くん】の朗読まとめです
第1話
ぼくが子どものころ描いた絵を、大人たちは理解してくれなかった。
大人たちは地理や歴史の勉強をするように言いつけ、ぼくは結局、絵を描く夢をあきらめ、パイロットとしての道を選んだけれど、それで何かいいことがわかったわけでもなかった。
本当に理解してくれる人を見つけるために、大人たちに特別な作品を見せることにしたけど…
第2話
6年前、ぼくの飛行機が壊れてサハラ砂漠におりた。
飲み水は7日分しかないけれど、ひとりでなんとかやってみることにした。
次の日の朝、ふしぎなかわいい声で起こされたんだ。
第3話
どこから来たの?僕んちってどこ? 羊をどこに持って行くの?
でも王子くんはそれについては答えなかった。
箱だけじゃなく、羊をつなぐためのロープもあげると言うと...
第4話
あの時の王子くんがいたって言い切れるのは、 あの子には魅力があって、笑って羊をねだりしたからだ。 羊をねだったんだから、その子がいたって言い切れるじゃないか。
第5話
王子くんの星には恐ろしい種があったんだ。
それがバオバブの種。そいつのために星の地面の中はめちゃくちゃになったんだ。
第6話
夕暮れが大好きなんだ 夕暮れを見に行こう
そうやって君はいつでも見たい時に夕暮れを見ていたんだ。
第7話
200万の星の中にも、2つとないどれか一輪の花を好きになったんなら、その人はきっと星空を眺めるだけで幸せになれる。
あのどこかに僕の花があるって思えるから...
第8話
王子くんはまっすぐ花を愛していたけど、すぐ信じられなくなった。 大したことない言葉もちゃんと受け止めたから、すごくつらくなっていった。
第9話
きみがそのことわかんないのはあたしのせい。 どうでもいいか。 でもきみもあたしと同じで、バカ。 お幸せに。
そんなグズグズしないで。 イライラしちゃう。 行くって決めたなら、ほら。
なぜなら、花は自分の泣き顔を見られたくなかったんだ。
第10話
王様は何でも自分の思い通りにしたくて、そこから外れるものは許せなかった。いわゆる絶対の王様。
でも、王様にはこんな口癖がある。言いつけるにしても将軍に海鳥になれと言って将軍が言うことを聞かなかったら、それは将軍のせいではない。こちらが悪い。