7日間ブックカバーチャレンジ(2日目)

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社会人になってすぐの頃「耳をすませば」のリバイバル上映があるというので、桜木町のランドマークプラザ内の小さなホールに行ったのでした。そのとき二本立てで、もう一本が「風の谷のナウシカ」で、そういえば大きなスクリーンで観たことなかったなと、ついでで観たのですが、ナウシカのクライマックスシーンで圧倒的な愛のようなものが丹田から湧き上がってくるのを感じ、思わず大婆様のようにむせび泣いたのでした。「耳をすませば」のことは吹っ飛びました(いまも大好きですが)。

で、すぐにナウシカのマンガ全巻を買って読んだら、みなさまご存知の通り大変な内容でございますでしょ。『アニメージュ』で1982年から連載されていたのですね。社会人になるまでにぼくが考えて「世の中ってもしかして……」みたいに思っていたことは、ナウシカの爪の垢ほどもなく、それがぼくが3歳のころに書き始められ、1994年に完結していたのですね。なんじゃこりゃって思いました。もし生まれ変わりがあるなら、人類が来世の来世でやっとわかるようなことまで書いてあるじゃないですか。

それから宮崎駿監督の作品を観ると、どれもこれもナウシカの一部として見えるというか、ナウシカという原液をベースに割って味付けしたもの(それがどれもまた抜群にうまいのですが)、と感じるようになりました。で、ジブリ作品で何が好き? と誰かに聞かれるたびに、ここに書いたようなことをひと通り話して、うわ〜めんどくさ〜と思われるおじさんになりました。「いのちは闇の中のまたたく光だ」という台詞は何度も思い出して、その度に助けられてきました。ほんとすごい作品ですよね。


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