7日間ブックカバーチャレンジ(5日目)

子どもの頃から変な遊びを考えるのが好きで、公園や教室で友達とよくやっていました。その流れか、大人になっても「リアル桃鉄」(路線図でスゴロクをして目的地駅を目指す)とか、「エクストリーム出社」(早朝から出社までの間に登山や海水浴をして過激さを競う)とか変なことを続けていました。

友人のあまやんさんと始めた「エクストリーム出社」は、"新しいライフスタイル"とメディアに取り上げられ、世間で少しブームになりました。2013年頃です。で、それが落ち着いたころ、あれ? そもそもぼくは何をやりたいんだ?  昔からこういうことやっているけど……、と呆然としたのでした。

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『新しい市場のつくりかた』は、そんなときに読みました。まえがきに「本書を料理にたとえるなら、『B級グルメ』のようであればと思います。」とあって、カツ丼(好物)をかっ込むようにいただきました。おいしくて栄養があって満足して気づきました。ぼくがやりたいことは、この本にある「文化開発」というものなのでは、と。

新しい商品を売るためには、まず不便さや理想とのギャップから問題を設定し、次に問題を解消するモノを作り、それが効果を発揮する環境を整え、世間に認知させて普及させる、というフェーズからなる「文化開発」が必要。文化開発で人々の価値観やライフスタイルが変わると、それまで価値がなかったことに価値が生まれ、新しい市場ができる。また、そのとき重要なのは、その文化の家元になること、文化に属しているステータスや仲間を作ること。そういうことが、豊富な事例と幅広い学問的な裏付けと余談とで、お好み焼きみたいになっています。

「リアル桃鉄」や「エクストリーム出社」でやったこと(鉄道や通勤をゲームにして価値を作り、主催者として発信したこと)は、市場といえるものはできませんでしたが、文化開発だったんだ。で、ぼくはそういうことが好きなんだなあと、方向性が見えた気がしたのでした。

新型コロナの影響で、自粛やリモートワークなど生活環境が一変して、これまで価値のなかったものに価値が生まれ、新しい市場ができはじめている非常事態ですが、そういうときどうすればよいのか、この本がとても参考になると思って読み返しています。


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