再放送 ひとりそたぶ08 海

今では書けないボリュームのある短文。

ではご覧頂きましょう。

処女☆後悔
コント/足をあげるわよ

 蜜(魔女):……成程ね。

       人魚姫である貴女が人間の王子様に恋をしてしまって、その王子様と結婚したいが為に下半身の魚の部分を足にしたいというワケね……。

初音(人魚姫):そうなのです!!私が人間になれば王子様と結婚出来ていつまでも幸せに暮らせるのです。

 蜜:とても甘い考えね。流石身体の半分が畜生で出来ている女は言う事が違うわね。片腹痛いわ!!

初音:この魔女凄く失礼な事言ってるのです!!わざわざ来たというのに!!

   でも甘い考えとは聞き捨てがならないのです!理由を話すのです。

 蜜:貴女は人間の理というのを全く理解していないわ。

   王子様というのは王国と呼ばれる中でもとっても偉い立場に居る王様の息子で、いずれはその国を継ぐワケなの。

   そして王子様は大体生まれる前から決められた許嫁が居るの。その許嫁というのもどこかの国のお姫様だったり大臣の娘だったりとにかく高貴な人なの。

   それを貴女の様なぽっと出のそれまで半分畜生だったどこの生まれとも分からない女が足がある程度で御近づきになれるワケないでしょ!!
 
   確かに海に於ける人魚の世界では貴女もお姫様よ。でもね、人間というのは自分の知らない世界というのは理解しようともしない醜い生き物なのよ?

   そんでもって戸籍なんて無いからそういう女は風俗に落とされて死ぬまでご奉仕させられるのよ?そうまでしないと生きていけないの。

   失恋したら泡になる、失恋しなくとも泡風呂ことソープに堕とされる。そんな人生嫌でしょ?

   そうでなくとも万が一出会いがあったとしても長続きせずに独身を拗らせてしまって一人ぼっちでずーっと生きていかなきゃならないの。

   何で出会いが無いのよーーーーーっ!!!アタシだって結婚したかったわよーーーーーっ!!!うわーん!!!!!

初音:長々人間の理とやらに話してましたけど、最後は自分の不運を嘆いているだけなのです!!

   そんな事はどうだって良いのです!!!とにかく王子様に近付く為にも足が欲しいのです!!!

 蜜:ヤバいわね。何一つアタシの忠告を聞いちゃいないわねこの半畜生。片腹痛過ぎてトイレで踏ん張って夜も眠れないわ。

初音:それはちゃんとしたお医者さんに掛かる事をお勧めするのです!きっと婦人科系統の病気なのです。

   良いから早く足が欲しいのです!!許嫁とやらに王子様を取られる前に攻めまくるのです!!こうはなりたくないのです!!

 蜜:ディスりが酷いわね。本当に人魚の世界のお姫様なのかしらこの子。やっぱり半分畜生だと人間の心なんて理解出来ないのかしら。

   そうまで言うならこれでも飲みなさいな。[緑色に輝く液体を差し出す]

   但し貴女のその綺麗な声を頂く事になるけれども。てか喋らなければ多分可愛い子だから何とかなりそうね。

初音:ごしゃごしゃ言ってないで寄越すのです!![魔女から液体をひったくり、飲み干す]


   (あっ本当に声が出なくなったのです) 

 蜜:静かになったわね。直に魚の下半身から足に変わるわよ。

初音:(楽しみなのです……って身体が光るのです!!うわーーーーーっ!!)



   [下半身が魚では無く、タコの足になる]

   (発注ミスなのです!!!このクソ魔女が!!!うっかりで済むレベルじゃないのです!!!)

 蜜:あっいけない声が消える効果はタコの足だったわ。うっかりしてたわ。

   しかし自分でやっといてアレだけど滅茶苦茶キモイわね……。一応聞くけど、気に入った?

初音:(気に入るかクソボケ!!なのです!!そもそもお前が間違ってこの薬を差し出したんだろうがアホンダラ!!なのです!!!因みに私の足はタラじゃなくてアジだったのです)

   [自らのタコの足の一本を使って魔女を締め付ける]

   (早く元に戻さんとこのまま絞め殺してやるのです!!!)

 蜜:ギャーーーーーッ!!!締め付けがキツい!!!

   何言ってるかさっぱり分からないけど、絶対お気に召していないわね……。

   そしたら効果を消す解毒剤があるからこれを飲みなさい。[黄色に輝く液体を人魚姫に飲ませる]

初音:(ゴックン)

   [タコの足が元の魚の下半身に戻り、魔女が解放される]

   何しやがったのですこのクソ魔女!!!人間の王子様って言ったのに何でタコの足にしやがったのですか!!!お陰で酷い目に遭ったのです!!!

 蜜:あー痛かったわ……。ちょっと間違えただけじゃない……。アタシの方が何倍も酷い目に遭わされたわ……。

   こっちだったわ。[赤色に輝く液体を持ってくる]

   ただ人間の足になる薬なんだけど、ちょっと問題があるのよね……。それでも良いなら飲みなさいな。

初音:声が出なくなってタコの足にならなければモーマンタイなのです。

 蜜:じゃあ飲んでみて。これは成功したら報酬を頂くわ。

初音:当たり前なのです。失敗したら解毒剤もあるだろうし飲んじゃうのです!!

   あっまた身体が光ったのです!!!うわーーーーーっ!!!!!

   [人間の下半身になっている]


   やったー!!!成功なのです!!!

   これで王子様にお近付きになって、結婚して幸せに暮らせるのです!!!さあ魔法使いさん、なんなりと成功報酬をお申し付けて欲しいのです!!!

 蜜:……いえ、失敗してるわ。良く貴女のお股をご覧なさいな……。

初音:えっ!?

   [立派なペニスが生えている]

   な、何で!?これって人間の男の人の下半身なのです!!!また失敗しやがったのですこのクソ魔女が!!!!!

 蜜:本当にごめんなさいっ!!でこの人間の足になっちゃう薬、解毒剤が無いのよ……。

初音:な、何ですって!!?これだと王子様と結婚なんて出来ないのです!!!

   こうなったらお前が責任を取りやがれなのです!!!報酬ならお前の身体に私の身体で支払うのです!!!寂しくない様にしてやるから感謝するのです!!!

 蜜:い、嫌ーーーーーっ!!!やっぱり半分畜生だから全然躊躇わないわね!!!

   [しばらくして]




   立派なイチモツだったこと……///こんなの久し振りだったわ……///

(こうして魔女と人魚姫は末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし)   

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