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ひかり

誰かがやってきた
わたしの中へ入ってきた

だれだろう
そっと見にいく
苦しそうだ、ああ闇に飲まれそうだ
だけど生きる希望が灯っている

ふわりと近づき姿を表す


誰かはわたしを見た
悲しげな表情の中に宿る光がある

誰かの足元には黒い影が広がっている


わたしはその影を知っている
誰かの手を取り、陰で真っ暗な水の中へ共に身を潜らせる

息継ぎをしながら潜る深さを深める
だんだんと息が保つようになってきた

やがて大きな大きな黒い扉の前に立つ


誰かは扉を前にして立ちすくむ
重い重いその扉は人を寄せ付けぬ雰囲気を醸し出す


誰かにはわかっている
開けねばならないことを
開けるために来たのだと


誰かは意を決して開ける
繋いだ手をぎゅっと握りしめて扉の向こうへ
歩みを進める


誰かは見つけた
小さい頃の"誰か"がしきりに泣いている
顔を下に向けて泣いている


誰かはゆっくりとそっと近づく
時折不安そうな表情を浮かべながら
こちらを向く


わたしは終始微笑を浮かべて
立っている


誰かも涙しながら、小さい"誰か"と話している
小さい誰かが少しずつ顔を上げる
ゆっくりと立ち上がる


小さい誰かと誰かは手を取り合い
扉の方へ歩いていく


2人が扉からでた時に小さい誰かは
誰かの中へスッと溶け込む


・・


誰かとわたしは元いた場所へ戻っていた

潜る前にはなかった扉が遠方に見える
真っ白な扉だ


誰か歩き始める
白い扉へ向かって歩みを進める


誰かが白い扉へ歩みより
扉に手をかけ、その奥へ姿を消す
その姿を見届け、わたしはそっと姿を消した


そしてまた旅をする
誰かが主人公の世界を味わう旅へ


次はどこへ行こうか
あ、また誰か来たみたい


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