part2

母方の祖母の力でいつも離婚には至りませんでした。実際に母はいつも「私が望んで結婚したんじゃない」といつも言っていました。それを聞いていた私は「なんで離婚しないんだろ?」「こんな面倒なのに」と思っていました。子供だったのです。

でも、人間慣れというものは恐ろしく。父と母が声を荒げているのも、物を投げてくることも然程恐ろしいとは思わなくなりました。家を連れ出されたら「おばあちゃん家遊びいける〜♪」くらいにしか思わなくなりました。その反面離婚は時間の問題だろうと子供ながら覚悟していました。それが幼稚園の時です。

ですが人間の見栄とは凄いものです。

母と父は行事に参加する姿もあり、そこでは良い両親を演じていました。お弁当を作り車を出し、ビデオカメラで子供を撮る…そんな姿がありました。でも、行事が終われば車の中では言い争い、ビデオカメラの中身を見せて笑い合うなんてことはありませんでした。

でも、私にも拠り所はありました。母方の祖母や父方の祖母、祖父に会えるのはとても嬉しかったです。特に父方の祖父がいる時は母も父も大人しいのです。私は暇があれば父方の実家に行きたいと言っていました。それを母は気に入らなかったのでしょう。父方の実家から帰った時は決まって同じ言葉を私にぶつけました。

「お前はあいつの仲間か、わたしがどんな思いしてるのか知っているのか、裏切り者」



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