「いい人になりたい」


この言葉を、韓国アイドルからインタビューでよく聞く。
特にBTSのナムさんはずっと言っていた気がする。
コロナ禍の当時はよくわからなくて、「いい人」ってなんだろうと思ってた。スタジアムを埋めるアーティスト、ファンから愛され続けるアイドル、どれを差し置いて出てくる言葉が「いい人」ってなんなんだろうって。もう十分いい人なんじゃないかって。
でもアイドルの口から語られるそれは、穏やかな口調の隙間に、どこかほんの少しだけ切迫感があるようにも感じて、ずっと引っかかってた。

その次の年くらいに仕事でマネージャーをやるようになって、仕事での目標もそぞろになったころ疲れ切った頭で漠然と「いい人になりたい」と思った。
毎日脳みそ振り絞って仕事を捌いていく中で、仕事のクオリティも落ちそうになるし、チームメンバーに避ける時間も気持ちの余裕もなくて、ギリギリで。ぜんぶ雑になりそうになる中で、でもそうできなかったのは「いい人」でいたいから。
ああこれだと思った。
みんなが言ってたのは、こういうことだったのかと。

仕事柄いろいろな会社の人や外部パートナーの人とも接することが多かった。仕事のしやすい人もいればそうでない人もいる。
そして、マネジメント側になればチームに対してお手本になる行動や仕事をせねばという責任感もでてくる。

ナムさんレベルと比べるのは甚だ烏滸がましいけど、
芸能界こそ毎日違う人と接する仕事だろうし中には「なんなんだこの人」という人もいたんだろうなということ。
そしてさまざまな後輩が出てくる中やグループの中のリーダーという役割での責任感。
そういう中での気持ちが「いい人」に集約されていたんだろうなと勝手に想像する。

結局「いい人」でいる・その状態を目指していることが、仕事で関わる人、プライベートで関わる人、そしてなにより自分の精神の健やかさに繋がってるんだろうなと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?