27歳まで続く日記vol.207『「わかりにくく変なやつ」は損ばかりしている』

俺は自己肯定感が低い。一方、彼は自己肯定感が高い。彼は自分が大好きで、それでいて他人にたいして寛容的。余裕がある。その場の空気を読んで穏便に済ませて生きている。時には平気で嘘をつける。常にうまく切り抜けてきた。そうやって生きてきた。その成功体験の積み重ねが彼に絶対的な自信をつけさせた。「自分ならなんとかなる」「あ~あかんかったか~まぁしゃあないな」。失敗してもそんなに落ち込まない。楽観的。彼は器用に生きてきた。しかし彼はオールラウンダーになれてもスプリンターにはなれない。

自分の話に戻る。自己肯定感が低い理由。それは自分に自信がないから。なぜ?いくつもの要素が積み重なって自信がなくなってしまったけど、そのうち1つをあげるとするなら、本当の自分を受け入れてくれないと信じこんで常に嘘の自分を演じてしまっているからだ。俺は変だ。ただただ全てに正直すぎてうまく生きるための嘘をつくことができない。しかしそんな自分の変さに自信がこれっぽちもない。自己肯定感が低くなり、徐々に自己肯定感の低い自分を必要以上に演出するようになった。まるでなにかの被害者かのように。

人前では特にそうで、声は小さく、おどおどして、すぐに「僕は雑魚ですから」みたいな自分をおとしめるようなことを言ってしまってる。

では、なぜ自分の変さに自信がないのか。「わかりにくく変なやつ」だからだ。一発で変だとはわからないけど関わっていくうちに変だとわかるタイプ。しかも俺の変さをおもしろに結びつける人はそんなに多くない。かなり狭いツボを抑えた変さというか、むしろ一部の人間は敵に回してしまう変さだ。

「わかりにくく変なやつ」は損ばかりしている。ただただ、奇妙に思われるだけ。なんなんだこいつって。一方「わかりやすく変なやつ」は一発でキャラがわかる。だからよい。今日感じた。バイト先で明らかにキャラが乗ってる人がいた。「この人は変だな」と思った。害がない。変であっても害がなければ社会では正しいものになるんだと思った。

自分が変なやつだとまだ気づいていなかった小学生くらいの頃までが一番よかった。人の目を気にしだしてから良くないことばっかり起きている。だから反抗するように見た目にこだわらないという姿勢を貫いている。でも本当は無意識に恐怖を抱いているだけ。「人の目を気にする」恐怖感を誤魔化そうと、避けるようにしている。逃げている。

自分が変なやつだと気づいて何がダメだったのか。小さい頃は、周りと違う人間はよくハブられていた。小学校でもそういういじめがあったと思う。外見や思想などなにかおかしい人は排除されてきた。でもその時は、苦しい面もあったけど、その苦しさを上書きできるくらい人と触れあっていた。友達と毎日死ぬほど遊んでいた。そのおかげで、かろうじて心が保たれていた。しかし中学に入り、勉強をし始めた。友達と遊ぶ回数が減り、心が不安定になっていた。

そうだ、ちょうどあの時くらいだ。人が怖くなったのは。部活動を通して先輩後輩という概念を知り、人に気遣いをしなければいけなくなった。俺は気遣いが苦手だった。基準がわからないから、普通以上にかしこまっていた。そのせいで自分を抑える癖がついてしまった。

中学から高校と、年を取るにつれて連れて人は学習して賢くなる。すると「排除」はしなくなる。変なやつがいたら「避ける」という手段を取る。その方が陰湿に思えた。人間の嫌なところが見えた。完全に人間が嫌いになった。

社会を拒絶してしまった。誰とも関わらないようになって、人間がどんどん怖くなって、自分の存在が縮こまって、自信をなくして今に至るというわけかあ、とね、書きながら、ああなるほどこういうことだったのかと納得しながら進めていった。

結局、人との関わりあいって大事だったのかと気づくわけだ。おそらく自分を肯定してくれる存在が多かったからあの時の自分はまだ自分に正直なまま、ありのままの自分で生きていれたんだろうな。今日の今日まで全く気づかなかったな。

ってことは、今から俺がやることは「正直な自分のまま、多くの人と関わって、その上で自分を肯定してくれる存在を増やして、自己肯定感を高める」ということか。「本当の自分を肯定してくれる存在を増やす」ことはいつまでも嘘の自分で居続けたらできるわけないもんな。そのことにようやく気づけたよ。

でも自分の変さにも良いところと悪いところがあって、その良い面が悪い面を上回ってなかったら社会的には排除されるから気を付けよう。

他人の評価がカギを握るってわけか。ちなみに、本当に自己肯定感が高い人は他人の評価なんて全く気にしないらしい。まあとりあえず上のかぎかっこに収まってることをリハビリ感覚でやって、正常な状態に戻ったら、少しずつ他人を離れて自分で自分を肯定するように切り替えよう。なんかこの話、だいぶ前の記事で同じようなこと書いた気がするな。自分で自分を肯定できるようになれば勝ち。自分の世界だけで生き続ける。


小さい頃からお金をもらうことが好きでした