緑黄色野菜はなくなると困るもの(2022.2.01~2.28の雑記)

自分の腹は「お腹」と呼ぶのに自分の顔は「お顔」と言わない 


毎年冬になるとお腹に脂肪がついてしまう。座るとぷくりとだらしない腹が体のラインをはみ出ていくのだ。つまんでみたり、押し潰したりして腹の肉で遊んでいるうちにその肌は生まれときのままであることに気づく。それは、日頃から床につく時間が遅いせいか毛穴が目立つ自分の顔と比べてあまりにも滑らかだった。お腹が羨ましい。顔の方に感情移入している自分がいる。そういえば、顔を「お顔」とは呼んでいない。顔には自分が宿っているが、お腹はよその者という感じがする。どちらも自分の体のことなのに。 


臆病者引退! 


なるべくお金をかけずに大きな声を出したかったので朝の激安カラオケに行くことにしたが、一人だと料金が高くなることを知り、結局、家で小さく歌った。気軽に誘える友達がおらず、それが原因で日常的な活動が縮小しているのはもったいない。思いきってカラオケ友達を作ろうかと考えたが、友達の作り方もわからなくなってしまった自分にその案は一瞬で却下される。臆病者に成り下がり、行動範囲が狭まっていく。その分人の弱さを知り、同じような臆病者を優しい目で見れるようになったが、逆に自分も臆病者から優しい目で見られているとするなら、それはそれで腹が立つ。臆病者には舐められたくない。同族の中では優位に立とうとする。そんな自分のみみっちさが恥ずかしい。臆病者をやめたいぜ。 


STAP細胞の捜索届け受理ならず

ポケットモンスターダイヤモンドパールの発売から10年以上経ちチートなしでアルセウスを捕まえる方法が見つかった。ネイチャーに論文が掲載された2014年から長い年月が経とうとしている今、同じように小保方なしでSTAP細胞を発見する方法が見つかればといいと思う。まあ小保方ありでも発見されてないんですけどね。



緑黄色野菜はなくなると困るもの 

高校の頃、なくなると困るものや忘れ去られたものをメモしていた時期があった。なくなると困るものは、緑黄色野菜、セールスマンシップ、「よさこい」への揺るぎないプライドなど。忘れていたものは、セールスマンシップ、ケムッソの進化形態が2種類存在すること、石川遼などだ。「など」と書いているが、実はこれだけしかメモはなかった。メモしていた「時期」があったというより、メモしていた「ある日の午後」があったんだろうな。



ウィンドショッピングとかカタログ見るだけって何が楽しいの? 

って思ってたけど、思えば自分も小さい頃にそういうこと楽しんでいた。最近宇多田ヒカルにハマってyoutubeで色んな曲を聴いてたらおすすめ動画で宇多田ヒカル関連のものがたくさん出てくるようになった。そのうちの1つがDSのCMで、宇多田ヒカルが、画面に向かって指で丸を描いたらそれが線になって真ん中にあるDSという文字を囲むというもの。あれは多分タッチペンのイメージを視聴者に浸透させるための演出だと思う。それでそこからはゲームのデモ画面が見させられて最後に宇多田ヒカルの曲が少し流れる。その動画のコメント欄にこんなコメントがあった。「トイザらスとかの広告を見るだけでも楽しかった時代」。そのコメントを見た瞬間、閉ざされてた記憶のある領域が開けたように感じた。それ以外にもまだ思い出せていない記憶があると直感でわかった。小さい頃の記憶ががっつり抜け落ちている、そんな気がした。今までなんで思い出せなかったんだろう。そのことが不思議でしょうがない。それくらい自分にとって大切な日常の記憶だった。 


ピンポン

高校生のとき、数少ない友達の一人が卓球部に所属していた。当時の俺は卓球部というだけで彼を少しバカにしていた。彼は時々、癖で卓球の素振りをし始める。その度に僕は「ご飯よそってるの?」とおちょくってた。 


ある日「ピンポン見たことない?」と聞かれた。 


「なにそれ」 


「卓球の映画、映画というか漫画」 


部活のある日は彼と一緒に帰れなかった。帰る人は彼しかいないから、その時はたいてい一人で帰った。一生懸命卓球に打ち込んでいたことは、僕もなんとなく知っていた。 


「この星の一等賞になりたいの、俺は」 


あれが、ピンポンのセリフだと気づくのはだいぶ後のことだった。 


電車内で目に止まった人 

電車内にて。目の前に座るのはマスクで曇る冴えないメガネ。灰色のパーカーにベージュのチノパン。コードレスのイヤホンを付けスマホを食い入るように見ている。首と顎の角度は鋭角。うつ向きすぎたその姿勢は見た目に合いすぎている。スマホを奪って上に掲げれば首の傾きが鈍角へと変わる、そう思ってしまうくらいに彼は画面の虜だった。  


この人が目に止まったわけ、それは前にも見たことがあるから。正確に言えば、似たような人を何度も見てきた。典型的な服装でいかにもファッションに興味がないという風貌。各々の心の中にいるゲーム好きな男子高校生の姿をしていた。 

今日は目に止まるものが多かった。写真は池に落ちていた「立ち入り禁止」の看板。こんな真冬に誰が飛びこむ池の中。 


違和感のある近所のコンビニ店員 


メルカリでやたらめったら服が売れます。もう連鎖しているかのように立て続けに。だから最近は近所のコンビニによく商品を持って行っています。そして偶然にも、対応してくれる店員が毎回同じです。おそらく自分より年下のおっとりとした女の子で、とても落ち着いていてストレスなく育ったようなほんわかとした雰囲気があります。ただ、ひとつだけ、僕は彼女に引っ掛かるところがあります。  


配送をお願いすると、レシートくらいのサイズの伝票とそれを入れるための袋を渡されます。僕は袋に伝票を入れ、袋の裏にあるシートを剥がして粘着面を商品に貼りつけます。その後、カウンターの上をスライドさせながら剥がしたシートを前に差し出すのですが、毎回僕が指を離すと同時にその店員はシートに指をかけ、一瞬で自分の方に引きずりこみながらくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てるんです。  


「ほんわかとしている店員さんがシートを一瞬で捨てる」という、雰囲気と行動とのギャップが面白く、僕はマスクの下で毎度笑いそうになるのをこらえています。

小さい頃からお金をもらうことが好きでした