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エアコンについて その1

今回は技術的なお話しなので読みにくいかもしれませんが、空調問題を取り上げてみようと思います。

エアコン取付にまつわる問題

実は、リノベーション工事の際、部屋にエアコンが付けられないという事態がしばしば起こるんです。

どんな場合かと言うと主に2つ
1.築年数の経ったマンションの場合
2.リノベーションにより部屋数を増やす場合

エアコンが付けられない理由

何故かをご説明しますね。

一般的に、マンション・戸建に限らず住宅は、エアコン本体が室内に付き、
その近くに開いている穴(クーラースリーブ=CS)を経由して、配管が外部の室外機と繋がっています。
(他に「マルチエアコン」という手法もありますが、その話は次回。)

なのでエアコンが付けられない部屋、というのは、

①  エアコン本体近くの外部に室外機置場が無い
②  部屋が外壁に面しておらず、室外機との距離が遠い
③  壁に穴(CS)が無い
④  ①~③が複合的に絡んでいる

以上の理由、要はエアコンと室外機の配管がスムーズに繋げられない部屋、と言い換えられます。と言っても今や日本の夏にエアコンは不可欠ですよね。何とかしなければ。

エアコンの仕組み

まずはエアコンの仕組みを簡単にご説明。

エアコンから出ている配管は、一見1本に見えますが、実は2本あります。
「冷媒管」と「ドレン管」です。

「冷媒管」には冷媒(ガス状)が通っていて、これを室外機と繋ぐ事で室内が涼しくなります。
室外機と繋がっていないといけないのは「冷媒管」のみ。

もう1本の「ドレン管」は、エアコンから出た水が流れています。
普通は冷媒管と一緒にCSから外に出し、バルコニーなど外部に排水しています。

「冷媒管」と「ドレン管」

壁内隠蔽配管とは?

この内容を踏まえ、まずは①②、エアコン本体の近くに室外機が置けない場合に取る施工方法「壁内隠蔽配管」についてご説明します。
これは単に「先行配管」と言う場合もありますが、文字通り工事中、壁内に事前配管を通す方法です。

具体的には、エアコン本体と遠く離れた外部の室外機を、CSの穴を通じて「冷媒管」で繋ぎ、その後壁を塞ぎます。「ドレン管」は、壁内から床下に落とし、近くの排水菅に繋いで水を排出します。

プラン上、すぐ下に落とせない場合はドレインアップという方法を取ったりもしますが、どちらにしても水が逆流しないよう水勾配に注意します。
排水に繋いだ場合は、排水の臭いがエアコンから漏れてこないように臭気弁を付け、それが見えるように壁点検口を設置していますのでご安心下さい。

・メリット

壁内隠蔽配管のメリットは、①②のような部屋にもエアコンが設置出来る点。また、配管がエアコン背面からすぐ壁の中に入るので、配管が見えてこず室内がすっきりします。

・デメリット

デメリットは、隠蔽配管のエアコン設置には高い技術が必要なので、設置を断る業者さんがいる事。お客様の手配で家電量販店などに設置をお願いする場合は、事前に確認を取ってもらうようお願いしています。
また、配管が長くなるので、その分費用が掛かってくるのもご了承頂いています。

隠蔽配管も給排水配管と同じく、壁や床の中に隠れてしまう配管です。フルリノベの際は全て更新、部分リノベの際も出来る限りの調査は行い、不具合が起こらないよう気を付けています。

次回はエアコンの続き、③の場合の施工方法をご説明します。


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