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団体立ち上げのきっかけは「プレ・シングルマザー期」にあり【序】

私が団体を立ち上げたきっかけは、離婚を前提とした別居開始から離婚成立までの期間、いわゆる「プレ・シングルマザー期」に体験した出来事にあります。

当時の私は一日も早く新生活の基盤を整えようと、離婚調停の申立後すぐに就職活動と子どもの保育園探しを開始しました。

そんな中で予想しなかったことが「あれこれ」起きたのです。


「調停中の不安定な人に大事な仕事を任せられない」と面接で落とされる。

かつて従事していた職種で求人を見つけ、経験を買って採用してくれるのでは?と思い、早速応募しました。順調に書類審査が通り、面接へ。そこで「離婚調停があるので、2か月に1回程度お休みを頂きたい」と伝えたところ、「調停中の不安定な人に大事な仕事を任せられない」と不採用を告げられてしまいました。

「調停中」であることが「不安定な人」?!

そう捉えられたことが私には、とてもショックでした。
しかもこの求人先が福祉組織だったのです。
「新しい生活を切り開こうとしているプレ・シングルマザーこそ福祉の現場で雇ってくれればいいのに!」とも思いました。

調停委員の発言にショックを受け、突発性難聴に。

続いての出来事は、初めて離婚調停に行ったときに起こりました。
調停委員というのは「中立の立場で意見を理解してくれる存在」で、調停は「私を助けてくれる場」だと思い込んでいました。
そんな期待度100%で臨んだ私に男性調停委員が言った言葉は驚くべきものでした。

「あなたの申立書は見たけれど読んでいない。こんなにびっしりと書き込むというのは、あなたに鬱の傾向があるということ。あなたの旦那さんはとても立派な人だから、離婚なんてやめた方がいい」と言ったのです。

えーーーーーーーーーーーー!!!

辛かった婚姻中の私の状況を調停委員に理解してほしくて、申立書にたくさん書き込んだのに。
「これ以上婚姻を継続できない」と私に決意させた過去の数々の出来事を調停委員は無視をしたのか…

調停直後、私の左耳が急に聞こえなくなってしまいました。

なかなか治らず、数日経って耳鼻科に行ったところ、「心因性の突発性難聴」と診断されました。「最近ショックだったことはありませんか?」とお医者さんに聞かれ、調停での出来事を伝えました。
すると「それが原因ですね。離婚が成立すればすぐに耳は聞こえるようになりますよ」と言われたのです。
男性調停員が私の思いをばっさり切り捨てたことがショックで、私の左耳は突発性難聴になってしまっていたのです。

私は男性調停委員への怒りでわなわなしました。

二回目の調停で診断書を持参し、先生からの言葉を男性調停委員に話すと、途端に顔色が変わりました。
そして「離婚を前提で話を進めていきます」と男性調停委員は言い、女性調停委員は「あなたたちご夫婦がステキだから、別れてほしくなくて先生(←男性調停委員のこと)はあのようにおっしゃったのよ」と私に言ってきました。

この状況下で男性調停委員を擁護する女性調停委員の存在にも驚きました。調停委員2人からは私に気遣う言葉はなく、
私は彼女の言葉を素直に受け取ることができませんでした。

その後、私と同じような経験をしている人がいないかネットで探したところ、全国にいることがわかりました。

「離婚を思い留まるように」と初回の調停で調停委員から言われているプレ・シングルマザーがたくさんいたのです。むしろ、それを言うことが調停委員のデフォルトのようでした。

そして同時期に同じような離婚理由で都内で離婚調停を進めていた友人にも状況を聞いたところ、「調停委員はとても若く、DVに理解があり、とても良い形で調停が進んでいる」とのこと。
地方と都市部での調停委員の違いにも驚きました。
(その後、私は調停委員の属性や年代などを調べていくことになります。この話はまた別のところで。。。)

子どもたちが待機児童になり、一時保育に毎月3万円。

福祉組織の求人に落ちた直後、今度は未経験の仕事に応募し、面接に呼ばれました。ここでも同じように「離婚調停があるので、2か月に1回程度お休みを頂きたい」と伝えたところ、採用してもらえたのです。しかもボスは元調停委員で「あなたの調停の相談にのれるかもしれない」とまで言ってくれ、調停成立までずっと相談にのってくださいました。
(「捨てる神あれば、拾う神あり」とはこのことです!)

就職先が決まり、喜び勇んで子どもの保育園を探したのですが、空きがなく、待機児童になってしまいました。実家の親にも毎日は頼れないため、週3日だけ一時保育を利用したのですが、1か月3万円と高くて…
当時の仕事はパートからのスタートで手取り12万円。そこからの3万円はとても厳しかったです。私は実家暮らしだったからなんとかなったものの、実家を頼れないプレ・シングルマザーはどれだけ大変だろうかと思いを巡らせました。

私は離婚に直面して、様々なことを経験し、プレ・シングルマザーの大変さを身をもって知りました。

いつ離婚できるかわからない暗闇を走りながら、子どもと自分の生活軸を作っていきたいのに、社会は全然優しくありません。

プレ・シングルマザーの生きづらさを社会に訴える手段を考え始める。

「私が史上初のプレ・シングルマザーじゃないのに、どうしてこんなに社会は厳しく、インフラが整っていないの?!」

社会への強い憤りを持った私はこれからのプレ・シングルマザーのために、状況を改善したいと思いました。そのためにはまず、実態を世の中に訴えることが必要だと考えていた時、職場の壁の「ビジネスプランコンテスト募集」のポスターが目に飛び込み、私の直感が「これだ!」と囁きました。

私は「プレ・シングルマザーを助ける事業計画」を立て、ビジネスプランコンテストに応募することを思いついたのです…!

【破】へ続く







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