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Vtuberの中の人に触れるのはルール違反?

こんにちは,しぐれです.しぐれうい先生と名前が被ってしまっていますが,今回しぐれうい先生について触れることはありません.

1 Vtuberとは

今回は昨今話題を集めつつあるVtuberについて書きたいと思います.Vtuberとは2016年にキズナアイが活動を始めた際に自身を「バーチャルYoutuber」って呼んだことから生まれた言葉です.現在ではVtuberといった場合は2Dモデルを用いて作られたアバターを通して配信する人,あるいはそのアバターのことを指している場合が多いです.近年ではVtuberの数や活動の形態は多様化しています.

2 中の人とその扱い

さて,そういったVtuberですが,Vtuberの名前を検索するとこういったワードが検索候補に挙がることがあります.「〇〇〇 中の人」というワードです.「中の人」とはアバターを操作している人のことです.あまり馴染みのない人向けに簡単な例を挙げると,着ぐるみをアバターとしたときに着ぐるみをかぶっている人を「中の人」と呼ぶような感じです.

この「中の人」についての扱い方は配信者によって様々です.例えば,着ぐるみの中の人はいないかのように,「中の人」はいないというスタンスで活動されている方(企業所属のVtuberはこのスタンスの方が多いです)もいれば,元々Vtuberでない名義で活動していた人がVtuberとして活動するアバターを用意して活動する「96猫」さん(あるいは「黯希ナツメ」さん)のように「中の人」がいることを明らかにして活動されている方もいます.

前者のように「中の人」がいないスタンスで活動されているVtuberの場合「中の人」に触れるのはある種のタブーとされている場合が多いです.その理由は様々ですが,「Vtuberとして活動しているのだからその設定や世界観をわざわざ壊すのは不躾だ」「Vtuberとして活動しているのは顔や名前などの個人情報を晒したくないからであって,それゆえに中の人を暴こうとするのは良くない」といった理由を目にしたことがあります.この他にも様々な理由はあるでしょう.どの理由も「そう言われたらそうかもな」と私は納得できます.

3 中の人について触れるのってアリ?ナシ?

ここからが本題なのですが,「Vtuberの中の人について視聴者は触れるべきではないのか?」ということについていくつかの切り口から書いていきます.

前提としてVtuber自身が中の人について公言していて,なおかつ触れて良いと言っている場合は特に問題がないです.もちろん場にそぐわない発言などは中の人問題に関係なく推奨された行為ではないですが.

次にVtuber自身が中の人がいないスタンスで活動している場合を考えます.

1つ目の切り口としてマナーという観点をあげます.例えば,生身の1対1の会話で相手が隠している秘密について触れることは一般にあまりお行儀の良い行為ではないです.Vtuberでも同様に,相手が話そうとしていない事柄についてわざわざ触れる行為はマナーという観点からすると0点です.そういった意味ではVtuberの中の人に触れるのはルール違反と言えます.

2つ目の切り口として商売という観点をあげます.再び,着ぐるみの例えを持ち出します.遊園地にいる着ぐるみから明らかに人間の手が出てきて,たばこを吸っていたらどう思いますか?「着ぐるみらしくなくて良い」という反応や「着ぐるみなんだから人間の存在を見せないでくれ」という反応が考えられます.どちらの反応も遊園地に来た客の反応としては想定の範囲であり,決して咎められるものではありません.

この着ぐるみの例をVtuberに戻します.商業としてVtuberをしている人の配信でVtuberの「中の人」を連想させる行動,あるいは設定や世界観の作り込みの甘さが見られたとします.仮に視聴者をサービスを受ける客とするならば,それに対して否定的,批判的にVtuberの「中の人」について触れるのは客としては真っ当な反応の1つです.(もちろん肯定的な反応も真っ当な反応です.)

簡単にまとめると,Vtuberがサービス提供者として振る舞い,視聴者がサービスを受ける側だとするならば,「中の人」に触れる行為はルール違反とは言えないという主張です.

サービスという言葉を使いましたが,対価を払わずに配信を視聴している場合は配信ないしVtuberに望まれていない意見を言うことが視聴者の権利として常に保証されるとは思いません.何かしらの対価を払ってVtuberを見ている場合,あるいはVtuber側が客に商売をするようにサービスを提供しているという意識を持つ場合のみ視聴者は「中の人」に触れる行為は十分に真っ当な意見だと言えます.

4 まとめ

結論としては,客が商品に意見を言うのと同様に視聴者がVtuber,ないしその「中の人」について意見を言うことが真っ当である場合が存在するということです.つまり,Vtuberの中の人に触れるのは必ずしもルール違反とは言えないと考えます.

5 補足

もちろん今まで述べた話は主にサービスを提供する義務めいたものがVtuber側に発生している場合のみの話です.例えば,個人でまったりVをしている人の配信に突撃して無礼なことを言うのははっきり言うと頭がおかしいと思います.逆にメンバーシップの人がVの「中の人」について意見を言うことに目くじらを立てるのも私からすると少しおかしなことだと思います.

また,金を払えば何言ってもいいのかというと当然そんなことはなく,意見に収まる範囲のものだけで,誹謗中傷などは範囲外です.意見を言うにしてもTPOを弁えていうのは当然の話ですので,脈絡なく「中の人」について配信でコメントするのは果たして真っ当な意見の範囲か?と問われると疑問に思います.

なんで「中の人」について触れることがあまりよろしくない場合が多いかというと,言われる側が望んでいない場合が多いからです.望んでもいないことを言うのがマナーとして良いはずがありません.ただ限定的に「中の人」について触れることが真っ当である場合もあるのだよ!ということを主張したくてここまで長々と書いてきました.視聴者が「中の人」について意見を述べている際にその人のファンが不必要に反応して,「タブーだから」という適当な理由で流して論争しているのを見るたびに不満な気持ちを抱えてきました.少しでもそういった良く分からない論争がなくなってほしいと思います.

6 あとがき

そういったわけでVtuberの「中の人」について触れるのはルール違反か?ということについて書いてきました.ここまでお読みいただきありがとうございました.

私個人としては,なるべくなら穏やかな気持ちでVtuberを見たいです.ちなみに私は戌亥とこ推しです.




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