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消費行動と社会心理・構造Magazine

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生活者の価値観や心理と行動はどう変化したのか?それによってこれからの社会はどうなってゆくのか?マクロな視点で世界とニッポンの経済成長に直結する潮流を分析します。
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2019年4月の記事一覧

Amazónes“連続”購買日誌2019 1/31~3/16までの筆者の購買履歴、全17商品を掲載。

フォローしていただいてる読者は既におわかりだろうが筆者は小売業やファッション業界のコンサルタントであると同時に超絶的お買い物マニアだ。お買い物ハンターとい言っても良いくらいだ。 本稿のAmazónes購買日誌2019はその筆者のAmazon Japanでの購買を公開してきたものだが、1購入=1記事で掲載してきたので、ちょっとまだるっこしく…全容が掴みにくいところがあったと思う。 そこでGW&令和への移行を記念して(何が記念?…笑)、 2か月ほどの購買行動を一記事に収めるとい

上の質が落ちると下の質も落ちる。残念な連鎖を断ち切るには?

日本のビジネスパーソンが劣化してるというのは周知の事実のようになってるが、これ、かなり根が深い気がする。 というのはビジネス社会や組織というのは、なんだかんだ言いながら徒弟制度のようなところもあり、『上』にロールモデルが居ないと劣化の連鎖に歯止めがかからなくなるからだ。 社会人で経験する最初の会社や職場がその後の仕事人生を決めてしまうというのは良く言われる話だ。最初の会社や職場によって「仕事や社会とはこういうもの!」という刷り込みが与えられてしまい、仕事についてのスタンスや

ZOZOランキングに見る女子ファッショントレンドと背景マインド。

ファッショントレンドとそののアイテム毎のギャップを見るのは面白い。 トレンドと言っても欧州のコレクションから発信されるTopトレンドではなく、ベタなボトムアップ(市場発)の売れ筋だ。 ただ単に何が売れているかの全体感を眺めてエッセンスを嗅ぎ取るのも面白いが、それ以上に楽しいのは、品種によるトレンドと用途のギャップだ。それって、どういことか?まずは以下のZOZOランキングをご覧あれ。 ウィメンズのワンピースのランキング@20190422 ざっと見てもらうと以下の特徴が垣間

ウェザー・マーチャンダイジング。

気温とか天気・天候によって売れるものが大きく変わるということをご存じだろうか?小売業の現場(店舗)の人はこれをリアルに体験してるはずだ。 飲食とフードビジネスの場合はかなり直接的にその日の気温が影響するが、ファッション業界の場合は若干複雑だ。そのメカニズムを紐解いてみよう。 上記の引用記事では主に食品のウェザーマーチャンダイジングが書かれているが、ファッションは実はこれとはかなり異なる。簡潔にいうと、一定日数の天候変化+消費者マインドが影響するのだ。 あとはその天候変化がど

日本の『ファッション業界』建て直しの提案【その2】

危機に瀕するファッション業界の課題分析と提案。 先回(その1)は主に市場側・消費者側のマインドや潮流変化について語ったので、今回は業界側に起因する様々な没落の要因と、変えてゆくべきポイントの提案だ。 例えば以下の図のような業界のフロー。 といっても、 文章だと問題点と解決策の説明が難しいので、 今回はスライド資料を中心に据える。ポイントは以下の内容だ。 ●国内におけるファッション市場の逆風因子 ●ファッション業界のリーダーに求められる資質が変化 ●ファッション企業の組織と

ニッポンにあるある。ジャストアイディアに対する暗黙の蔑視感。

屁理屈オヤジが増えた気がする。 ネガティブオヤジも増えた。 若者はそれに翻弄されて縮こまっている。 真面目な若者が多いので、面白いアイディアやちょっとぶっ飛んだアイディアを出して、上司や同僚から袋叩きにあるのが恐ろしい。また、とっても素直なので、あたかも論理的に突っ込まれると、こんな根も葉もないアイディアはダメなんだ……と意気消沈して翼を閉じてしまう。 これって、最悪の文化でしょう。 こんな企業社会からは面白いものは何も生まれないよ。アイディアは飛躍するための翼だ。人間の脳

ラストワンマイル物流っていらないんじゃね?

これって、Eコマース使いまくってて、かつEC業界へのコンサルも仕事にしてる筆者が言うのはダメなんだろうけど、正直な思いだ。 ホントに『体が不自由な方・病気の方・移動できない方』向けならわかるんだけど、普通の人は毎日なんらか外に出てるのだ。 自宅という多極分散な場所へ個別にモノを届けるというのは、社会的に非効率なんじゃないか?と思うわけだ。 それを考えると店舗という出先倉庫へ配送して、生活者はそこに買いに行く(ピックアップしにゆく)というかつての(今も)しくみは、 運動にも

ファッショントレンドのしくみと業界構造 その1

ファッションの流行ってどうやってできるの?誰かが作ってるの?誰かが流行らせてるの? 一般のヒトはその辺のしくみがわからないらしい。ということで、長年ファッション業界で仕事をしてきた筆者が簡単に解説してみる。 以下、ファッショントレンド発生と伝搬のメカニズムだ。 ①流行色をインターカラー(国際流行色委員会:INTERNATIONAL COMMISSION FOR COLOR)が選定。これが当該シーズンの2年前。 JAFCAより転載 ➁主にパリを中心としたスタイリングオフ

【鼻の差問題】具体的過ぎるKPIが正確な判断や変革を妨げる。

「鼻の差で勝つ」…ことってよくある。 鼻の差で勝つと嬉しいけど、ちょっとクールな目で考えてみると、それってドンケツの周回遅れの二人が争ってる?なんてことないですか? もしくは、 最速のスプリントサイクルで競争すれば良いのに、三輪車で鼻先を競ってる?ってことは? で、 Businessの世界でここ十数年のトレンドになったKPI重視主義。 KGIとKPIを定義して、KPIをウォッチしてリフトアップすべし!という仕事のやり方……この「鼻の差競争」と似てないかしら? というのは、

顧客体験価値・体験型サービスって何だ?

世は体験価値流行り 商業施設も店舗もサービスも、コト型・体験型を目指すべき!~という話になっている。 なんだけど、そもそも体験型とか体験価値ってなんなんでしょう? それちょっと紐解いてみたい。 実は筆者が若い頃=1990年代の商業施設とか小売には「劇場型」という言葉が流行ったときがあった。こんな感じに使われてました。 あとももう一つのキーワードがライフスタイル型。生活提案という言葉も良く使われていたな。 「生活提案力のない企業・事業会社はNG!一億総生活プロデューサーを目