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消費行動と社会心理・構造Magazine

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生活者の価値観や心理と行動はどう変化したのか?それによってこれからの社会はどうなってゆくのか?マクロな視点で世界とニッポンの経済成長に直結する潮流を分析します。
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2019年1月の記事一覧

フラット化し過ぎた世界はちょっと困る。

縦社会・階層社会・階級社会からフラット化した社会へ……。 これって、普通に考えると、良い事のように感じられると思う。 上下関係や主従関係がなくなり、みんな平等にフェアに横一線で議論できる。民主主義が目指していたのは正にこれだ……。 でも、現状の社会…特に日本の社会で起こっていることは、想定していたのと何か違う気がしてる。その辺を紐解いてみたい。 端的に結論から言うと、今日本で起こっていることを図式化してみたのが以下の図だ。 左がインターネット浸透前の社会構造、右が今現在の

マス時代と超多様化時代……どっちが良かったんだろ?

たぶん数十年前の、マスの消費と価値観の伝わり方を経験した僕の世代。 まさに現代のような多様化してヒエラルキーが存在しない世界を望んでたはずなのだが、ちょっと息苦しさを覚えている。 マスの時代は一つのトレンドをみんなが追いかけ、みんなの憧れの生活が同一だった時代。憧れのブランドがあり、憧れのヒトが居て、同じミュージシャンやアーチストについて語り、一つの映画に熱狂した。もちろん趣味や志向、サブカルチャーによるセグメンテーションはあったけど、同じ志向を持った人同士が対面で議論でき

「ダッせぇ」と言えるニッポン

僕の世代=Hanako世代とも新人類世代とも言われる、はバブルの直前から就職してた世代で、デザイナーズブランドやイタリアンブランドブームを経験して、『感性』命、消費の権化…そんな世代だった。ブランド記号に心酔して、所有ブランドで自分を語っていた世代でもある。 今にしてみるとあの時代を『アホらしい』と思う部分もあり、実際当時の自分はファッション業界に居ながらも、そのブランド志向に対して超懐疑的だった。 あと、ヒトに初めて会った場合、その外見で値踏みするというのも特徴。 僕はフ

ヒトって別に「便利」を消費してる訳じゃない。

IT、デジタル、イノベーション……高速に技術が進化して、組織も仕事も変化してきて、落合陽一さんの言う「魔法の世紀」がやってきた。それは間違ってないけど、そもそも今僕たちが生きてる資本主義社会で、ヒトは何を求めて生きてきたんだっけ? 昔良くあった議論。 食べるために生きるのか、生きるために食べるのか? もし後者だとすると、じゃ、何のために生きてるの?って話だけど、 この哲学的な問いかけだと話が終わらなくなるので、とりあえず 消費と生産(創造?) と定義してみる。 で、近頃どう