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労働者が供給できなくなる社会

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

いま、noteさんの #創作大賞2024 #ビジネス部門 という企画に参加しています。『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』というタイトルの本を作るイメージで毎日お話しています。1本目、目次はこちらです。

昨日は、「少子化対策で人口は増えるのか?」というお話をしました。

今日は、「労働者が供給できなくなる社会」というお話をしていきます。

音声はこちらです。

人口が減り続ける事実

これまでお話ししてきたように、日本はいま、少子高齢化が進んでいて、1年でひとつの県がなくなるぐらいの勢いで、人口減少がかなりのハイペースで進んでいます。

くわえて、少子化対策をすれば人口が増えるのか? という問いに対しても「増えない」という事実です。出生率がすごく低いために、人口を維持できるの数には到底及ばないのが現状です。

仮に増えたとしても、いま生まれた子が働けるようになるまでには、15年~20年かかります。少なからず、その間は「人口は減少し続ける」という事実があります。

人口が減ると、労働者を供給できなくなる

このように、人口が減り、子どもたち減り、少子高齢化が進むとどうなるのでしょうか。単純に、働く人が少なくなりますよね。

働く人の人口を「労働力人口」と言いますが、働く人が減っていきます。すると、当然ながら、必要なところに必要な人を供給できなくなります。

このことについて、リクルートワークス研究所さんが2023年3月、『未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる』というレポートを出されています。

労働供給制約社会について、レポートの一部を引用させていただきます。つぎのように述べられています。

単なる人手不足論ではない。後継者不足や技能承継難、デジタル人材の不足などといった産業・企業視点からの問題ではなく、「生活を維持するために必要な労働力を日本社会は供給できなくなるのではないか」という問題意識である。この問題を加速させる、構造的要因がある。少子化と高齢化だ。

~中略~

社会において高齢人口の割合が高まるということは、必要な労働力の需要と供給のバランスが崩れ、慢性的な労働供給不足に直面するということだ。これを『労働供給制約社会』と呼ぶ。

労働供給制約社会において最も懸念されるのは、「生活維持サービス」である。物流や建設・土木、介護・福祉、接客などの職種は既に需給ギャップが顕在化しており、著しい人手不足に陥っている。これは「大変だなあ」ではすまない問題でもある。

出典:未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる | リクルートワークス研究所

こうした状況が「起きつつある」というより、「すでに起こっている」という言い方の方が正しいと思います。

「ゆでガエル」にならないうちに

ただ、現実問題として、いますぐに、わたしたちが生活を維持するために必要なサービスが供給されなくなっているか……というと、まだ、それほどリアリティはありません。実際、amazonで検索して、"ポチっ"と購入ボタンを押せば、翌日には欲しいものは手元に届きます。

また、人手不足とは言いながらも、なんとかなっている……というのが、現段階だと思います。

ですが、現段階の状況がずっと続いていくと、ゆでガエルの話のように、ふと、気づいた時に「あれ? これ、本当はやばいんじゃないか?」と。気付いた時には手遅れになっちゃうんじゃないかな? という気もします。

ですので、いま、気づき始めている人や企業が、何かしらのことをやり始めた方がいいんじゃないかなと思っています。

労働供給制約社会にむけた「4つの解決策」

ちなみに、この問題を解決するために、先ほどお話ししたリクルートワークス研究所の『未来予測2040』では、次のような提案をしています。4つの解決策として……

  1. 徹底的な機械化・自動化

  2. ワーキッシュアクト(何か社会に対して提供しているかもしれない、本業の仕事以外の活動)という選択肢

  3. シニアの小さな活動

  4. 待ったなしのムダ改革

このレポートを読んで、4つの解決策を知ったとき、僕が「つまり、こういうことだな」と思ったことは、DX(デジタルを使った変革)と、複業です。

  • DXは、徹底的な機械化・自動化と、待ったなしのムダ改革

  • 複業は、ワーキッシュアクトの選択肢と、シニアの小さな活動

労働供給制約社会の中では、この2つが解決策になっていくんだろうなぁと思いました。

僕は、この少子高齢化社会、少子化対策では人口が増えないというこの状況の中で、問題意識というか、当事者意識を持っているタイプです。なぜ僕が、この問題に当事者意識を強く感じているか……と言うと、地方に住んでいるからです。

明日は「課題先進地、地方」という話をしたいと思います。

次の記事:「課題先進地、地方」―僕がこれほど強い危機感を抱く理由

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