見出し画像

#325 Will Can Mustで、過度に不安がらずにキャリアを重ねていく

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織づくり、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに組織作りやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点で、ゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった。あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


見えない未来。キャリアをどう重ねるか

昨日はですね。先の見えにくい状況の中で「キャリアをどう重ねていくか?」という話をしてみました。

先の見えにくい状況の中での歩み方には、大きく分けると2つあって。

1つは、「山登り」のような、理想を掲げて未来を描き、そこに向かっていくスタイル。もう1つは「川下り」のように、その時々の流れに身を任せて、そこで必要なものや見えてきたものに対して対応していくスタイル。

今日は、どちらかというと川下りのお話になるかもしれませんが、先の見えにくい状況の中で、過度に不安がらずに、どうやってキャリアを重ねていくか。「未来」に向かって……というよりも、「いま」を歩んでいくか? という話をしてみようと思います。

先の見えにくい状況の歩き方をWill、Can、Mustで考えてみる

みなさんは、「Will、Can、Must」という言葉を聞いたことがありますか? Willは「やりたいこと」、Canは「できること」、Mustは「やるべきこと」ですね。

この3つの重なりやバランスを考えるのは、自己分析などで使われるケースが多いんじゃないかなと思います。

この「Will、Can、Must」。僕は、先の見えにくい社会の歩み方の「考え方の1つ」として、便利なツールなんじゃないかと思っています。

サイボウズの「モチベーション創造メソッド」

少し話はずれますが、サイボウズのさまざまな組織づくり、人材育成におけるメソッドの中で、「モチベーション創造メソット」というのがあります。これは、Willである「やりたいこと」、Canの「できること」、Mustの「やるべきこと」の3つに対して、どのようにキャリアを重ねていくか? という考え方です。

くわしくは、この記事『モチベーション創造メソッドとは?──「やる気」のセルフコントロール』を読んでみてください。

経験が浅いうちは特にそうだと思うんですけど、できることって、それほど多くないじゃないですか。だから、スキルを身につけて、「できること」を増やしていくのは、大事なことだと思うんですよね。

そして、「やるべきこと」とは、「誰かが必要としていること」ですが、自分が「できること」で、誰かの「やるべきこと」をすると、その対価としてお金が得られます。

お金とは、誰かの「ありがとう」という言葉の対価です。「ありがとう」を金銭的な価値に置き換えたものがお金です。

そして、自分の「できること」で、誰かの「やるべきこと」を重ねていくと、たくさんの「ありがとう」が得られる。「ありがとう」が得られると嬉しくなるから、やる気が出てきて「これ、もうちょっとかんばってみよう」と思ったり。

また、「やるべきこと」をやっている時は、必ずしも、自分の「やりたいこと」ではないかもしれませんが、経験値を重ねていくことによって、「これって、得意かも」とか、「好きかも」と思うようになる。その結果、少しずつ「やりたいこと」が見えてくる……。

このように、「できること」で、誰かの「やるべきこと」を重ねていくことで、次第に「やりたいこと」が見えてくる。このようなプロセスを経て、Will、Can、Mustの3つの重なりが増えると、ハッピーになってくる……というのが、サイボウズのモチベーション創造メソッドです。

以前、自分のWill、Can、Mustを年代別に分析してみた

僕、ITmediaというウェブメディアで、「仕事が『つまんない』ままでいいの?」という連載を書いています。この中で『35歳からのキャリア――中堅世代こそ「Will、Can、Must」を考えよう』という記事を書いたんですけど、僕の、年齢別のWill、Can、Mustについて、図に書いて分析してみたことがあります。

そのときに、思ったのは「年齢によって、Will、Can、Mustの重なりや大きさって変化するんだな」ということでした。

若いうちは、結構スキル(つまり、できること)に自信がありました。当時は、「できることをいかに増やすか」ということが重要だと思っていましたが、人から「ありがとう」といわれること(つまり、やるべきこと)をやっていると、お客さんから喜ば喜ばれたり、あとは同僚から喜ばれたりして。

そして、Will、Can、Mustの3つのバランスが、ある程度良くなってきたのが、おそらく30代前半です。

いまは、できることが増えてきたことによって、「本当は、こういう風な社会になった方がいいな」とか、「本当は、こうあるべきだな」といった課題感が見えてきました。その結果、「やりたいこと」が増えました。

新たな「やりたいこと」を実現するためには「できること」が必要

ただ、「やりたいこと」を実現するためには、不足しているスキルがたくさんあります。また、周囲から期待されることも増えてきているのが、現時点です。

未来が見えにくい中で「やみくもに悩む」よりも、「いま、できること増やしているよな」、「いま、誰かの困りごとを解決しようとしているよな」のように、Will、Can、Mustの大きさや、「自分は、いま、どこを増やそうとしているのか?」というフェーズを意識してみる。

そして、不足している点を、まずは重点的にやってみる……ということが、案外重要かもしれなくて。

まずは、「できること」を増やして、自分が「できること」で、誰かの「やるべきこと」をやっていると、次第に「やりたいこと」とか、世の中の課題感とか、いままで知らなかったことが見えてきたりすると、それに対して「やりたい」「やってみたい」「やらなきゃ」みたいな気持ちが芽生えてくる。

それが、未来に対する、次の動機につながります。

まずは「できること」で、誰かの「やるべきこと」を、ちょっとずつ、ちょっとずつ増やしながら、見えてきた「やりたいこと」に対して、ちょっと前に進んでみる……なんだか、その繰り返しでいいんじゃないか。そうすることによって、過度に何か悩まなくてもよくなるんじゃないか、そんなふうに思ったので、今日はWill、Can、Mustについて話してみました。

じゃあ、今日の話はこれで終わりにします。じゃあね、バイバ~イ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?