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これだけ覚えてトラブル防止!【 表面加工編 】

こんにちは 福富です。

皆さんは表面加工をご存知でしょうか?

印刷しただけの紙箱を表面加工せずにそのまま使ってしまうと
紙箱に傷やスレが付いたりして思わぬトラブルにつながってしまう場合があります。

そうならないために必要なのが表面加工の知識

今回は、ざっくりと表面加工について解説して行こうと思います。

詳しく書くとすごく奥が深いので、最低限コレだけおさえておけばOKという重要なポイントだけをかいつまんで短くお伝えします。印刷トラブルを防ぐために是非参考にしてみてください

それでは参りましょう!


表面加工とは?

表面加工は、印刷物の表面にニスを塗ったり、フィルムを貼ったりして、
印刷面の強度を上げたり、美しく見せたりする加工です。

紙箱は、ただ印刷しただけだと、擦れに弱いので、印刷インキが服に付いてしまったり、輸送時にこすれて目立つ傷がついてしまう場合があります。
表面加工をすることで印刷面を保護して紙箱の耐久性を上げることができます。

また、表面の光沢感を出したり、逆に光沢感を抑えたりする加工もあります。デザインの目的に応じた風合いにすることで紙箱の付加価値を上げることもできます。

 
表面加工の種類

表面加工は大きく分けて次の2種類があります。

印刷と同時におこなう加工

写真で見るとこんな感じ。

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印刷と同時にできる加工には「OPニス」と「マットニス」があります。
納期が早くコストも抑えられますので、最低限このどちらかの加工は行いましょう。
どちらも耐摩擦性能が少し上がります。
OPニスは表面に少し光沢感が出て、
マットニスは少し光沢感がなくなりマットな印象になります。



 次に
印刷した後に別ラインで行う加工

写真で見るとこんな感じ。

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印刷のインキが乾いてから改めて別の機械にかけて加工します。
そのため納期がかかりコストも割高になってしまいますが、印刷と同時におこなう加工に比べて加工できる種類が豊富です。
主だった表面加工はこの5種類を覚えておいてください。



グロスコート

 耐摩擦性能がOPニスよりも優れていて、表面には少し光沢が出ます。

マットビニール

 表面が非常にマットに沈みます。摩擦性能は低めです。

プレスコート

 表面に強い光沢感が出てピカピカになります。摩擦性能も高めです。

PP貼り

 印刷物の表面にPPフィルムを貼ります。
 摩擦性能は非常に高く、強い光沢感が出ます。

マットPP

 印刷物の表面にマットなフィルムを貼ります。
 摩擦性能は非常に高く、高級なマット感がでます。

他にも種類がありますが、ご紹介したこの7種類の加工はパッと見ただけでも違いがわかる特徴的な加工だと思いますので、とりあえずこの7種類を覚えておくと便利だと思います。
 

表面加工の選び方のポイント

さて、表面加工を選ぶ際ですが絶対に考慮しないといけないポイントがあります。それは、
・風合い
・強度
・コスト
…の3つです。

【風合い】

風合いの変化はデザインに最も影響を与えるものですよね。

ツヤツヤに光らせたいか、
ツヤを消してマットに沈ませたいか、
高級感を出したいか、といった、
デザインの目的に応じて最適な視覚効果を与える表面加工を選んでください。

どの表面加工がどんな風合いをもたせてくれるかは弊社オリジナルの表面加工見本帳がありますので、ぜひ大洋印刷のお問い合わせフォームからお申し込みいただきお手元に1冊保管しておいてくださいね。

【強度】

福富は、この「強度」が表面加工を選ぶ上で、一番大切だと思っています。
せっかくキレイにできたパッケージなのに、店頭に輸送しただけで表面に傷がついてしまったら悲しいですよね。
輸送するパッケージについては表面加工は必ず行ってください。
摩擦性能は福富の経験で言うと、次の順番で強いものになります。

(強度中くらいなのが)
OPニス・マットニス・マットビニール

(やや強いのが)
グロスコート・プレスコート

(強いのが)
PP貼り・マットPP

マットPPは表面は強いのですが、スレ傷が目立ちやすいという特徴がありますのでその点は注意してくださいね。

そして、あわせて覚えておいていただきたい重要ポイントがあります。
それは、表面の傷やスレが目立つ「色」があるということです。

その色は、「黒色系」と「紺色系」。

この系統の色は、ちょっとした傷やスレでも目立ちやすい色で、特に「紺色」は傷がすごく目立つので注意が必要です。
紺色のベタ印刷をするときにはなるべく強度のある表面加工を選ぶことが大切だと思います。


【コスト】

強い加工になればなるほどコストが上がります。
特にPP貼りやマットPP貼りは、高級感があり強度も最強クラスですが、コストは他の加工に比べて随分上がってしまいます。

用途を満たす風合いと強度で、もっともコスパのいい加工を選ぶことが重要です。

「強度が心配だから」と何にでもPP貼り加工ができれば最高なのですが
コスト的に、なかなかそうもいかないのが現実です。

そういったときには
例えば次のような工夫で乗り切ることもあります。

・グロスコートに梨地エンボスなどをあわせて施す方法。
・エンボス加工を組み合わせることで、擦れたときでもスレが目立ちにくくなります。

・輸送用の段ボールをキツめに設計して輸送時に微振動が起きにくくする方法。

・インキの乾燥期間を十分とるようにすること。 などなど。

表面加工の特性を知って、あなたのパッケージに最適な加工を選んで適正なコストで加工してくださいね。
 

実際に表面加工を見てみよう

先程もお伝えしましたが、ここでご紹介した7種類の表面加工を実際に行った大洋印刷「オリジナル見本帳」を数量限定でお配りしています。
ぜひ大洋印刷の「お問い合わせフォーム」からお取り寄せください。
気合を入れてつくった、まるで辞書のようなボリュームたっぷりの一冊です。
きっとお役に立てるかと思います。

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いかがでしたか? 「擦れ(スレ)」の話をしたらムズムズしてきました。
パッケージとスレのトラブルは本当に多い問題です。 いつかまた詳しくご説明しますね。


このブログでは、印刷営業歴20年の福富がデザイナーのあなたや企画制作ご担当者のあなたと、私達印刷会社がスムーズにコミュニケーションできてあなたの作りたいパッケージが素晴らしいものになるように、ちょっと役立つ情報をお届けしております。


 
それではまたお会いしましょう!

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