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塗ることで感性と腕を磨く。家具塗装はまるでメークアップ

江戸時代から近年まで、材木のまちとして知られてきた江東区深川。

この地、深川で江戸指物師の佐藤助作に弟子入りした西崎兼吉が、1923(大正12)年に独立創業したのがニシザキ工芸です。

その後、時代の変化に呼応して、住宅向けの特注家具製造を開始。

さまざまな作品づくりに携わる中で、建築関係のお客様から塗装技術に高く評価されるようになり、1990年に木製家具塗装専門の工場を設立しました。

現在では、企画から施工までの一貫生産体制を強みに、空間に合わせた造作家具からオーダーキッチン、家具塗装、アンティークや文化財の修復までを手がけています。

美しい木目をもった天然の木も、塗装しなければ家具として使えません。

木材塗装で木の表情は大きく変わり、ナチュラルな空間の雰囲気を演出できるかどうかは、家具塗装にかかっています。

家具塗装職人は、貴重な木材や素材を装う"メークアップアーティスト"のような存在。

木材の表情や特性を読み解き、いかに薄化粧でナチュラルな表情をひきだせるか。そのための塗装方法を編み出し、鍛えぬかれた手技によってお化粧をほどこします。

美術系大学やインテリアショップの出身者が多いのも、家具塗装職人の特徴です。自分のセンスや知識、経験を活かしながら、モノづくりを喜びとしている仲間です。

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工場では女性も活躍しています。ある女性スタッフからはこんなお話も。

「私はインテリアショップから12年ほど前に転職しました。専門学校でインテリアデザインを学んだこともあり、家具づくりの現場で自分の感性を表現してみたかったのです。工場で若手社員が多く活躍する姿を見て、私もここでがんばってみたいと思いました。

本番の塗装をする前に、必ずサンプルを作り確認します。しかし本番の大きな家具となると、思うように色が乗らない、質感が出ないこともあります。木は自然のものなので個体差が大きいうえに季節にも影響され、その都度、染まり具合や乾き具合は異なります。

だから、木とじっくり向き合うことが大切。仲間たちに支えられ経験を積み、コツをつかめるようになってからは、家具塗装がどんどん楽しくなっていきました。ひとつとして同じ作品がなく、毎回新鮮な気持ちを味わいながら腕を磨けるのも特注家具の魅力です」

ハイクオリティな家具塗装の現場を体験したい。そんなあなたにこの旅を。



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