70歳から二拠点居住を始めたベテラン編集者。南房総で"ワーケーション"の日々
千葉県南房総にある鋸南町は海と里山に囲まれた静かな街。この旅のホスト、塚田一未さんはここに4年前からテレワーク(出版編集)しながら東京と半月ずつ暮らしています。
東京の出版社に勤めつつも、月の半分を鋸南町で過ごす「二拠点居住者」です。
ご縁があって暮らし始めた町で、人と出会い、地域のことを知っていく中で、地域の魅力を発信するフリーペーパー「野水仙つうしん」を発刊して全戸配布しています。
また、鋸南町は過疎化で人口が減り続けているため有志で町おこしをして、転職転居者のための案内をしています。
「地域のことが知れる情報があったらいいなと思っていたけれど、なかった。だから自分でつくったんだよ」と笑いながら話す塚田さん。
70歳から新しいことをはじめてしまう。お話を聞いているだけで、そのバイタリティが伝わってくるようです。
そもそも鋸南町で暮らすようになったきっかけはなんだったのでしょう?
「出版した本の在庫を置く倉庫が千葉県木更津市にあったんです。それが使えなくなってしまって、新しい場所を探してた。それでたまたま見つけた倉庫が鋸南町にあって。小さな住まいもついていて、それなら暮らしてみようかなって」
ネットでできる仕事も増えつつあったこともあり、すぐに月の半分を鋸南町で暮らすようになります。
新しい土地で新しい暮らしをはじめる場合、自ら積極的に動くことが必要と塚田さん。
「倉庫を借りた時に『地域の草刈と祭りにはでてください』って言われたんだ。よそ者が地域に馴染んでいくのって大変だけど、こういう地域の行事からつながっていくご縁は多いよね」
自ら動くことで、出会いを広げていく。そして、お金をかけずに新しいことを始める。それが、地方で暮らすことのコツだと言います。
「新型コロナウイルスで仕事、生活が大きく変わりました。その中で引き続きテレワークでの仕事をする人が増え、今後もこうしたスタイルが増えると予想されます」(塚田さん)
ワーケーションなどの試みも盛んになる中、塚田さんの鋸南町でのワークスタイルには、これからの働き方のヒントも盛りだくさん。
転居、転職を考えている人や2拠点生活の実際を知りたい人、取材、編集、デザインなど50年の経験の話を聞いてみたい人にオススメの仕事旅行です。
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