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64歳の就活ノート4 シニア就活準備

55歳から64歳までは「勉強」期間――東京セカンドキャリア塾

前回は東京都が進めている65歳以上のシニアを対象にした就業促進の取り組み「東京キャリア・トライアル65」について書きましたが、今回はそれよりも「若い」シニアに関する取り組み「東京セカンドキャリア塾」について書きます。
「55歳から64歳をシニア就業の準備期間ととらえるのはどうかな、どっぷりシニア世代でしょうに、特に60歳過ぎは…」という突っ込みはともかく、「準備期間」としての支援です。ですから、直接の仕事紹介などはありません。
 概要は準備期間として「心構え」をするための各種講義とシニア就業の実態を見学する実学の二部構成です。

各種講義については、実際にクラスに出席して講義を受ける「通学タイプ」とオンラインで同じような講義を受ける「通信講座タイプ」があるので、自分の都合に合わせて事前にどちらか一方に申し込みます。ある講座は教室で受けたいけど、ある時はオンラインでという混ぜこぜはできません。それぞれ受講者の募集期間も分かれていますしね。

ちょうど今、通信講座タイプは第3期の募集をかけているので、リンクを貼っておきますね。オンライン講座(55歳-64歳のプレシニア対象) - 東京セカンドキャリア塾 (tokyo.lg.jp)。受講は無料ですが、東京都の税金を使う以上は修了できなかった場合に何かあるのかなあ。その辺はリンク先には書いていなかったので電話で問い合わせたほうがいいかも、です。時として受講は抽選で選ばれるようなので、申し込み=受講保証というわけでもなさそうです。

さて、通学タイプは週に一度夜7:00-9:00に1コマを2か月間受講する「平日夜間コース」と、土曜日の10:00~15:00に2コマを1か月間受講する「土曜日コース」があります。

 実施時期は10月、12月、翌年2月と1年に3回。その2か月前ぐらいから受講生の募集が始まります。申し込みのプロセスは後述するとして、まず内容についてお伝えします。もちろん専用のホームページもありますから、気になる方はこちらも参照してくださいね。

 各種講座は必修講座と選択講座があって、概要は以下の表のとおりです。写真が下手で見にくいかもしれません。表組でタイプしてみたのですが、ワードの表組をインポートしても表が崩れてしまったので写真にしました。

必修ともいうべき基本コース(各コース2時間)

講座を見るとどんなシニアにも対応できるようアレコレ盛沢山ですね。64歳ですでに就活をスタートしている私には「自分を知る」のテーマは必要ありません。当然働く気で就活しているわけですから。

また、どこかに雇用されて働きたいので、「幅を広げる」テーマの「雇用されない働き方」っていうのも要りません。

最後の「やってみる」でキャリアデザインマップを使って行動計画作りもハテナです。世間が60歳以上を雇う気がなければ、こちらが一方的にデザインマップを作ったって画に描いた餅になりそう。もちろん55歳ぐらいの人が4-5年かけて超特殊で企業から引く手あまたの資格試験にパスするとかなら、議論する余地がありそうです。でも64歳の私には「うーむ」という感じです。

「定年後のリアル」など他のテーマも新聞などをよく読んで情報収集していれば事足りるかな。

 いろいろな人に対応できるように内容が一般的かつ幅広くカバーするのは仕方ないことかもしれませんね。アデコとしても「これだけのことをやります!」とプレゼンして東京都からこの事業を受注するんだろうし。でも、個人的には上の表で受講したいと思うものはありません。でも必修だから出席が求められるんですよね。修了するためには全8講座のうち6講座以上の履修が求められています。

もちろん「定年後も働きたいけど、どんな感じかな」という思いや悩みを持った年齢の近い人同士が集まって情報交換できる場があるのはいいことだと思いますし、ある種の「学び」があるとも思います。仕事もバックグラウンドも違う同年代の人たちの生の声が聞けたりもするでしょうし、視野が広がる部分はあるでしょう。似たような悩みが共有できて安心する部分もあると思います。ただ、55歳と60歳過ぎでは労働市場における需要がかなり違うので、「就職」に特化した場合に真の意味での悩みのシェアになるのかなあ…。

 さて、受講が任意の「選択講座」の概要は以下のものです。わたし的にはこちらの講座のほうが興味の持てるものが多かったです。こちらは現役受講生で定員に満たなかった場合は、修了生を含む誰でも参加可能な講座とのことです。

受講は任意の選択講座。現受講生優先でも、空きがあれば修了生やその他の人も申し込めるとか。

 選択講座のテーマそのものは必須講座のカテゴリーの後半「幅を広げる」「やってみる」と重なりますが、扱う具体的な内容が違っています。

 個人的には資産運用や相続についての講義がうけてみたいと思いました。おそらく講義そのものは多少の具体的事例をまじえた一般論でしょうが、クラスメートの事例を聞いたり講師に具体的な質問ができるのがいいと思います。

以上がいわゆる講座で、1クラス2時間の間ずっとレクチャーが続くというのではなく、クラスメートとの討論や体験談発表、グループワークなどを通じて自身の気づきなどを引き出すような活動もあるようです。また、概要はほぼ同じでも具体的な講義内容は受講する学期によって変化する可能性もあります。

一番興味があるのは、「職場見学」です。上にも書きましたが、シニアが退職後に働いている企業を訪問するもので、1グループ2-3人で訪れて実際にシニアの働いている様子を見学します。半日程度見学して、実際に働いているシニアやその企業の担当者との質疑応答などの時間も設けられているようです。

 これはシニア採用に積極的な企業とのパイプもできるアクティビティなので、自分の就活への役立ち度が大きいと思います。ただ、見学先を受講生が選ぶことはできず、アデコのほうでマッチングを行うそうです。

全コース期間中に2回の見学会が設定されていて、うち1回は参加必須です。2回目の参加は任意とのこと。平日の見学会なので、まだ勤務中の人は有給などを取って参加するようになります。

他に受講期間中にキャリアカウンセリングの時間があるそうです。私はこれも過去の経験から期待はしていません。

以下は申し込みプロセスです。

前述したとおり全部で年に3回募集があります。各回の定員は60人(平日コースと土曜日コース各30人づつ)。

応募したい人は受講時期の2か月ぐらい前に実施される「説明会」に出席しなければなりません。平日の夜に1時間程度行われます。その場で申込書とアンケートを記入・提出し、後日の面談予約を別途ウェブサイトからします。

翌日ウェブ経由で送った面談希望日時について、先方から返事がきます。その面談予約日時にアデコの会議室で面談します(講座への参加の本気度を測る感じです)。

そして合否が分かるのは講座が実際に開講される日の1か月半ぐらい前です。たとえば第3期の開講時期が2月4日とすれば、合否判定は1月11日には分かるという感じです。

以上の流れをまとめると、
説明会出席(申込書提出)→面談日時予約→面談→合否判定発表→受講開始
となり、2か月ぐらいかけての応募プロセスになります。

 説明会の内容はホームページに掲載してもらえれば分かる内容ですが、あえて出席を要求するのは「本気度」をはかるためだと思います。無料で受講できるし、税金を投入した事業を無駄にしたくないということでしょうね。

税金投入といえば、東京都で実施している「雇用創出・安定化支援」について次回は書きたいと思います。本気で都内の企業に就職したい人向け事業ですが、シニアに特化はしていません。人材派遣業のパソナが東京都から受託している事業です。一刻も早く自分で調べたい方はこちらをクリックしてください。募集期間は今年(2022年)の3月31日までです。

では、次回もお楽しみに。


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