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アウフグースを体験して考えたこと

アウフグースを知っているだろうか?

これはサウナの中にある、熱した石の上にアロマ水をかけて蒸気を発生させ、更に人力で熱風を起こしてそれを楽しむというもの。
(ちなみにロウリュは、熱した石にアロマ水をかけることを指す)

サウナが苦手な人にとっては、何がいいのかさっぱりわからないかと思うが、これがなかなか非日常感があって良い。アロマの香りなんて、普段めったに嗅がないし。

今回はアウフグースの良さを語るのではなく、それを人力で行っているアルバイト君たちに

「チップを払えるようなシステムに変えたらいいのでは?」

と考えた話だ。

アウフグースを行っているのは、基本的に20前後の若い男の子たちだ。体力があり、サウナの暑さにも耐える必要があるから、必然的にそうなる。

ただじっとしているだけで汗が吹き出してくるような状況で、バスタオルを使ってひとりひとりに風を送るのだ。間違いなく、めちゃくちゃキツイ。

実は以前、僕は都内のとある温浴施設で働いていたことがある。僕は深夜での勤務だったためやることはなかったが、そこもアウフグースを実施している施設だった。

研修のときに先輩アルバイトのアウフグースを見学したことがある。そのときのスケジュールは、こんな感じだった。

アウフグース実施→他のスタッフと一緒にバスマット交換→30分休憩(シャワー含む)→勤務復帰

休憩がもらえるとはいえ、かなりの体力を消耗するらしく、その先輩はアウフグースが終わったあとはぐったりしていた。急遽スタッフの休みが出て、1日の勤務で2回やらなければいけないときは、本当にキツかったと語っていた。

まぁそんな過酷な労働のため、基本的にスタッフには嫌がられる仕事だった。大変で疲れるし、やったからと言って時給が上がるわけでもない。(店側も人件費を考えると、なかなか厳しい)

なので、お客からも任意でチップを支払うようにできるようなシステムがあると良いのでは?と思う。

自分の創意工夫でお客さんが喜んでくれ、なおかつそれが収入につながるのであれば、前向きに取り組んでくれるスタッフも増えるのではないか?

実際、上半身裸で大汗をかきながら、一生懸命風を起こしている大学生くらいの若い男の子に、500円くらいなら全然支払ってもいいと思った。(安いな笑)

特別話が上手なワケではないけれど、大変な環境のなかで自分たちのために風を起こしてくれる、マジメな彼に何かしらの対価があってもいいのではないか。

やっている本人にとっても、収入だけでなく、自分の才能や能力が世間にどう評価されるのか、考えるきっかけにもなるのも見逃せないメリットだ。

日本にはチップの文化はないけれど、頑張っている人は応援したくなるし、時間あたりの生産性も上がる。ぜひとも、温浴施設の運営者には考えてほしいと切に願う。




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