見出し画像

自衛隊を違憲と主張される方にお伺いしたいこと。

(この文章は2024年6月5日の私のツイートを再編集したものです。このツイートをするきっかけとなった全ての方に感謝致します)

「自衛隊は違憲である、だから憲法の改正が必要である」と主張される方がいらっしゃいます。私は自衛隊を違憲とは思っていません。この「自衛隊は違憲か合憲か」については、最高裁判所での判断がなされていない以上、どこまで言っても双方の主張は平行線だと思っています。もし自衛隊の違憲/合憲の最終判断を仰ぎたいのであればまずは最高裁判所に提訴するべきだと思っています。

私は今、自衛隊は合憲だと思っていてそれを最高裁判所に判断してもらう必要を感じないのでそのままにしています。なぜなら私の様々な主張は「自衛隊が違憲だという判断はなされていない」という状態でも十分に可能だからです。もし「いや、しごしかの意見を覆させたい、しごしかに【自衛隊は違憲です】と言わせたい」と思われる方がいらしたらどうぞ最高裁判所に「自衛隊違憲判断」を求めればよいでしょう。もし最高裁判所が「自衛隊は違憲である」と判断したとしたら私はもちろんそれに従います。

自衛隊が違憲か合憲かは双方陣営ともに決め手に欠け、平行線である、というのが私の考えです。

しかし、もし「自衛隊は違憲である、故に憲法を改正する必要がある」という方に伺ってみたいことがいくつかあります。お答えいただけなくても結構ではあるのですが。

1.自衛隊が違憲であると思われるならまず自衛隊の廃止を唱えるべきではないでしょうか?

ここがまず私は不思議に感じます。

例えば、「泥棒」という存在が世の中にはあります。(自衛隊を泥棒に例えたいわけではないのでご了承ください) 泥棒はもちろん良くないことです。しかし泥棒はこの世の中から消滅することはないでしょう。「泥棒は犯罪だ、だけど無くせない。であれば泥棒を取り締まる法律をなくそう」とはならない。そうですよね?

更に例えば、倒れそうな家があるとします。それを支えるために周囲に足場を立てているとしましょう。この足場は例えば隣の家の敷地にはみ出していたりして違法だったとしましょう。この場合、無くすべきは「隣の家に足場は踏み出してはならない」という法律ではなく、足場でしょう。暫くの間は「すいません、うちの足場がお宅の敷地にはみ出してご迷惑かけます」とお詫びして済ますとしても、いつまでも迷惑はかけられない。いつかしっかりと家を補強し建て直し、その家を仮支えしている足場がなくても良いようにする必要がある。

つまり、変えるのは憲法ではなく憲法違反の存在でしょう。(私は自衛隊を憲法違反ではないと思っています) 「自衛隊は憲法違反だ、だから憲法を改正すべき」と主張される方にはぜひ伺ってみたいと思っています。

2.自衛隊設立、という憲法違反は不問ですか?

自衛隊を憲法違反と主張されながら廃止を唱えない方が主張されるのは「自衛隊は必要だ」とことです。私は「自衛隊は必要だし、合憲だ」という立場です。

「自衛隊は憲法違反だが、必要だ。しかし憲法違反であるため、憲法改正が必要だ」とおっしゃる方には伺ってみたい疑問あります。

一旦その前に、「自衛隊を作った人間」を憲法違反として告発すべきではないでしょうか?

「自衛隊が必要」というご主張は理解し同意します。

しかし必要だからといって「憲法違反の組織を作る」という憲法違反を犯した人間(あるいは組織)*を放置しても良いのでしょうか?

*以降「憲法違反を犯した人」に統一します。

生活のために盗みを働いた人間には情状酌量の余地があります、しかし窃盗の罪は償う必要はあるでしょう。それと同じく、必要だからと言ってこれほどまでの組織を憲法に違反して設立した人は(情状酌量の余地があるとしても)告発されその罪を問われるべきではないでしょうか?

もちろん、自衛隊の設立はその前身たる警察予備隊の設立となり1950年の出来事ですからいくら憲法違反でも事項でしょう。今更、憲法違反を犯した人を裁判所に引き連れて弾劾せよ、とは申し上げません。

しかしせめて「自衛隊を作って憲法違反を犯したのはこの人だ。この人は憲法違反を犯した。」と名指しはしていただきたい。

寡聞にして私は、自衛隊を違憲と主張される方が、「自衛隊設立の憲法違反の罪」で誰かを告発していることを目にしたことがありません。

「いやあのときに警察予備隊が必要だったから作るという憲法違反を犯すのは仕方なかったんだ」ともし主張されるなら更にお伺いしたい。

「憲法違反」というのは「必要だったから仕方ない」で済まされるほどの軽い罪なのでしょうか? 私はそうは思えません。もしそうならどんな憲法違反も「いや、必要なんだから仕方ない」となってしまうのではありませんか? だとしたらそんな憲法になんの意味があるのでしょうか? 私は甚だ疑問です。

更に「自衛隊設立は必要だったから憲法違反でも仕方ないのだ」と主張されるのであれば、「自衛隊は必要だから憲法違反でも仕方ないのだ」とならない理由がわかりません。

「自衛隊設立は必要だったんだから憲法違反でも仕方ない」
「自衛隊は必要だが憲法違反なので憲法を変えるべきだ」

という論理がひとりの人間の中で並び立つことが私は理解しかねるのです。

3.「自衛隊は合憲である」と主張してきた歴代総理大臣は不問ですか?

更にお伺いしたいのが3点目です。自衛隊設立以降、ほぼすべての総理大臣は「自衛隊は合憲である」と主張してきました。

「自衛隊は違憲である」と主張される方にとって、これらの総理大臣の主張は「嘘」ということになります。嘘をついていたほぼすべて総理大臣(その多くは自民党ですが)のことは不問でしょうか?

「自衛隊は違憲である」と主張される方にとっては、歴代総理大臣のほぼすべてが、「自衛隊は違憲か合憲か」という大変重要な点において国民と国際社会に対して嘘をついていたことになる。この人たちを不問の上でなお許諾できるのはなぜなのでしょうか?

「過去の話だよ」と冷静に受け流せるような話では私はないと思っています。

ぜひお伺いしたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?