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ニュースでも「悪どい」が使われる「あくどい」言葉

結論を先に述べると、「悪どい」という言葉は表記方法も意味も誤用されています。

例を見てみましょう。

性的暴行で逮捕4回…美容外科医が初公判で語った「悪どい手口」

出典:『性的暴行で逮捕4回…美容外科医が初公判で語った「悪どい手口」 | FRIDAYデジタル』

人手足りず無償の「収穫サポーター」募集→「悪どい行為」と批判 生産団体「田舎の慣習に流されておりました」と撤回、中止に

出典:『人手足りず無償の「収穫サポーター」募集→「悪どい行為」と批判 生産団体「田舎の慣習に流されておりました」と撤回、中止に: J-CAST ニュース【全文表示】』

ロンドンの下町で悪どい商売をしている守銭奴のスクルージは、街中の人から嫌われていた。

出典:『吉田栄作主演!ミュージカル『クリスマス・キャロル』開幕!12月25日まで20ヶ所22公演全国ツアー!|株式会社キョードーメディアスのプレスリリース』

最近は「あくどい」を、「非常に悪い」という意味で「悪どい」と誤表記しています。

「あくどい」の本来の意味は、程度を過ぎてきつい。色や味がしつこい。やり方が行き過ぎていてたちが悪い、などです。

確かに「たちが悪い」の意味もありますが、本来は「灰汁どい」です。

つまり、「灰汁(食べモノのえぐみや渋みなど)」が強いことです。度が過ぎている意味ですね。

別の説もあり、接頭語「あ」+「くどい」ではないかとも言われています。この場合も度が過ぎている事を示していますね。

というわけで、「あくどい」の正しい使い方としては以下の様になります。

――
服の色があくどい(きつい)。
その商売の仕方はあくどい(質が悪い)。
その化粧はあくどい(やりすぎ)。
あのプレゼンはあくどかった(しつこかった、あるいは度が過ぎていた)。
説明があくどい(くどい)。
性格があくどい(きつい)
――

まぁ、たしかに「灰汁」より「」を使用した方がしっくりする場合がありますね。

ですから、近々「悪どい」も正式な表記として認められるかもしれません。

しかし、まだ今のところは「あくどい」とひらがなにしておいた方が無難でしょう。

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