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「する」という動詞は実は難しい!

普段、私たちは会話の中で「~する」という動詞を使うことが多いと思いますが、実は文章に書くときには使うのが難しい局面があります。

私たちは「~する」という動詞を以下の様に活用させて使っています。

未然形:「し、せ」(ない、ぬ)
連用形:「し」(ます、ない)
終止形:「する」
連体形:「する」(とき)
已然形:「すれ」(ば)
命令形:「せよ」

ところがこれは口語なのですね。

文語では「す」です。つまり以下の様に活用します。

未然形:「せ」(ず)
連用形:「し」(けり)
終止形:「」      ←ここに注目!
連体形:「する」(とき)
已然形:「すれ」(ば)
命令形:「せよ」

となると、「勉強する」を口語で未然形にすると「勉強(ない)」ですが、文語では「勉強(ず)」です。

まあ、この辺りはそのときに書いている文章が現代的で軽めか、少し古風で硬い文章かで使い分けできますね。

ところが「べき」を付けるとどうでしょう。「べき」は終止形に付けるというルールがあります。

例えば「今こそ走べきだ」「歴史に学べきだ」などです。これらは問題ないですよね?

では「」は?

たとえば「勉強する」なら「勉強するべきだ」と口語では言います。文法上も間違いありません。

しかし文語では「勉強べきだ」となります。こちらも間違いではありません。

どちらも正しいようです。

となると、口頭では「勉強するべきだ」で文章では「勉強べきだ」とすべきでしょうか?

実は「す」と同じサ行変格活用の動詞「愛」も悩ましいですね。

「愛するべき人たち」なのか「愛べき人たち」なのか。どちらも使いますかね。

これも、文語(往々にして古くさくなる)では「愛べき」ですし、口語では「愛するべき」となりそうです。

では、ライターはどちらを使えば良いの?

分かりません(あ、放り投げた)。

そのときどきのメディアの性質に合わせて使い分けるしかなさそうです。

ジャンジャン!

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