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#13 ベルンシュタインから考える⑦『動作構築のレベル』その1

動作のレベル分け


今回から『動作』をレベル別で見ていきたいと思います。

ベルンシュタインは、動作を以下のようにレベル分けしています。

『緊張(トーン)のレベル(レベルA)』

『筋-関節リンクのレベル(レベルB)』

『空間のレベル(レベルC)』

『行為のレベル(レベルD)』


それぞれのレベルを単独で捉えるのではなく、階層的また相互的に考えていく必要があります!


今回は、『緊張(トーン)のレベル』について見ていきます。


緊張のレベル(レベルA)


このレベルは、全ての動作の土台となります。

土台なので、動作の前面に出てくることはありません!


このレベルでは、体幹と首の筋がその役割を受け持ちます。

体肢に先行して、体幹や首の筋が緊張することで、体肢がスムーズに動くことを手助けしてくれます。

つまり、土台が安定する事によって、末梢の手足で大きな力を発揮することが出来るのです!




また、体肢の動作制御に関しても、(背景レベルではありながら)極めて重要な機能を持ちます!

レベルAは体肢の筋に『緊張(トーン)』をもたらします。

動作のための下準備をもたらすのです。


例えば、肘を曲げる動作を考えてみます。

肘を曲げるときには、屈筋である上腕二頭筋などが収縮する必要があります。


と同時に『あること』も必要になります!

それは、肘を伸ばす筋(伸筋)である上腕三頭筋などが弛むことです。

レベルAでは、このスイッチを切り替える役目も担っています。

この切り替えをスムーズに行うことによって、滑らかな動作が可能となるのです。



レベルAが障害されると..


では、レベルAの障害されると動作はどうなるのでしょう?

レベルAに障害が発生すると動作が限定されます。

例えば、全身がガチガチに硬直したり、無表情になったり、動作が開始できなくなったりします。

または、全ての関節がグラグラに弛んだり、全身が軟体動物のようにフニャフニャになったりしてしまいます。

動作の土台と言うだけあって、基礎がしっかりしていないと動作は上手くならないようですね。


レベルAの重要性


ここまで、レベルAについて見てきました。

レベルAは、人間において如何なる動作も先導しないとされます。

そのため、『運動の巧みさ』と『レベルAの背景機能』の関係性について疑問を持たれるかもしれません。

しかし、今回述べてきたように、『滑らかな動き』や『大きな筋力発揮』などの土台となるため、非常に重要だと言えますね!




次回は、『筋-関節リンクのレベル(レベルB)』について考えていきたいと思います。

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