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スマート農業への道しるべ

今現在、農作業における重労働の一部を、
ドローンは農薬散布作業労力を軽減してくれます

技術の進化による日本の農業作業効率の軽減を、
図った空からの視点。

地上からの散布に比べ、ドローンや産業ヘリコプターでの散布は圧倒的な作業時間を短縮し、狭小地や各所に点在している圃場ではその機動力を生かし作業を中断することなく迅速な散布をすることが出来る新技術です。

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農薬散布にドローンが導入される最大の理由は、農作業の効率化と低コスト化にあります。

農薬散布は手作業で行うには時間や労力が非常にかかるため、従来は無人ヘリを使って空中散布することが一般的でした。

しかし、無人ヘリは一機1,000万円以上もするため、個人で所有するのは難しく、多くの農家は無人ヘリでの農薬散布を外注することで対応していました。

そんな中、農薬散布用ドローンの登場により状況が一変します。

ドローンは無人ヘリに比べて価格が安く、数年間使用することでヘリ外注費用よりも安く抑えられるようになりました。

また操縦の難易度が低く、作物の成長や、天候に合わせていつでも農薬散布を行えるなど、非常に使い勝手の良いものでした。

これまで農薬散布に割いていた労働力や時間、コストを他の作業に回せるようになり、生産性も大幅に向上するなど、まさに良いことづくしのドローン。

さらに現在、多くの農業の現場で課題となっている、後継者不在による担い手不足や、高齢化による労働力不足をカバーできるという点でも、その存在感は高まるばかりです。

しかし、その一方で、ドローンが今一つ普及されないという実情も抱えていました。

その原因として、ドローンで農薬散布をする際、通常の国交省の航空法に加えて、農林水産省による「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」に従う必要があり、操縦者の他に補助者を配置する義務があったことが挙げられます。

農業の現場ではこれらの法令や義務が正しく理解されずに、普及を阻む課題になっていたのです。

ドローンによる農薬散布を推進したい国は、
このような現状を踏まえて、2019年に7月に「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」を廃止するなど、規制の大幅な見直しを行いました。

これにより、ドローンを使った農薬散布がより身近なものとなり、農業にドローンを活用する農家が一層増えると期待されています


専用の免許と定期点検が不要に


「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」

では農林水産航空協会が発行する農薬散布オペレータードローンの免許取得や、指定業者による定期点検が定められていました。

指針が廃止され、新たに「無⼈マルチローターによる農薬の空中散布に係る安全ガイドライン」が制定されたことで、専用免許と定期点検が不要になりました。

代わりにドローンの操縦技術は国交省への許可申請の際に審査されるようになり、ドローンの整備は各操縦者の責任へと変更されています。

※注意点として独自の講習や点検要領を設けているメーカーもあります。

国交省の承認一元化など、様々な手続きが簡略化
「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」が廃止されたことで、ドローンで農薬散布を行うために必要だった農水省の登録代行機関による代行申請の仕組みも無くなりました。

航空法に基づく飛行の許可・承認を得るためには個人で申請を行う必要はありますが、国交省の許可承認に一元化されたことで、手続きがこれまでよりも簡素化されました。

また、これまでは国や都道府県に農薬の散布計画を提出する必要がありましたが、散布区域周辺への情報提供を前提に、散布計画の提出も不要になりました。

一定の条件を満たすことで補助なし飛行が可能に


これまでドローンで農薬散布を行う際には操縦者の他に、補助者の配置が義務付けられていましたが、新たに制定された「無⼈航空機 飛行マニュアル」に即して、立入管理区画を設けるなどの一定の条件を満たせば補助者なしでも散布が可能になりました。

立入管理区画とは、飛行する農地の周辺に人や車両への衝突を避けるための区画のことで、ドローン落下の可能性がある範囲として飛行区域の外側に設定する必要があります。

夜間や目視外での農薬散布も行えるように


「無⼈航空機 飛行マニュアル」に即し、自動操縦による飛行で、飛行範囲の制限やトラブル時に危険回避機能が作動するよう設定して飛行させることで、夜間や目視外での農薬散布も行えるようになりました。

なお、条件として目視内の農地と接続する農地の範囲で行右必要があるほか、第三者が立ち入る公道や、住宅によって隔たれている飛び地では実施することはできません

ドローンで使用可能な農薬


令和3年3月にブロッコリー2剤、かんしょ1剤、さとうきび2剤、移植水稲等2剤、稲4剤がドローンに適した農薬として登録されました

ドローンに適した農薬”は、「使用方法」が、
『無人航空機による散布』、
『無人ヘリコプターによる散布』、
『無人航空機による滴下』又は『無人ヘリコプターによる滴下』とされている農薬です。


なお、使用方法において、散布機器が指定されていない『散布』、『全面土壌散布』などとなっている農薬についても、その使用方法を始め、希釈倍率、使用量等を遵守できる範囲であれば、ドローンで使用可能です。


農林水産省では、平成31年3月に、”ドローンに適した農薬”について、新たに200剤の登録を推進する目標を立て、登録数の少ない露地野菜や果樹用の農薬を中心に、"ドローンに適した農薬"の登録数の拡大を図っています。

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少子高齢化が進む日本において、すべての国民が歳を重ねても元気で過ごしていけるためには、運動や休養とともに、食が最も重要です。

特に、美味しく栄養価の高い健康機能性に富んだ旬の野菜は、疲れた現代人の心身を癒す力に満ちています。

世界に誇る日本農業の技術は伝統と革新によって発展し、農業者の誠心によって支えられてきました。すべての関係者の知恵と情熱、努力と願いが結集して、作られ、配送され、加工・調理され、届けられた中身の優れた国産野菜。われわれ一人一人が、高い志しを持った農業生産者と、農業に係る全ての方々の応援団となることで、日本と日本人を創造し守ってきた先人達に感謝するとともに、希望に満ちた明るい未来を子供たちへ繋ぎたいと切望しています。

今回も最後までありがとうございました。

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