直接アクセスできない莫高窟(甘粛省④)
敦煌莫高窟数字展示中心に到着
ほどなくして敦煌莫高窟数字展示中心に到着した。チケットを買ったら直接莫高窟へ行くのではなく、数码中心という莫高窟の展示館のようなところに集合しなければならない。
ちなみに場所は空港の近く↓
石窟や砂漠をイメージしたと思われる近代的なデザインの建物である。タクシーを降りて、建物へ向かった。
入る前に、身分証とスマホで健康コードをチェックされる。
中国では、各省ごとに個人の健康状態や行動履歴、濃厚接触の有無が携帯電話の番号をもとに全て把握されている。アプリやQRコードのスキャンでそれらを瞬時に判別し、感染の疑いがないか判別される。
建物に入るときはもはやお馴染みである。
私は外国人なので、香港、台湾、澳門から来た人のレーンに並んだと記憶している。この時期に中国本土から入って来れるのは、そういう人たちだけだったからだろう。
日本のパスポートを見せるとすんなりと通してくれた。こういう時に日本人だと分かるとたいていスタッフの反応は2パターンに分かれる。外国人なので特別な対応が必要→しっかり仕事をしよう、もしくは、外国人だから多少は大丈夫→OK OKよく来たね。今回は前者だったように思う。
立派な施設
建物の中は、莫高窟の偉大さを証明するような内装であった。博物館や美術館のようなたたずまいである。かといって歴史的なものが展示されているわけではない。そういったものは莫高窟近くにある。
チケットを見ると、時刻が印字されていて、数码中心内のホールに入ることになっている。ネットの情報によると、動画を観てから莫高窟へ出発するようである。
ただ、いつホールに入っていいのかよく分からない。入り口に立っているスタッフに見せても、特にチケットを見ることもなく入るような動作で促されるだけである。
そのまま入ると、中は映画館さながらのホールであった。とりあえず空いているところに座る。人もどんどん入ってきて、間もなく上映が始まった。内容は莫高窟の概要と歴史についてだった(と思う)。何せ中国語なのでわからない。
上映が始まるまでに、隣に座った中国人の女性に話しかけられる。
「あなたは何時から」
「11時半」
「そう、私もよ。もうここに入ってていいのかしら」
こんなニュアンスだったと記憶している。中国人ですら自分の時間と合っているのか理解できないシステム。何ともざっくりである。
15分程度の動画を見て、係員の指示に沿って移動する。中国語が聞き取れないのでこういう時は人の流れについていくに限る。
人混みの中に欧米人の家族を数組見かけた。海外からの観光客は来ることができないため、国内に居住している外国人であろう。何とヘッドセットをしているではないか。ヨーロッパの博物館や美術館でレンタルできる黒いアレである。ここにもあったんかい!
時すでに遅し。いよいよ莫高窟(ようやく本物)に向け出発である。
大型バスに乗ってようやく出発
誘導に従って歩いていくと、バス乗り場に到着した。ここから大型バスで莫高窟に向けて出発する。
バスが出発すると、ひたすら荒涼とした風景が続く。灰色の大地に灰色の山。時おり枯れ草のような苔のようなものも見えるが、緑はほとんどない。辺境の地まできた感じがする。
20分ほど乗ったであろうか。少しづつ山のようなものが近づいてくる。よく見ると斜面に穴が空いている。
小高い丘のような砂漠の山に、突如現れる垂直な斜面。近づくほどに穴ははっきり見え、部屋のようになっていることが分かる。
いよいよ莫高窟へ!次回に続きます。
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