異端の鳥

異端の鳥を観てきました。

ビジュアル

[あらすじ]
東欧のどこか。ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である一人暮らしの老婆が病死した上に火事で家が消失したことで、身寄りをなくし一人で旅に出ることになってしまう。行く先々で彼を異物とみなす周囲の人間たちの酷い仕打ちに遭いながらも、彼はなんとか生き延びようと必死でもがき続ける──。


3時間がとても長く感じられる終わりのない絶望に観終わったあとは疲労がどっときました。

白黒であまりに映像が美しく、雄大な自然の中に描かれる人々の営みはあまりに醜い。あそこに描かれている暴力、差別、排除が人間の本質なのかもしれないと思った時、どうしようもない恐怖に襲われました。

歴史の中の話、物語の中の話、貧しかった頃の話「そんな時代もあったのか」「平和な時代に生まれてよかった」

そんな風には受け流せない、現実として心臓の奥に響く訴えがありました。

少年が理不尽を受けるたびに、表情に狂気と凄みが浮かんでくる様

あれは成長と言って良いのか?エンディングをどう捉えて良いのかわからなかった。

僕たち人間と映画の中の人間は同じ人間なのか?異なるとすれば何が異なるのか?人間の本質とはなんなのか?

この感想を読んで観たいと思う人は少ないかもしれないですが、観たいもの(エンタメ)ばかり観ていてもどうしても視野が狭くなるのではないでしょうか。モヤモヤを持ち帰るものたまには良いかなと思いますよ。


次の祝日11日(木)に座談会イベントがあります。モヤモヤしながら話しましょう。

『異端の鳥』オープンダイアローグ
[日 時]2月11日(木祝)映画上映:13時20分〜/座談会:16時30分〜18時
[会 場]
 <映画上映>上田映劇(長野県上田市中央2-12-30)
 <座談会>犀の角(長野県上田市中央2-11-20)
[料 金]
 <映画鑑賞>uedaeigeki.com/ticket
 <座談会>ワンドリンクオーダー


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