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大腸菌やアグロバクテリウムの形質転換について

私は、通常大腸菌の場合にはChemical transformation法、30 kb以上あるDNAを大腸圏に導入する場合やアグロバクテリウムの場合にはelectroporation法で形質転換を行なっている。

その効率についてきちんとデータを取ったわけではないが、個人的な印象を紹介する。

まず、大腸菌のChemical transformation用コンピテントセルだが、作製したその日にそのまま凍らせずに形質転換に用いると非常に効率が良い。
感覚的には市販のものよりも数倍良い。
一方、−70℃で凍結保存したものについては効率がガクッと落ちる。
おそらく市販のものよりも1桁くらい効率が悪い。
もっとも通常は20~100コロニーも出てくればインサートがクローニングされたコロニーも含まれているので十分なわけだが…
コロニーが少ない場合にはフレッシュなものか市販のものを使ってみると良いかもしれません。

大腸菌のelectroporation用コンピテントセルについては、その傾向が顕著である。
基本的には大腸菌を集菌後に滅菌水で何度かリンスして、フレッシュな状態でそのままelectroporationに用いる。
Electroporation法はフレッシュなものを使えば、市販のものと同様に非常に効率が良い。
一方、凍結保存したものについては非常に効率が悪く、コロニーが出るか出ないかといったところである(凍結の仕方について何かコツがあるのだろうか?)
Electroporationについては、フレッシュなものか市販のコンピテントセルを用いることをお勧めする。

アグロバクテリウムのelectroporation用コンピテントセルについては、自作のものしか使ったことがないので市販のものとの比較はできない。
フレッシュであれ、凍結保存したものであれ、たくさんコロニーが出てくるので問題ない。
ただし、集菌後のリンスが悪いとelectroporation中にスパークが生じる(DNAの塩濃度が高い場合にもスパークが生じる)
スパークが生じた場合にはコロニーが出てこないだけでなく、感電事故のリスクもあるので気をつけたい。


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