「強いAI+ロボティクス」によるヒトの「知能+身体能力」の代替はいつ?

『しかし最近は、強いAIを「どのようなタスクでも実行できる汎用型人工知能」(AGI:Artificial General Intelligence)という意味で使うケースが増えてきた。この場合、弱いAIは「特化型AI」「専用AI」などと表現される。強いAI=汎用型AIと定義すると、現在実用化されているAIは全て弱いAIということになる。Googleが開発した囲碁ソフト「AlphaGo」は人間のトップ棋士に勝利したが、自動車を安全に運転することはできない。Googleは自動運転車を開発しているが、そこに搭載されたAIは金融取引における不正を暴くことはできない。そして不正な取引を検知するために開発されたAIは……というように、企業が手掛けるAIのほとんどは用途が限定されている。人間のように何をすべきか自ら考えて結論を出しているわけではない。したがってAIに新しいタスクを実行させるには、新しいデータとアルゴリズムを用意して、一から学習させる必要がある。ただし第4回で解説したように、ある目的のために開発したAIを、それに近い目的に流用する「転移学習」という手法も生まれている。だからといって、弱いAIに価値がないわけではない。AIはさまざまな頭脳ゲームで人間を上回る腕前を発揮するようになったし、自動運転は人間の乱暴なドライバーや飲酒運転者よりも安全に運転できる。金融犯罪を検知するプログラムは、人間よりも多くの取引を高精度で監視可能だ。用途は限定されるが、弱いAIも優れた価値を生み出すのだ。~何が言いたいかというと、私たちがAIに何を求めるのかは目的次第だということだ。特定の仕事を、人間並みかそれを上回るパフォーマンスで機械に代行させたいのであれば、弱いAIで十分だろう。一方でジョン・サールが主張したように、人間の心そのものを作るようなAI開発だってあり得るかもしれない。』

ここ十数年で「弱いAI」の活用は飛躍的に進むだろう。しかし「強いAI+ロボティクス」によるヒトの「知能+身体能力」を実現するにはどれくらいとは誰も語れないと私は思う。

それは人類にとって脅威なのか 「強いAI」について考える
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1906/19/news030.html

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