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今の時代に何を打ち出していくのか!?日々勝負し続ける「侍.うどん」相馬寛之さんこと侍さん

相馬寛之さんプロフィール
出身地:京都府
活動地域:福岡市博多区
経歴:二十代:福岡県警福岡共済支部 厚生課 博多サンヒルズホテル 営業一課 フロント係
三十代:㈱力の源カンパニー 一風堂
39歳 :創業 侍.うどん 2020年1月2日で8年目に突入
座右の銘:怪我の功名

今の時代には侍が必要。誰もが侍になるために自分にできることとは!?

Q. どのような夢やビジョンをお持ちですか?

相馬寛之さん(以下、相馬 敬称略):「うどんホテル」をつくる。これまで取材を受ける度に2022年にはつくると2012年から一貫性をもって言い続けてきました。
17歳からサービス業の仕事に就き、ホテル、ラーメン、うどんと10年ずつ30年やり続けてきました。他の仕事はしてきていません。立ち仕事とサービス業の30年の仕事の結果として形化できるものが「うどんホテル」と考えています。

記者:以前に少しお話をお伺いした際、理想はおばあちゃんがやっていた旅館だとおっしゃっていましたが?

相馬:そうですね。そのイメージはありますね。ホテルというより「旅の宿」の旅館のイメージです。ばあちゃんは自分の寝場所がなくなってもお客さんを入れる、そんな経営をしている人でした。そんな心を取り入れた旅館の経営が理想にあります。
そして、もう一つ侍のイメージもあります。
今の時代、侍が必要ですよ。今起こっている多様な問題も武士道があれば解決しているんじゃないかと思います。侍の世界にはちょろまかすとかそんな精神はないですからね。自分の中での嘘はダメ、信念があります。今のようなピンチの時代に生き残る為にも、侍精神が一番大事なのではないかと思うし、そんな人づくりをしていかないといけない時代だと思います。AIの進化がおきても、AIの侍はできないでしょう。だからこそ、AIにはできない侍のような人材が必要なんだと思います。
最初に、うどんホテルと表現しましたが「うどんホテル=Samurai Ryokan」ですね。侍をつくる侍が必要な時ですから、日本人も外国人もSamurai Ryokanの空間で侍スピリットを感じ、育てることができる「誰でも侍になれるSamurai Ryokan」そんな旅館をしていきたいと思っています。

Q. それを具現化するためにどのような目標、計画を立てていますか?

相馬:過去には異業種の社長と組んでコラボ麺という企画を毎月開催していました。自分の予定をやめてでも、侍のイベントに行く!その選択をしてもらえるように、コンテンツ力を磨きながら、その場で初めて出会い、お互いのものを出し合い共に作品として料理を仕上げるというアドリブ漫才のようなコラボ麺の企画でした。
今思えばよくやっていましたね。来るか来ないかわからない中、50杯の食事を準備してお客さんを待つ。当時はおかげ様で毎月大盛況。絶対にお客さんは来ないだろうと思うような台風の日でさえも行列ができて完売ということもありました。

記者:それはすごい企画でしたね!調理する2人もその日に初めて出会ってその場でお客さんに提供できるまでのものを仕上げるなんて、まさに侍の真剣勝負のような世界ですね。
今後についての目標や計画は何かあるんですか?

相馬:今は何もでてこないし、観えません。観え始めるとパズルを組み立てるのが早いんだけど、今は閃きも何もないし、無理やり出すこともしていません。慌ててその場で安易なことに取り組むなんてこと、侍はしませんからね(笑)
クリエイティブ・アイデアが出やすいように規則正しい状態を整えて、これだ!という時には勝負できるように準備している段階です。
昔から、からくりの発見が好きで、元々ないゲームをつくるのが好きなんです。先見の明があって、いける!という時に勝負して、みんながやり始めた時はもうしない。これはゲームをつくる感覚なので、バクチではないんです。負けない構造をみつけて楽しむ。それが好きですね。
美味しいものをつくるということが軸にあるけど、構造をわかり大衆心理をわかって仕掛けていくこと。自分の中からアイデアが出る事は自分自身が知っているので、出てこない時は無理やり出す事はしないようにしています。
自分を信じて世の中にない最高のものがきた時には勝負に出たいと思っています。

Q. では現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

相馬:規律正しい生活の中でナチュラルな状態にあるので、体調も整っています。今は川の流れに身を任せてチャンスを待っている状態ですね。規則正しい生活だけではダメなのはわかっているけど、これがないとアイデアも出てこない。無理してアクションしてイベントして目立とうとしても空振りしてしまうので、こういう時は力を抜いてバタバタしないというということを心がけています。

Q. そもそも、その夢やビジョンを持ったキッカケは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

相馬:侍さんと言われていますが、実は、侍は好きでもなんでもないんです。親父の友達で北海道に「Rojiura Curry SAMURAI.」というスープカレーのお店をしている川端 昌志さんという社長がいて、アドバイスを聞いておけという親父からの言葉があったのがきっかけです。
その時に川端さんに「侍.」をいただきました。屋号は命のようなものですから、まさかくれるとは思っていなかったので正直驚きましたね(笑)親父から紹介されずに、電話番号もこんなものいらないと返していたら今の「侍.うどん」はないでしょう。
それからです、侍というものを意識するようになったのは。僕は侍の本を読んだり、侍の宮本武蔵や坂本龍馬が好きなわけではないんです。歴史もチンプンカンプンですから。
親族は坊さん、教師ばかり。親父に経営者がいないから、せめてこいつにだけアドバイスを聞いておけと渡された電話番号。これがあったから、今に至っています。
そこから侍さん、侍さんって呼ばれるようになり、TV局でも侍ってなんですかって聞かれる。答えるのが面倒臭いところから侍の事を調べ始めて、侍や武士道ってそういうことなんだ。大事な事だなっていうことを知りました。
あの時ですよね、始まったのは。。。

Q. その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

相馬:Samurai Ryokanのきっかけとしては、祖母の存在がやっぱり大きいですね。しょっちゅう会える人ではないけれど、もの凄いインパクトが強い人で、亡くなった葬式の時は、色々思うことがありました。例えば葬式の場で滅多に会わない親戚の人たちとの会話からポロっと出てくる言葉が自分のルーツを教えてくれるんです。認知症のばあちゃんが、僕には旅館の事とか経営の事とかよく話してくれていたけど、「他の子には一切しない。あなただけに話し続けるって不思議よね。なんでやろうね」って。そういう話を聞いたりすると、そういうことなのかって僕が疑問に思っていたことが、繋がっていく感じがありましたね。
昔から組織内でのプレイは苦手で、2:6:2の法則でいったら、働かない2割の人間だけど、ふとした瞬間に急激にスターになることってあるでしょ。あの瞬間が好きなんです。
何もしないし、ダメダメな自分でも役割が決まると正反対の自分にもなれる。しかも自分からやりますではなく、自然に選ばれたら一番やる気スイッチが入る。そんなところがあります。
だから、Samurai Ryokanは今後の自分のVISIONだけど、そこにばあちゃんの大切にしてきた想いや、経営方針を活かしていきたい。
30年間働いてきた結果としての表現、そしてばあちゃんが大切にしてきたもの。あともう一つ何かの要素を探しているんだと思います。今の時代に対して、これだ!と仕掛けられるものであり、自分自身のアイデンティティとなるもの。それが決まれば、準備はできているし思う存分勝負に出られます。
僕は、そのスイッチ探しを常にしてきていますね。

記者:本日はありがとうございました。侍さんの中に流れる一貫した想いを感じられて、とても興味深い時間でした。

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【編集後記】
今回インタビューさせていただいた小野、相良です。
色々なお話を聞かせていただきましたが、常にそこには侍さんの大切にされる想いがあり、一貫したご自身のメッセージを持った素敵な方でした。うどんホテル(Samurai Ryokan)楽しみにしています!

*この記事は、リライズニュースマガジン「美しい時代を創る人達」にも掲載されています。


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